2025年も、残すところあとわずかとなりました。
この一年を振り返りますと、生成AIの社会実装が本格化し、地政学リスクを考慮した経営判断、高齢労働者の安全対策など、社会構造の大きな変化を強く意識させられる一年となりました。これに伴い、講演テーマでは、AI活用による生産性向上、多様な人材育成・組織マネジメント、改正労働安全衛生法への対応などに注目が集まりました。講演の開催形式も、リアル開催を軸とした安定期へと移行しています。

今年もまた、聴講者別市場(一般市民、ビジネスパーソン、安全大会、経営者)ごとに、開催形式と人気の講演テーマを振り返り、各市場担当者が2026年に注目されるテーマを予測いたします。講師の皆様に、より効果的な企画を立てるためのヒントをお届けします!

1,市民(官公庁・医療福祉・学校・PTA)

①開催傾向

官公庁・学校・PTA・医療団体などが主催する市民向け講演は、今年もリアル開催が主流であり、リアルが87%、オンラインが13%と、昨年から大きな変化は見られませんでした。

一方、オンライン講演の形式には変化があり、双方向のウェブ会議型は減少し、録画・アーカイブ配信といった一方向型の実施が増加しています。

特に学校・PTA関連では録画形式のニーズが高く、オンライン形式の約6割が「ライブ配信+録画」「リアル開催+録画」「録画のみ」など、録画形式で実施されています。今後は「基本はリアル、補完として録画配信」という形が定着すると見られ、講演には対面・録画双方を意識した構成力が求められています。

➁人気講演テーマベスト10

順位 2024年 2025年
テーマ 割合 テーマ 割合
1 子育て・教育 21.26% 子育て・教育 22.18%
2 文化・教養 14.23% 人権・平和 15.05%
3 人権・平和 12.43% 文化・教養 12.08%
4 福祉・介護 10.63% 福祉・介護 9.70%
5 健康 7.39% 健康 8.32%
6 環境問題 3.60% 環境問題 3.96%
7 男女共同参画 3.42% 防災・防犯 3.56%
8 地域活性 3.60% 男女共同参画 3.37%
9 防災・防犯 3.96% 時局・経済 2.77%
10 意識改革 1.44% 地域活性 2.38%

市民対象の講演テーマは、今年も大きな流れに変化はなく、「子育て・教育」を軸に、「人権・平和」「文化・教養」が引き続き高い関心を集めました。特に今年は戦後80周年という節目を迎えた影響から平和祈念行事や関連イベントが増え、「人権・平和」が2位に浮上しています。

「子育て・教育」分野では、SNSやネットトラブル、いじめに関するテーマへのニーズが依然として高い状況です。特に、SNSやオンラインゲームの仕組みが複雑化する中で、問題が表面化しにくく、対応が難しいケースが増えている点が注目されています。
「死体打ち」などゲーム内での新たないじめ行為は後を絶たず、子どもたちを取り巻く環境は年々厳しさを増しており、家庭・学校・地域が連携した取り組みの重要性が一層高まっています。

また、AIの普及を背景に、AIとの適切な関わり方や依存、人間関係の希薄化といったテーマも講演内容として関心を集めました。

地域活性化の分野では、地域福祉の要でもある自治会や民生委員などの担い手不足や地域のつながりを切り口とした講演が、防災・防犯、子どもの見守りと関連づけて選ばれるケースも見られています。

さらに、今年は障害者雇用促進法の改正を背景に、障害者雇用や福祉への関心が高まり、制度理解と実践を結びつける講演ニーズが継続的に見られました。

③2025年の総評と予想される2026年の傾向

2025年を振り返ると、市民向け講演は開催方法・テーマともに大きな変化はなかったものの、リアル開催を軸とした安定期に入った一年だったと言えます。オンラインは補完的な位置づけとなり、今後も録画・アーカイブ形式を中心に一定数が継続すると見られます。

2026年を見据えると、講演テーマは社会情勢や制度改正、国際的イベントの影響をより強く受けることが予想されます。

来年開催予定のワールドカップや冬季オリンピックといった国際イベントと合わせて、モチベーションや多文化共生、青少年育成といった文脈で語られる機会が増える可能性があります。また、法改正や政策の動向を背景に、男女共同参画、女性管理者・リーダーの活躍といったテーマも注目されるでしょう。

