オンライン講演を開催する際、よく使われるのはZoomビデオウェビナーです。しかし、近年ではオンデマンド配信を中心にVimeoが使われることも増えてきました。
今回は、Vimeoでの基本的な配信のやり方について、ライブ配信とオンデマンド配信の両方をご紹介します。同時に、Zoomビデオウェビナーや手軽な配信ツールであるYouTubeとの違いも確認しましょう。
■目次
Vimeoとは?機能と他配信ツールとの比較
Vimeoは2004年にアメリカで設立された動画共有サイトで、高品質な動画を配信する映像制作者やクリエイター向けのプラットフォームです。2016年にビジネス向けの有料プランをリリースしてからは、企業がビジネス用途で使いやすい機能が強化されてきました。
Vimeoの基本的な機能には、以下のようなものがあります。
- 動画をアップロード/削除する
- URLの変更なしで動画を差し替えられる
- アップロードした動画の視聴範囲を設定する
- コメントの許可/非許可
- 動画をグループ化する
- 動画を連携したSNSで公開する
- テンプレートで動画サイトを作成する
Vimeoは無料プランでも広告表示がないため、ビジネスシーンで活用しやすいという大きなメリットがあります。一方で、自分の動画を視聴者に販売したい場合、Vimeo PRO以上の有料プランにアップグレードしなくてはなりません。有料プランの違いは、以下のようになっています。
料金プラン | Plus | PRO | Business | Premium |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 700円 | 2000円 | 5000円 | 7500円 |
ストレージ容量(週) | 5GB | 20GB | なし | なし |
ストレージ容量(年) | 250GB | 1TB | 5TB | 7TB |
動画販売可能 | × | ◯ | ○ | ○ |
ライブ配信可能 | × | × | × | ○ |
Vimeoでは広告表示が一切ない一方、オンデマンド配信を販売できるのはPROプラン以上(※無料のオンデマンド配信の場合はplusからでも可能)、ライブ配信ができるのはPremiumプランのみであることに注意が必要です。
VimeoとYouTubeとの違い
VimeoとYouTubeには、主に以下のような違いがあります。
項目 | Vimeo | YouTube |
---|---|---|
月額料金 | 無料〜7500円 | 無料〜1780円 |
広告表示 | なし | 無料視聴ではあり |
複数サイトへの同時配信 | ◯ | -(※他サービス併用で◯) |
ライブ参加者の機能 | ライブチャット Live Q&A グラフィックオーバーレイ アンケート投票 |
コメント |
オンデマンド販売機能 | あり | なし |
YouTubeとVimeoの大きな違いは、YouTubeは広告収入で運営していますが、Vimeoは配信者から収入を得ているため、Vimeoには動画視聴する際に広告が表示されないことです。
また、YouTube はアップした動画を修正して再度あげようと思うと、アップするたびにURLが変更になります。しかし、Vimeoはアップロードした後で動画を差し替えてもURLが変わらないため、オンデマンド配信で何度も編集したい場合に便利です。
他にも、VimeoはYouTubeと比べて広く知られていないため二次使用のリスクが避けられる、動画販売など商用での利用ができるといったメリットがあります。
VimeoとZoomビデオウェビナーとの違い
一方、VimeoとZoomビデオウェビナーには以下のような違いがあります。
項目 | Vimeo | Zoomビデオウェビナー |
---|---|---|
月額料金 | 無料〜7500円 | 無料〜参加者数による |
広告表示 | なし | なし |
複数サイトへの同時配信 | ◯ | ◯ |
ライブ参加者の機能 | ライブチャット Live Q&A グラフィックオーバーレイ 画面共有 アンケート投票 |
ウェビナーチャット Q&A 挙手 画面共有 アンケート投票 |
オンデマンド販売機能 | あり | なし |
Vimeoはライブ配信するためにPremiumプランを契約しなくてはなりませんが、参加者数に制限はありません。
一方、Zoomビデオウェビナーは参加者数によってホストの月額料金が変わります。例えば、Vimeoと同じくらいの7400円プランでは、参加者の上限は100人です。
Vimeoのアカウントを作成するやり方
ライブ配信やオンデマンド配信はもちろん、視聴するためにもまずはVimeoのアカウントを作成しましょう。
- Vimeoの公式サイトへ行き、「登録」ボタンをクリック
- 名前・メールアドレス・パスワードを入力し、「Eメールで登録」ボタンをクリック
※Googleアカウントを持っている場合、手持ちのGoogleアカウントで登録も可能 - で登録したメールアドレス宛に確認メールが届くので、承認ボタンをクリック
これで、無料アカウントの作成が完了しました。オンデマンド配信やライブ配信を行う場合は、その後、有料プランに登録します。
Vimeoの基本的な使い方【ライブ配信】
ここからは、Vimeoの基本的な使い方をご紹介します。まずは、ライブ配信機能から見ていきましょう。
①イベントを作成し、設定する
最初に、ライブ配信イベントを作成します。
- Vimeoにログインし、「新しい動画」の「ライブイベントを作成」を選択
- ①イベントの名前、➁チャットの有無、③プライバシー設定※、③日付・時刻を入力する。
【※プライバシーのオプション】
