
保護者向け講座や教育研修の企画で「参加者の満足度を高めたい」「家庭ですぐに実践できる具体的な学びを提供したい」とお悩みではありませんか?
「ペアレント・トレーニング(通称:ペアトレ)」は、発達障害のあるお子さんを持つ保護者だけでなく、すべての育児・教育現場で役立つ行動心理学に基づいた支援法です。
本記事では、ペアトレ研修の基本的な概念から開催目的、講師選びのポイント、研修を成功させるコツまで分かりやすく解説。また、おすすめのペアトレ研修講師も3つのテーマ別にご紹介します。主催者様の研修企画の参考として、ぜひご活用ください。
| テーマ | 概要 | 紹介している講師(敬称略) |
|---|---|---|
| テーマ① | 当事者としての実体験・療育の観点から学ぶ | 西山仁胤、古川直子、松本 純 |
| テーマ② | 教育・学習支援の現場から学ぶ | 仲島正教、松島雅美、長谷川 満 |
| テーマ③ | 対話・コミュニケーションの専門スキルを学ぶ | 竸 朗子、天野ひかり、瀬川文子、柿澤一二三、土元紀子 |
ペアトレ研修とは
ペアレント・トレーニング(ペアトレ)とは、1970年代にアメリカで開発された、行動療法に基づく保護者・養育者向けの支援プログラムです。もともとは知的障害や自閉症などの子どもを持つ親が、家庭内で効果的な療育を行えるように開発されましたが、現在ではあらゆる子育ての悩みを解決する有効な手法として広く普及しています。
ペアトレの最大の目的は、子どもの「好ましい行動」を増やし、「困った行動」を減らすための具体的な関わり方を保護者が学ぶことです。従来の精神論や「親の愛情が足りない」といった感情論に頼るのではなく、「なぜ子どもはその行動をとったのか?」を客観的に観察し、環境を調整するアプローチをとります。
特徴的なのは、褒め方や指示の出し方といった「コミュニケーションの具体的なスキル」が体系化されている点です。子どもをコントロールするのではなく、親自身が自分の行動や声かけを変えることで、結果的に子どもの行動が良い方向へ変化していくことを実感できる実践的なプログラムとなっています。
【合わせて読みたい】
ペアプロ(ペアレント・プログラム)との違い
ペアトレとよく似た言葉に「ペアレント・プログラム(ペアプロ)」がありますが、両者は目的や対象となる段階に違いがあります。
- ペアプロ(基礎編): 子どもの「行動」そのものを客観的に観察し、現状をありのままに捉える視点を養うことを主な目的とします。現状を把握し、褒められるポイントを探ることに重点を置くため、ペアトレの前段階(基礎プログラム)として位置づけられています。
- ペアトレ(応用編): ペアプロで得た「観察・考察」のスキルを土台とし、さらに「親としてどのように子どもへ働きかけるか(環境調整や声かけ)」という具体的な介入方法や技術の習得まで踏み込みます。子どもの行動変容を直接的に促す実践的なアプローチです。
初めて受講する保護者が多い場合はペアプロ的な内容から導入し、具体的な対処スキルを求める場合はペアトレの要素を強めるなど、参加者のニーズに応じた研修の設計が効果的です。
ペアトレ研修の目的と効果
ペアトレ研修を企画・開催する目的は、単に知識を伝えることではなく、保護者や支援者が「具体的な行動を変える」きっかけを作ることです。主な目的として、以下の3点が挙げられます。
1. 保護者の育児不安やストレスの軽減
子育てに正解はないと言われますが、言うことを聞かない子どもに対して怒ってばかりいると、保護者は「自分の育て方が悪いのではないか」と強い罪悪感やストレスを抱えがちです。研修を通じて「子どもの行動のメカニズム」を客観的に学ぶことで、保護者を無駄なイライラから解放し、心にゆとりを持って子どもと向き合える状態へと導くことが大きな目的です。
2. 日常のあらゆる子育て場面への応用スキルの習得
ペアトレは発達障害(ADHDや自閉スペクトラム症など)の診断があるお子さんに限定されたものではありません。「イヤイヤ期」の幼児から、「反抗期」の小中学生、さらには不登校傾向の子どもに対する接し方まで、幅広い年齢や状況に応用可能です。日常のしつけや声かけ、きょうだい喧嘩への対応など、すべての子育て世帯が直面する悩みに即座に役立つ普遍的なスキルを習得してもらうことを目指します。
3. 家庭と学校・地域の連携体制の構築