さらに、実質賃金の伸び悩みや物価上昇といった経済的課題は、生活不安や格差の問題として市民講演の中でも引き続き扱われると考えられます。

2026年は、個別テーマを深掘りするだけでなく、社会全体の変化をどう受け止め、どう行動につなげるかが問われる講演が増えていくと予想されます。

④主催者に選ばれるためのポイント

数ある講演プランの中から主催者に選ばれるためには、提案のタイミング・講師自身の経験に基づく問題意識が重要です。

自治体では、来年度事業の予算請求資料を作成する時期が秋から年末にかけて重なるため、この段階で資料提供できるかが採択に影響することがあります。実際の検討は年度末から新年度(3~6月)に本格化するため、3月末~4月初旬に提案可能なプランを整えておくことが望ましいといえます。

講演プラン作成ではAIの活用も有効ですが、単にテーマを尋ねるのではなく、ご自身がこれまでの経験や活動の中で感じた課題や、これまでの講演先で実際に直面した問題意識を起点に活用することで、より具体的で実態に即した構成のヒントが得られます。特にヤングケアラーなど社会課題を扱う講演では、そのテーマと深く関わる実体験や実績などが豊富であるほど、話の説得力が増し、聴講者から高く評価される傾向があります。

2.ビジネスパーソン(社内研修・労働組合)

①開催傾向

ビジネスパーソン向け講演の開催傾向は、今年も昨年と大きな変化はなく、リアル65%・オンライン35%とほぼ同水準で推移しました。

完全オンラインは減少し、会場開催にライブ配信を組み合わせたハイブリッド形式が主流となっています。

特に全国に支部を持つ労働組合などでは、会場参加と自宅参加を併用できる柔軟な開催形態が、参加率向上の点で評価されています。

また、コロナ禍で人気を集めた料理教室や科学教室などのオンラインレクリエーションも、今年はリピーターを中心に一定の需要が見られ、全国規模の組織での継続利用が目立ちました。

➁人気講演テーマベスト10

順位 2024年 2025年
テーマ 割合 テーマ 割合
1 コミュニケーション 11.76% コミュニケーション 13.54%
2 リーダーシップ 11.48% モチベーション 11.79%
3 モチベーション 10.93% リーダーシップ 9.02%
4 安全管理・労働災害防止 6.64% その他ビジネストピック 7.57%
5 健康 5.81% 安全管理・労働災害防止 7.28%
6 営業・販売・マーケティング 5.53% 営業・販売・マーケティング 5.39%
7 文化・教養 4.84% 健康 5.39%
8 意識改革 4.84% 時局・経済 4.37%
9 人材・組織マネジメント 3.32% ライフプラン 3.78%
10 その他ビジネストピック 3.04% 文化・教養 3.78%

今年のビジネスパーソン向け講演テーマは、基礎的なニーズと時代背景を映し出すテーマが併存した一年でした。人気の上位3テーマは例年通り「コミュニケーション」「モチベーション」「リーダーシップ」で、組織運営や人材育成における普遍的な課題として高い需要を維持しています。

一方、4位以下では社会情勢の影響が色濃く出ました。
トランプ政権や日本の政権交代、インフレによる物価高を背景に、「時局経済」をテーマとした講演への関心が高まり、春闘を前に労働組合役員向けの経済勉強会が増えています。

また、生成AIの普及により、「AIをどう使うか」という実務寄りの講演ニーズが拡大。業務への具体的な落とし込みやリスク管理まで含めた内容が求められています。

昨年に続き、世代間ギャップ解消のための「伝え方」を軸とした研修にも注目が集まりました。。

さらに、経済不安を背景に、個人の資産形成への関心が高まり、「資産運用」をテーマとした講演もやや増加しました。加えて、「ワークライフバランス」から「両立支援」へと関心が移り、子育てや介護、治療との両立など、多様なライフステージを前提とした支援のあり方を扱う講演も注目されています。

こうした動きは、働き方改革後の次の段階を模索する企業や団体の意識を反映したものと言えるでしょう。

③2025年の総評と予想される2026年の傾向

今年のビジネスパーソン向け講演は、定番テーマを軸としながら、管理職層の悩みや現場課題がより具体化しました。

特に、Z世代とのコミュニケーションギャップを背景に、「指導したいがハラスメントと言われることを恐れて踏み込めない」と感じる管理職向け研修のニーズが顕在化しています。

