昨年12月に施行された「部落差別の解消の推進に関する法律」(部落差別解消法)を受け、夏の同和問題強調月間、また冬の人権啓発講演会ご計画に合わせた講師のご提案第二弾は、浦本誉至史さんです。

【浦本誉至史さん プロフィール】
兵庫県の被差別部落出身。高校卒業後、大学進学のために上京。
以後、東京に在住。部落解放同盟東京都連合会勤務を経て、公益社団法人東京部落解放研究所に研究員として勤務。2013年に同所退職し、フリーで活動。「連続・大量差別はがき事件」の代表刑事告訴人。

講演では、浦本さんが被害に遭われたこの連続・大量差別はがき事件のエピソードを中心にお話を展開されます。

<連続・大量差別はがき事件とは>

2003年5月から、都内を中心に被差別部落出身者・部落解放同盟同盟員等やその自宅周辺に、悪質な差別ハガキ・手紙・物品が送りつけられる事件が起こっています。その総数は、400件以上、被害者は数十人になっています。
2004年10月19日、警視庁浅草警察署はこの事件の容疑者を逮捕、容疑者は都内に住む34才の青年でした。同年10月26日東京法務局が「人権侵犯事件」として告発し、さらに11月8日、東京地検は容疑者を起訴しました。12月24日、東京地裁で第1回公判が開かれ、被告は「部落差別の意図を持って一連の犯行を行った」と、犯行の事実を認めました。2005年7月1日、東京地方裁判所刑事第7部は、被告に対して「懲役2年」の実刑判決を出しました。
(*部落解放同盟東京都連合会HPより)

「ある日家に帰ったら郵便受けにはがきが入っていました。酷い内容であることもショックでしたが、一体どうして私にこのようなはがきが届くのか?何故私の住所を知っているのか?そして何故私が部落出身であることを知っているのか?全く謎でした」(浦本さん談)

毎日のように送られてくる身に覚えのない差別はがきに浦本さんが心を痛め続ける中、犯行はさらにエスカレートしていきました。注文していな商品が代引きで大量に届いたり、近隣住民に対して浦本さんを差別する内容のチラシが配られたり、徐々に浦本さんは精神的にも追い詰められ、そこに住み続けることが困難になっていきました。悪質ないやがらせが約1年半続いた後、犯人が逮捕されました。
犯人は都内在住の男。大学卒業後就職が決まらずストレスが溜まっている中、たまたま図書館で手にした被差別部落に関する書籍がきっかけでターゲットにしたとのこと。「被差別部落については詳しくは知らなかったが、なんとなく部落民は自分より下という認識があった。自分とは全く無関係の被差別部落を徹底的に差別することで、ストレス解消しようと思った。浦本さんに個人的な恨みがあったわけでなない。たまたまだ」。そのようなことを犯人は供述したそうです。

 

「犯人が逮捕されたことで事件が解決したと思われました。しかし事件が明るみに出たことで、今度はインターネットの掲示板で私を糾弾するサイトが出来ました。それは今も続いています。私のことも知らない人たちが、憂さ晴らしのために、ネット上で私を叩いている。こんな社会おかしくないですか・・?人は何故差別をするのでしょうか?それは相手を知らないからだと私は思います。無知が差別を生むのです。無知の状態にある人たちに正しいことを教えていけば、無知はなくなります。そうすれば差別もなくなると思います。寝た子を起こすなということも一理ありますが、今のようなネット社会においては、間違った解釈が一人歩きする危険がかなりあります。自分の愛する人が被害者にも加害者にもなることがあります。自分と自分の愛する者を守るため、無知を、そして差別をなくすため人権啓発を行うことが大切なのです」(浦本さん談)

 

「無知を許さず」
~ 連続大量差別はがき事件 ~

浦本誉至史 うらもとよしふみ
元 東京部落解放研究所研究員

兵庫県の被差別部落出身。高校卒業後、大学進学のために上京。以後、東京に在住。部落解放同盟東京都連合会勤務を経て、公益社団法人東京部落解放研究所に研究員として勤務。2013年に同所退職し、フリーで活動。「連続・大量差別はがき事件」の代表刑事告訴人。

被害に遭った、連続・大量差別はがき事件のエピソードを中心にお話をいたします。 ある日家に帰ったら郵便受けにはがきが入っていた。酷い内容であることもショックだったが、一体どうして私にこのようなはがきが届く… (続きを読む)

 

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1948年12月10日に世界人権宣言が採択され、日本では1949年に法務省と全国人権擁護委員連合会により12月10日を最終日とする1週間を人権週間とすることが定められました。毎年、全国各地で計画・開催される人権啓発講演会へ向け、おすすめ講師や講演テーマをご提案いたします。

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