保護者がペアトレの手法を学ぶことで、学校の教員や地域の支援者と同じ視点で子どもを見守ることができるようになります。家庭と学校で「褒める基準」や「指示の出し方」が一貫することで、子どもは混乱せず安心して過ごせるようになり、地域全体での子育て支援体制を強固にすることが研修のもう一つの重要な目的です。
ペアトレ研修で学ぶ主な内容
実際のペアトレ研修では、どのようなことが学べるのでしょうか。一般的な研修カリキュラムは、座学と実践ワークを組み合わせた以下のような構成で進められます。
- 【基礎講義】子どもの行動の理解と観察
まずは子どもの行動を「好ましい行動」「好ましくない行動」「許されない行動(危険な行動など)」の3つに整理・分類するトレーニングを行います。親が感情的に反応するのではなく、子どもの行動を冷静に観察する「虫メガネの視点」を養います。 - 【実践ワーク】効果的な「褒め方」と「指示出し」
子どもを動かす最大の原動力である「褒め方(肯定的な注目)」を実践的に学びます。「すごいね」だけでなく、行動を具体的に実況中継して褒める技術などを練習します。また、子どもに一回で伝わる「短く、具体的で、肯定的な指示の出し方」を、参加者同士のロールプレイを通して身につけます。 - 【ケーススタディ】困った行動への具体的な対処
かんしゃくを起こした時や、親の指示を無視した時にどう対応すべきか(例えば、安全を確保した上で一時的に注目を外す「計画的無視」の手法など)、実際のケースを用いてグループワークで検討します。環境をどう変えれば困った行動が減るかを論理的に考える力を養います。
ペアトレ研修におすすめの講師
ここではペアレント・トレーニングそのものに加え、発達特性の理解、ほめ方・叱り方、親子コミュニケーションなど、ペアトレと親和性の高い講演を目的別に紹介します。
テーマ①当事者としての実体験・療育の観点から学ぶ
発達障害や不登校など、困難を乗り越えてきた親としての実体験に基づく講演です。当事者だからこその強い説得力と共感が得られます。
【小学生の保護者さん向け】勉強も生活もスムーズに!“行動のしくみ”で子どもが動き出す子育て講座
ABA(応用行動分析)をもとに、子どもの行動の理由を読み解き、ほめ方やABC分析、宿題・朝の支度への対応を実践的に学ぶ講座。保育士・ABAペアレント・トレーナーとしての支援経験と、自身の子育て・不登校支援経験を生かして伝えます。
これって発達障がい?それとも個性?~グレーゾーンな子どもとのコミュニケーション~
発達障がいか個性かと迷う保護者や教育関係者に、子どもの特性を理解し、気持ちを尊重して対話する方法を紹介。親業訓練インストラクターとしての専門性と、発達特性のある長男を育てた経験をもとに具体的に語ります。
テーマ2教育・学習支援の現場から学ぶ
学校や学習指導の最前線で子どもたちと接してきた教育のプロフェッショナルによる講演です。子どものやる気や自己肯定感をどう引き出すかに焦点を当てます。
あーよかったな あなたがいて~「優しさ」という温かい貯金~
21年間の教員経験を基に、ペアトレの核心である「肯定的な声かけ」と「好ましい行動への注目」の大切さを説きます。学校現場の事例を交え、子どもを具体的に褒めて認める関わりが自己肯定感を育むアプローチを伝授。親子の信頼を深める接し方を提示します。
伝わらない・判断ができない子どもたちへの理解と関わり方
指示が伝わりにくい、状況判断が難しいなどの課題を、視覚機能やメンタル面の特性から理解し、「伝わる関わり方」を学びます。臨床心理士・公認心理師として、科学的・実践的な視点から自己効力感と成長を引き出す方法を解説します。
自信と意欲を引き出す『プラスの問いかけ』
注意やダメ出しではなく「どうしたらいいと思う?」などのプラスの問いかけで、子どもの自信・意欲・主体性を引き出す方法を紹介。家庭教師システム学院代表、ペアレントセミナー主宰として、家庭と教育現場に役立つ実践例を伝えます。
テーマ③対話・コミュニケーションの専門スキルを学ぶ
日々の言葉がけや対話の手法に特化したプランです。親自身の思いを適切に伝え、子どもを深く理解するための具体的なスキルを実践的に学べます。
こころを育む親子のコミュニケーション
「肯定する・認める」「聴く・尋ねる」「伝える・話し合う」を軸に、子どもの心の育ちを支える親子コミュニケーションを学びます。子育て支援講師として、小中学生の保護者に向け、思春期理解やIメッセージ、自己決定を促す関わりを伝えます。
子どものコミュニケーション力を育もう 子育てが楽しくなる 子どもの心に届く言葉かけ