また、「働き方改革」の定着後、生産性向上やAI活用、空いた時間の有効活用といった、実務に直結するテーマへの関心が高まりました。人手不足から若手人材の育成・定着を意識した講演依頼も目立っています。

2026年は、コミュニケーション(ハラスメント対応を含む)・時局経済・生成AI活用といったテーマが引き続き中心になると予想されます。
管理職向けには、「適切な指導」と「心理的安全性」の両立をテーマとした、より実践的な内容が求められるでしょう。

さらに、若い世代が成長機会や企業姿勢、社会貢献性を重視する傾向が強まるため、キャリア形成やエンゲージメント向上をテーマとした講演の重要性が高まると考えられます。

企業には、この価値観の変化を踏まえた人材育成・組織づくりの見直しが求められる一年になるでしょう。

④主催者に選ばれるためのポイント

ビジネスパーソン向け講演で主催者に選ばれるには、テーマ設定が非常に重要です。講師の皆さまが持つ問題意識や伝えたい内容を、どのような言葉で表現するかによって、主催者や受講者の関心は大きく左右されます。

なかでも第一印象を決める講演タイトルは、内容が想像しやすく、興味を引く表現が求められます。AIを活用して複数のタイトル案を検討する方法も有効です。プロンプトには「聴講者層」「伝えたいこと」「ご自身の経歴」を盛り込み、タイトル案をブラッシュアップしていくことをおすすめします。

また、一般的な表現にとどまらず、「両立支援」「レジリエンス」「心理的安全性」など、時代性のあるキーワードや、ご自身の強み、課題解決の視点を反映させることで、企業の関心を引きやすくなります。

講師の選定はサイト上の情報だけでなく、紹介や口コミも大きく影響します。
弊社の営業担当者と直接お会いしてお話しいただくことは、文字情報だけでは伝わりにくい魅力や背景を理解してもらう上で有効です。既存の資料を講演プランとして整理・公開し、日頃から見直し、必要に応じてアップデートしておくことも、継続的な講演機会の創出につながるでしょう。

3.トップマネジメント市場(経営者向け講演・会員向けセミナー)

①開催傾向

経営者向け講演の開催傾向は、今年も昨年と大きな変化は見られず、リアル開催が約9割、オンライン開催が約1割という構成となりました。

経営者層を対象とした講演では、対面での情報共有や意見交換を重視する傾向が引き続き強く、リアル開催が主流となっています。

一方、オンライン開催の内訳を見ると、会場での講演にライブ配信を組み合わせたハイブリッド形式が約4割を占め、次いで録画配信が約2割と多い結果となりました。
移動時間の削減や多拠点参加への対応といった利便性を取り入れつつも、基本は対面を重視する姿勢が、経営者向け講演の特徴といえます。

➁人気講演テーマベスト10

順位 2024 2025年
テーマ 割合 テーマ 割合
1 その他ビジネストピック 26.31% その他ビジネストピック 33.63%
2 時局・経済 15.71% 時局・経済 16.37%
3 経営哲学 10.08% 経営哲学 9.01%
4 文化・教養 7.20% 文化・教養 7.21%
5 安全管理・労働災害防止 7.07% コミュニケーション 5.41%
6 その他実務スキル 5.24% その他実務スキル 4.35%
7 コミュニケーション 5.24% 人材・組織マネジメント 3.45%
8 リーダーシップ 4.32% リーダーシップ 3.15%
9 人材・組織マネジメント 2.49% 安全管理・労働災害防止 3.00%
10 健康 2.09% 営業・販売・マーケティング 2.55%

経営者対象講演の人気テーマは、今年も大きな枠組みでは昨年と変わりませんでした。定番テーマは維持されつつも、その中身には時代背景を反映した変化が見られます。

今年特に注目を集めた新しいトピックの一つが、「生成AI」です。経営者層を対象に、生成AIの実務的な活用方法や導入時の課題、今後想定されるリスクなどを扱うテーマへの関心が高まりました。単なる技術解説ではなく、経営判断や組織運営にどう活かすかという視点が重視されています。

また、「地政学」という言葉が主催者側から使われるようになるほど、国際情勢・安全保障に関するテーマへの関心も高まりました。トランプ米大統領を巡る動きや台湾有事などの東アジア情勢が、日本企業の経営やサプライチェーン、リスク管理に与える影響を学びたいという要望が増加し、経営判断の前提知識として捉えられ始めています。

