オンライン講演の一番のメリットとして「遠隔地からも参加が可能である」ということが挙げられます。
弊社が担当するオンライン案件の中には、全国の支所や支社から参加される方もいらっしゃり、その参加者からは「移動せずに全国どこからでも参加できたので良かった」と高評価をいただいております。
本案件もその中の一つです。
本案件では、講師は兵庫から、A県内の10の拠点に向けてライブ配信を行いました。
完全オンラインではなく、受講者は複数の会場に集まって聴講するいうリアル+オンラインのハイブリット型。しかし主催者様はオンラインが初めてということもあり、「当初は不安を持っていた」とのこと。そんな不安が解消され、開催されるまでのプロセスをインタビューさせていただきました。
自治体・医療福祉・公的団体・学校・PTA・教育委員会チーム
講演テーマ: 『潜在脳力の高め方』 ~世界の一流アスリートに指導・実践する誰でも使える3つのポイント~
講師 : 川谷潤太 氏
開催日時 : 2021年2月下旬
講演時間 : 1時間50分
聴講者人数: 11拠点約250人
使用ツール: Zoomミーティング
講演タイプ: B. 講師から会場聴講者へ生配信タイプ
ハイブリッド型を選んだ理由
Q.今回、オンライン講演にした経緯を教えてください。
企画担当者: まず私共の団体について解説します。私共は県内の病院や看護学校で構成される看護師会であり、年に3回ほど看護師を対象に研修会を行っております。今回の案件も、2020年度から計画していたもので、もちろんその時はリアル開催を前提として話を進めていました。ところが、このコロナ禍で中止するか、延期するかの判断に迫られていたとき、御社(SB)のホームページでオンラインという形で開催可能なことを知りました。SBの担当者さんにオンラインでできないかとご相談差し上げたのが、昨年(2020年)10月頃でした。
Q.それからすぐにオンラインにすることは決まったのですか?
企画担当者: そうですね。講師の川谷さんから了解が得られると、すぐにそれに向けての準備が始まりました。
まずは、中継をどのような形で行うかを考えました。全ての受講者が個別に視聴する方法も考えましたが、看護師は時間が制限される一方、勤務先からの参加が容易であったため、勤務先の病院の会議室などに集まった形で開催することにしました。その時は、講師の川谷さんにも主要会場に来ていただく方向で考えていましたが、新型コロナウイルスの感染者数が落ち着く気配がなかったため、最終的に講師もご自身の拠点から参加していただくことにしました。
ただ、オンラインに切り替えたものの、ウェビナーに関しては全く素人でしたので、運営できるか不安でした。
Q.一番気がかりだったことは何だったのでしょうか?
企画担当者: 私共の会は、各施設に1名ずつ役員がおります。役員は一か所に集合し、講師もそちらに来ていただく予定で考えていました。ところが、そうすると、各施設にいる会員を取りまとめる人がいなくなる。そのため、どのように人員配置すべきかとSBの担当者さんにご相談しました。すると、担当者さんから「Zoomであれば複数拠点からのホストが可能であるため、委員は自身の施設に待機し、そこから進行・運営してみては?」といったアドバイスをいただきました。その後も、複数会場へのつなぎ方や会場のセッティング方法まで事細かく教えていただいたので、大変助かりました。
会場のセッティング方法
Q.今回は、病院、看護学校合わせて11箇所の拠点を結んだとお聞きしています。受講者が個別で視聴するのであれば、個人のPCやスマートフォンから各自で簡単に参加できますが、ハイブリット型ということで会場のセッティングをしなければならないですよね?それはどのように行ったのでしょうか?
企画担当者: SBの担当者さんより、「各会場に資料投影用のPCとスクリーン、webカメラを準備し、PCはインターネットで接続。PCにスクリーンとwebカメラを有線でつなぎ、webカメラは受講者の様子が分かるように会場全体が映る位置に固定してください」との指示がありましたので、各委員に伝え、そのようにセッティングさせました。本部となった会場には、Zoomミーティング上の参加者管理や画面の切り替えなどの操作を行うため運営用のPCを別に用意しました。
配信ツールには、(SB)担当者さんの勧めもあり、Zoomミーティングを使用することにしました。また、運営については自信がなかったため、(SB)担当者さんにサポートをお願いしました。
Q.複数の会場があったため、準備も大変だったのでしょうか?
企画担当者: 集合型で大きな会場を準備することに比べると、(今回の準備は)そんなに負担はありませんでした。スクリーンは各施設にあったので、用意するものは、PCとwebカメラ程度でしたし…。
Zoomは私が勤務する病院がZoomの有料プランに入っておりましたので、そちらを利用することにしました。Zoomの開催設定や操作は、SB担当者さんにやり方を教えていただいたので、「すごく大変だった」という感覚はありませんでした。
とはいえ、委員皆がZoomの使い方を熟知していなかったため、一度、SB担当者さんの提案で、各委員と本部をつないで接続テストを行いました。
Q.接続テストはいつ頃行われたのでしょうか?