子どもの本来の力と成長の仕組みを知り、心に届く言葉かけ、ほめ方・叱り方を学ぶ講演。NPO法人代表理事、NHK「すくすく子育て」元キャスターとしての経験を生かし、具体例を交えて楽しく伝えます。
子どものやる気、自立心を育てるコミュニケーション~親の関わり方で子どもは変わる~
親の何気ない言葉が子どものやる気や自立心にどう影響するかを学び、聴き方や伝え方をロールプレイで実践します。ゴードンメソッドシニアインストラクターとして、信頼関係を築く具体策を紹介します。
実践型 親も幸せ・子供も幸せ コミュニケーション講座
「ほめる」を軸に、親自身と子どもとのコミュニケーションをゲームやワークで体験的に学びます。家族相談士、カウンセラー、コモンセンスペアレンティングトレーナーとして、親子双方の自己肯定感を高める関わり方を伝えます。
子どもが自分で考える力を育てる叱り方~怒って終わりにしない、親の伝え方~
宿題、朝の準備、スマホなど、何度言っても変わらない行動への「叱り方」を見直し、子どもが自分で考え次の行動を選べる伝え方を学びます。人材育成・コミュニケーション研修の経験を生かし、親子の信頼関係と主体性を育てます。
ペアトレ研修を効果的に進める方法
素晴らしい講師を招いても、進行や準備の仕方次第で参加者の満足度は変わります。効果的な研修にするための3つのコツをご紹介します。
1.対象者と目的を明確にする
幼児の保護者、小学生の保護者、思春期の子どもを持つ保護者、発達に特性のある子どもの保護者、教職員など、対象によって抱えている悩みは異なります。
「発達特性への理解を深めたい」「家庭で使える声かけを学んでほしい」など、まず研修のゴールを明確にしましょう。
2.講義だけで終わらせない
ペアトレは知識を得るだけでなく、実際の関わり方を身につけることが大切です。ケーススタディやロールプレイ、ワークなどを取り入れ、「明日から一つ試してみよう」と思える内容にすると実践につながります。
3.身近な子育ての悩みを扱う
「宿題をしない」「ゲームをやめない」「朝の準備が遅い」など、参加者が経験しやすい事例を取り上げるのも効果的です。
告知タイトルも「ペアレント・トレーニング」だけでなく、「叱らなくても伝わる子どもとの関わり方」「子どもの困った行動への上手な対応」など、参加者の悩みが伝わる言葉を添えると参加を促しやすくなります。
ペアトレ研修に関するよくある質問
Q1. ペアトレ研修とは何ですか?
子どもの行動を理解し、ほめ方や伝え方、困った行動への対応など、保護者の関わり方を実践的に学ぶ研修です。
Q2. 発達障害児の保護者だけが対象ですか?
ペアトレは発達障害児への家族支援として活用されていますが、ほめ方や行動の見方などは日常の子育てにも応用できます。幅広い保護者向け講演として企画することも可能です。
Q3. どのような内容を学べますか?
子どもの行動の観察、ほめ方、伝わりやすい指示、環境調整、困った行動への対応、親子コミュニケーションなどが代表的です。
Q4. 講演形式でも開催できますか?
可能です。基礎知識を伝える講演形式のほか、ワークやロールプレイを盛り込んだ参加型研修、複数回にわたる連続講座など、目的に合わせて設計できます。
Q5. ペアトレ研修の講師はどう選べばよいですか?
ペアトレや発達支援などの専門性に加え、参加対象、扱いたい悩み、講義型・参加型といった希望に合う講師を選ぶことが大切です。自治体・学校・PTAなどでの講演経験も確認しておきましょう。
目的に合ったペアトレ研修を企画しましょう
ペアトレ研修は、子どもの行動を一方的に変えようとするのではなく、大人が行動の背景を理解し、関わり方を工夫するための学びの機会です。
システムブレーンでは、官公庁・自治体、教育委員会、学校・PTA、保育・福祉団体など、主催団体や対象者、開催目的に合わせた講師をご提案しています。
「一般の保護者が参加しやすい内容にしたい」「発達特性への理解を深めたい」「ワークを取り入れた実践的な研修にしたい」など、ご希望をお聞かせください。目的やご予算に合った講師・講演プランをご案内します。
合わせて読みたい
保護者向け講座や教育研修の企画で「参加者の満足度を高めたい」「…
「どんな講師を呼べば、保護者の参加率が上がるのだろう?」 「今…
AIはもはや特別な技術ではなく、子どもたちが未来を切り開くため…
他の記事をみる
講師候補」に登録されました
講師候補」から削除されました



























業務外の講師への取次は対応しておりません。