さらに今年は、実体験に基づく講演テーマが強く支持されました。成功と失敗、逆境や経営危機、改革等のリアルな経験をもとに、変化の激しい時代に中小企業が勝ち残るための経営戦略の考え方や課題解決のヒントを語る内容が評価されています。厳しい現実を直視しながらも、「ともに乗り越えていこう」という奮起やエールが込められた講演が、経営者の共感を集めました。

③2025年の総評と予想される2026年の傾向

2025年の経営者向け講演は、時局・経済や経営哲学、実務に直結するテーマを軸に、社会環境の変化を踏まえた内容が重視された一年でした。生成AIや国際情勢など、経営判断に影響を与える外部要因への関心は引き続き高く、「先行きが不透明な時代に、どのような軸で意思決定を行うか」という視点からの講演が支持されました。

2026年に向けては、人手不足により、高齢者や外国人、障がい者など、多様な働き手を抱える企業のマネジメントの在り方は、経営者層にとって重要な論点となるでしょう。

また、「健康経営」という視点から従業員の心身の幸福を目指す「ウェルビーイング」への視点への広がりも見られます。

さらに、冬季五輪、WBCやサッカーワールドカップといった国際イベントを切り口に、組織マネジメント、リーダーシップ、モチベーション向上を考える講演へのニーズも見込まれます。

加えて、中国問題をはじめとする国際情勢については、今後も「地政学」という視点と強く結びつきながら、サプライチェーンや市場リスクを考える重要テーマとして、経営者向け講演で継続的に取り上げられていくと予想されます。

④主催者に選ばれるためのポイント

経営者対象の講演を成功させるためには、対象を明確にしたうえでの内容設計が欠かせません。近年は、生成AIを活用して講演スクリプトを作成する動きも広がっていますが、その際に重要となるのが「誰に向けた講演なのか」という視点です。主催者や参加者の立場、業種、課題を想定したうえでAIに指示を出すことで、より実践的で精度の高い構成につなげることができます。

また、労働安全衛生法に基づく研修や関連講演など、参加者が過去に何度も同様の内容を聞いているケースも少なくありません。そのような場では、目新しい情報よりも、「当たり前のことを、いかに腑に落ちる形で伝えるか」が講演の質を左右します。特別な話題でなくとも、話し方や切り口によって聴衆の理解度や納得感は大きく変わります。

講演プランを作成する際には、講師ご自身の経歴や実績を踏まえ、参加者にとって意味のあるテーマに落とし込むことが重要です。どこからか引用した話ではなく、実体験や実績に基づいた話こそが、経営者の共感と信頼を得る講演につながります。

4.安全大会

①開催傾向

安全大会の開催傾向を見ると、今年はリアル開催87%、オンライン開催13%となり、昨年と比べてオンラインの比率が約3%増加しました。依然としてリアル開催が中心ではあるものの、参加のしやすさを重視した開催形態が徐々に広がっています。

オンライン開催の内訳では、会場開催にライブ配信を組み合わせたハイブリッド形式が全体の76%を占め、次いで一方向のライブ配信が15%となりました。全国規模の大手建設会社を中心に、忙しい親方や地方の参加者が気軽に参加できる点が評価され、ハイブリッド開催が支持されています。

一方で、他の市場と比べると録画配信は1%未満にとどまり、リアルタイムでの参加を重視する傾向が、安全大会ならではの特徴といえます。

開催時期については、6~7月の安全週間に合わせた実施が主流である一方、昨年からは秋の労働衛生週間にちなんで秋の労働衛生週間時期に合わせたご相談も増えてきました。

②人気講演テーマベスト10

順位 2023年 2024年
テーマ 割合 テーマ 割合
1 安全管理・労働災害防止 83.29% 安全管理・労働災害防止 78.86%
2 その他実務スキル 3.53% コミュニケーション 3.72%
3 コミュニケーション 2.82% その他実務スキル 3.13%
4 健康 1.41% リーダーシップ 1.76%
5 意識改革 1.18% 文化・教養 1.76%
6 その他ビジネストピック 0.94% 危機管理・コンプライアンス・CSR 1.57%
7 モチベーション 0.94% 意識改革 1.17%
8 危機管理・コンプライアンス・CSR 0.94% 人材・組織マネジメント 1.17%
9 リーダーシップ 0.71% その他ビジネストピック 0.98%
10 顧客満足・クレーム対応 0.47% メンタルヘルス 0.98%