・非公開(Plus + Pro + Business Premiumのみ)…リンクを持っている人のみアクセス可能
・パスワード(Plus + PRO + Business + Premiumのみ)…パスワードを持っている人のみアクセス可能。
・Vimeoで非表示(Plus + PRO + Business + Premiumのみ)…アカウントでは表示されないが、埋め込みは可能
・自分のみ
・一般公開 - ブログや自身のサイトに埋め込む場合は、「埋め込み」タブで他サイトへの埋め込み設定をし、「イベントコードを埋め込む」をクリック
- 「配信先」タブで同時配信先を設定する※ブログやサイトに埋め込みをしない場合は3を、同時配信を行わない場合は4を省略できる。
- 全ての設定が終わったら、右上の「次へ」をクリックします。
②プレビューで確認する
次に、ライブ配信の状態をプレビューで確認しましょう。プレビューでは以下の機能を設定できます。
- 同時配信先
- ライブチャット
- アンケート
- Q&A機能
- グラフィックオーバーレイ
- ライブストリーミング配信が安定しているかどうか
これらのチェックはプレビュー時だけでなく、ライブ配信中にも可能です。特に、配信が安定しているかどうかは配信中、常に監視しておくと良いでしょう。
③ライブ配信を始める(録画する)
イベント開始の準備が整ったら、右上の「ライブ配信を開始」をクリックし、ライブ配信を始めましょう。webカメラではなく、他のソフトを使って配信する場合は「RTMPS」タブから「RTMPS URL」と「Stream key」を取得します。
- 配信中は、プレビューで可能な機能のほか、以下のことが可能です。
- イベント残り時間のカウントダウン(最大12時間まで)
- ライブ分析(現在の視聴者数、ピーク視聴者数、合計視聴回数、平均表示時間)
- プレビューウィンドウによる配信画面チェック)
ライブ配信を録画する場合、他のソフトを使う場合はソフトの録画方法に従ってください。Vimeo純正の「Livestream Studio」を使うこともできます。「Livestream Studio」では、以下のような機能が利用できます。
- 複数のカメラを同時に接続する
- イベント本体と個々のカメラアングルを高品質に録画できる
- クロマキーによる合成
プレミアムプランには「Livestream Studio」のダウンロード料金も含まれますので、配信ソフトを持っていなければぜひダウンロードして使いましょう。
④ライブ配信を終了し、アーカイブを残す
ライブ配信が終了したら、ライブプレビューページ右上の「イベントを終了」ボタンをクリックします。アーカイブを残す場合は、そのままアーカイブ設定を進めましょう。設定が終わるとアーカイブ動画を見られるようになります。
アーカイブ動画に対して販売や公開範囲を設定する場合は、次章でご紹介する「オンデマンド配信」の設定と同じ方法で行います。
Vimeoの基本的な使い方【オンデマンド配信】
次に、オンデマンド配信のやり方についてご紹介します。
①Vimeoオンデマンドページに動画を追加する
Vimeoでは、ライブ配信だけでなくオンデマンド配信も行えます。オンデマンド配信は無料会員でも可能ですが、オンデマンド販売する場合は有料プランの「PRO」又は「Business」にアップグレードする必要があります。ただし、「PRO」の場合は週のアップロード容量が制限されることに注意しましょう。
- Vimeoにログインする
- 右上の「アップロード」をクリックする
- 動画をドラッグ&ドロップするか、「ファイルを選択」からVimeoにアップロードしたい動画を選択し、「開く」をクリック
- アップロード完了
動画をアップロードする際、あらかじめ「プライバシー」タグから公開範囲を設定しておくことができます。オンデマンド配信で有料の動画をアップロードする場合は、アップロードの前に公開範囲を設定しておきましょう。
②動画の詳細を設定する
動画のアップロードが完了したら、タイトルや説明文、コンテンツレーティングを設定します。
- ①タイトル・概要、➁プライバシーの設定を行う。➁のプライバシーの設定は、無料会員では「自分のみ」又は「一般公開」だけの設定が可能。パスワードを知っている人、リンクを知っている人のみの視聴できる、ダウンロードの有無など、より細かなプライバシーの設定をしたい場合には有料会員になる必要がある。
- 公式サイトに埋め込む場合は、「埋め込み」ボタンを押し、埋め込みコードをコピーする。
- FacebookやYouTubeなど、SNS上で公開したい場合は、「ソーシャルメディアに公開」ボタンを押し、該当のSNSに接続する
- 設定が完了したら、「保存」をクリック
動画を削除する方法
動画を削除する場合には、以下の手順で行います。
- アカウントのアイコンをクリックし、「動画」を選択
- 表示された動画の「…」マークをクリックして、「削除」を選択
オンデマンド動画を非公開にする方法(有料会員のみ)
オンデマンド動画を一度編集するなどの理由で、一時的に非公開にすることも可能です。サブスクリプションを販売している場合でも、非公開にすれば視聴者に以降のサブスクリプション料金を請求することはありません。
- 動画の設定ページ「一般」から「プライバシー」をクリック
- プルダウンメニューから「この動画をVimeo.comで非表示にする」を選択
- ダウンロード許可をオフにする
Vimeoはまだあまり知られていませんが、ビジネス向けの機能が豊富な動画配信プラットフォームです。今回ご紹介した方法を参考に、ぜひVimeoでの配信を検討してみてはいかがでしょうか。
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