企画担当者: 開催日の1カ月くらい前だったと思います。本番と同じようにwebカメラとスクリーンをPCにつないで、委員全員で行いました。使い方もその時に(SB担当者さんから)レクチャーしていただいたので、当日は操作トラブルなく進められました。
その2週間後ぐらいに、今度は講師を含めた形でリハーサルを行いました。リハーサルでは、当日の進行や操作の最終確認を行いました。
2回もデモンストレーションをしたおかげで、全員が当日の進行を頭にイメージすることができ、大きなトラブルもなくスムーズに進行できました。
潜在能力を上げてポジティブ思考に
Q.今回、テーマに『潜在脳力の高め方』を選んだ理由をお聞かせください。
企画担当者: 私たち看護師は新型コロナウイルスの対応に追われることに加え、さまざまな制限によってかなりのストレスや不安を抱えています。そのため、今回の講演では、ストレスを軽減する手法を教えていただけたり、ゲームや体操など体を動かすワークで気分をリフレッシュできるものがよいと考えていました。そんな要望をSB担当者さんにお伝えすると、こちらのプランをご提案いただきました。
モチベーションを上げる「コーディネーショントレーニング」や心の奥に潜在する“脳”力というキーワードにも心惹かれました。
また、今回の受講者は3年以上のキャリアのあるベテランばかりです。後輩や新人育成には頭を悩ませているところもあり、今回の講演で相手の能力に気づき、そこを伸ばせるような術を学べたらと思い、このテーマを選びました。
Q.講演内容はどんなものだったのでしょうか?
企画担当者: 講演では、滞在能力とは何か、またその能力の高め方について解説されました。
滞在能力とは、だれもが秘めている能力のこと。人の根本的問題を解決することによって、その滞在能力を引き上げることができるという理念に基づき、そのための実践方法をワークで教えるというような内容です。
個人的に心に残っているのは、「知情意の法則」です。
脳はイメージしたことや意識したことに関連する情報だけを優先的にインプットするため、行動を変えるにはまず心(イメージ)を変えることが大切です。この心(イメージ)をポジティブなものにするために、「知情意の法則」があります。楽しいイメージや「知」恵がインプットされると快い感「情」になり、快い感情を持つことで「意」欲が出てくる。これが「知情意の法則」です。この循環を活性化させることで、ポジティブな姿勢になれるそうです。
これ以外にも、カード集中法、ボール積み、一点凝視法など集中力を高める方法やチーム力、先手力(人よりも先にやる力)など、滞在能力を高める方法のご紹介や体験型ワークを通して体系的に理解することができました。
Q.受講生の反応はいかがでしょうか?
みんな食い入るように見ていたのが印象的でした。仕事だけではなく、プライベートにも活かせる内容だったため、受講者からは、「研修内容は大変興味深い内容であり、仕事や私生活において活用できる内容でとてもためになった」「今回習ったことを実生活に採り入れたい」といった声も多く聞かれました。
また、川谷さんの人柄も親しみやすく、平易な言葉でわかりやすく解説下さったことも高評価でした。
主催者としてもとても満足のいくものとなりました。
受講者から寄せられた感想の一部
「いつもより少し早く起床、出勤や身の周りの整理整頓をするといった今すぐにでも始められることばかりだったので、できそうなことを始めていきたいと思いました」
「「カード集中法」「ボール積み法」「一点凝視法」今後のイメージを良い方に持ち、集中を高めるためのコツを実践し、自己マネジメントができるようこの研修での学びを活かしていきたいです」
「日常の整理整頓が集中力を高め、リスク回避に繋がること、勝負の正解においては勝ちにつながること、これらの学習は日常の中に習慣化していきたいと感じました」
「講義資料が主ではなく、話す内容や演習などが中心であったため飽きずに集中して受講することができました」
「病棟において、スタッフの知情意の法則をよい循環にすることができれば、病棟の活性化に繋がると考え、今回の学びを活用していきたいです」
「 講師が取り組んできた成功体験は聴講者の関心が高い内容であり、今後の臨床及び管理に活かせる内容でした。今後もこのような内容の研修会を開催していただきたいです。」
オンライン研修会を終えてみての感想
Q.オンライン研修を終えてみての感想を教えてください。
企画担当者: オンライン研修会は、一定の会場に集まる集合研修よりも効果的であると思います。画面展開を比較的近くで見ることができるため、会場の臨場感も伝わり、学習効果も十分に得られます。1つの会場に集まる集合型でもよいですが、このように各施設から参加できる今回の手法はとても発展的だと感じました。
また初めてのオンラインでいろいろと不安がありましたが、SBスタッフの方々に手厚くサポートしていただけたので、何事もなく終えることができて感謝しています。
Q.受講生からはオンラインに対してどのような評価が得られましたか?
企画担当者: 「オンライン研修は行き帰りを考えると負担も少なく良いと感じた」「病院内での研修実施は参加しやすく良かった」「落ち着いて研修に参加できたので今後もこのような方法での研修会でも良いと思った」など、おおむね好意的でした。
ただ、「他の病院の方との交流ができなかったことが少し残念でした」といった声も聞かれました。研修会は他の病院との親睦も兼ねているため、オンラインで親睦を図るのは確かに難しいですね。
Q.確かに、親睦を図るという点では対面に適うものはないですよね。それでは、最後の質問となります。またオンライン講演を開催したいと思われますか?
企画担当者: はい。今後のコロナの感染状況にもよりますが、感染予防の観点ではこの形式も良いかと思います。それに、オンライン講演では離れた拠点からも参加できるので、受講者にとってもメリットがありますね。
また、今回実際にやってみて予想以上に準備の負担が少なかったので、次回からは気楽に開催できそうです。
Q. 本日は貴重な話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
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