安全大会における人気テーマは、引き続き「安全管理・労働災害防止」が中心となりました。労働者の高齢化を背景に、転倒災害の防止を扱う内容が多く見られたほか、労働災害による死亡事故の発生を受けて、「危機管理」や「高所作業・はさまれ機械に関するKY(危険予知)」など、現場に直結した実務的なテーマへの関心が高まりました。

さらに今年は、熱中症対策の義務化を背景に、具体的な予防策や現場対応を解説する講演が増加しています。

また、「交通安全」も人気テーマの一つであり、ドライブレコーダーの普及により、実際の映像をもとに安全意識を高める内容が支持されました。加えて、「脳科学から見るヒューマンエラー防止」など、科学的な視点から事故防止を解説する講演にも一定の需要が見られました。

2位の「コミュニケーション」に関しては、意思疎通不足による労働災害を防ぐという観点から、声掛けの重要性や、ヒューマンミスを起こさないための伝えをテーマとした内容が中心となっています。

なお、落語家や芸人を招いた笑いを交えた「文化・教養」系講演は減少傾向にあるものの、一定のニーズは引き続き存在しています。

③2025年の総評と予想される2026年の傾向

2025年は、「安全管理・労働災害防止」を軸に、現場の実情に即した実務的なテーマが重視された一年でした。労働者の高齢化を背景に、転倒災害やヒューマンエラーへの関心が高く、危険予知(KY)や危機管理といった具体的な対策を扱う講演が多く選ばれ、かつ「現場で今すぐ活かせる内容」が優先される傾向が見られました。

2026年に向けては、改正労働安全衛生法(2026年4月施行)を背景に、個人事業者や高齢者労働者の保護拡充に関するテーマへの関心が高まると予想されます。特に、高齢者が安全に働き続けるための作業環境づくりや、体力・認知機能の変化を踏まえた安全対策は、今後の重要な論点となるでしょう。

また、安全という概念をより広く捉え、睡眠や食事、生活習慣と安全を結びつけた切り口にも注目が集まる可能性があります。
事故防止を単なるルール遵守にとどめず、日常のコンディション管理まで含めて考える講演は、安全意識の底上げにつながるテーマとして期待されます。

2026年は、法改正への対応とともに、安全を多角的に捉え直す講演が増えていくと考えられます。

④主催者に選ばれるためのポイント

安全大会では、必ずしも全員が自発的に参加しているわけではなく、「毎年同じ話を聞いている」「仕方なく参加している」という聴衆も一定数存在します。そのため、内容の新しさ以上に、「自分の現場に関係がある」「今日の話は無駄ではなかった」と感じてもらえる構成が重要になります。

多くの参加者がすでに労働安全衛生法に基づく基本的な知識を持っている中で、当たり前の内容を繰り返すだけでは印象に残りません。成功している講演では、特別な理論や派手な演出ではなく、日常の行動や判断を具体的な場面に落とし込み、なぜ事故が起きるのかを腑に落ちる形で伝えています。話術も重要ですが、それ以上に「現場での経験」や「実際に起きた事例」をどう語るかが、聴衆の集中度を左右します。

また講演内容は、講師ご自身の経歴や実績との整合性が不可欠となります。裏付けのない体験談や抽象論ではなく、監督経験や安全管理に携わった実績、あるいはヒューマンエラーを科学的に分析してきた背景が、講演の信頼性を高めます。

安全大会では、「何を話すか」以上に、「誰が、どの立場で語るのか」が講演成功の大きな鍵となるといえるでしょう。

支えてくださった講師の皆様へ ― 2025年の感謝と次の一年へ

2025年は、生成AIの急速な普及や国際情勢の変化など、社会全体が大きな転換期を迎えた一年となりました。講演市場においても、リアル開催を軸に、オンラインやハイブリッド形式が定着し、「AI活用」「地政学」「組織マネジメント」「現場に根差した人材育成」など、時代性と実務性を兼ね備えたテーマが多く選ばれました。

本年も、講師の皆様と主催者・聴講者の皆様をつなぐ架け橋として、多くのご縁を生み出すことができました。これもひとえに、質の高い講演をご提供くださった講師の皆様のお力によるものです。心より感謝申し上げます。

2026年も、時代の変化に寄り添いながら、社会に価値を届ける講演の機会を広げてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いします!