オンライン研修が一般化した今、「講師の話を聞くだけでは受講者が退屈してしまう」「集中力が続かない」といった悩みが増えています。
その解決策として注目されているのが、グループワークの導入です。
受講者同士が対話し、考え、アウトプットすることで学びが深まり、オンラインでも“リアルな熱量”が生まれます。

しかし、初めてオンライン研修でグループワークを取り入れようとする担当者からは、

「どんなテーマが適しているのか」「ツールは何を使えばいいのか」「集合研修と何が違うのか」

といった声が多く寄せられます。

ここでは、1,000回以上のオンライン研修を設計・運営してきたプロスタッフの知見をもとに、 「失敗しないグループワークの進め方」を体系的に解説します。

オンライン研修にグループワークを取り入れるメリットとは?

オンライン型の研修では、時間や場所に制約されないといったメリットがある一方で、コミュニケーションがとりづらい、実践スキルを習得させづらいといったデメリットがあります。

そんなデメリットを解消するのにおすすめなのが、グループワークです。
オンライン研修で使用される配信ツールには、「ブレイクアウトセッション」と呼ばれるグループ分けできる機能が搭載されており、3~5人の小グループに分けてプレゼンや作業、ゲームなどが実施できます。

グループワークのメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

1. 参加者の主体性が高まる
少人数でのディスカッションは、受講者が自分の意見を言語化しやすく、参加意識を高めます。講義形式では発言しなかった人も、ブレイクアウトルームなら自然と話すようになります。

2. 理解が深まり、実践につながる
グループ内での発表や相互フィードバックを通じ、他者の考え方に触れながら理解を再構築できます。知識の“定着率”が格段に上がるのです。

3. 拠点を超えたコミュニケーションが生まれる
全国の拠点や部署を超えて交流できるのもオンラインならではの強み。普段関わらない社員同士のネットワーク形成にも役立ちます。

4. コスト・スケジュールの柔軟性
会場費・交通費が不要なうえ、研修日程の調整も容易。限られた時間内でも効率的に「学び合いの場」を作れます。

グループワークで必要なツール

オンライン研修の成功は、ツール選びと使いこなし方で決まります。。オンラインのグループワークに必要なツールは大きく分けて、グループセッションできるweb会議ツールと、共同編集できるツールが必要となります。

①グループセッションができるweb会議ツール(2025年版)

ZoomミーティングやGoogle meet、Microsoft Teamsなどオンライン研修で使われるweb会議ツールには、「ブレイクアウトセッション(ルーム)」と呼ばれる機能がついています。グループ分けできる機能で、グループワークではこちらの機能を使用します。
主なツールは以下の通りです。

ツール名 特長ポイント
Zoom ホスト/共同ホストが「ブレイクアウトルーム」を設定可能。手動/自動割り当て、参加者から“ヘルプ要請”を出せるなど細かい運営サポート機能あり。
Microsoft Teams すでに社内に Microsoft 365 が導入されている場合、会議・チャット・ファイル共有と一体で使える。ブレイクアウトルームの作成・時間制限設定・参加者の割り当ても可能。
Google Meet Google Workspace を活用している企業/団体に親和性が高い。ブレイクアウトルームを使えるプランであれば、手軽に小グループ分けを設定可能。
Webex ( Cisco Webex ) 大規模イベントやトレーニング用途にも対応しており、ブレイクアウトセッション機能だけでなく、モデレーション/管理者機能が充実。
Adobe Connect 教育/研修用途に強く、「ポッド」形式で部屋を自在に設計でき、ブレイクアウト(セッション分割)にも対応。

グループは自動又は手動で分けることができます。手動の場合は、ミーティング(研修)を設定する際に事前にリストを作って、グループ分けの設定を行っておくと便利です。

また、これらのweb会議ツールには、資料共有と文字を書き込めるホワイトボード機能があるので、グループでのプレゼンや発表を行う場合には、そういった機能を使ってグループ内の意見をまとめることができます。

➁共同作業・ホワイトボードツール

上記のWeb会議システムと併用することで、グループワークでの共同編集やアイデア共有を促進できます。

ツール名 主な機能とグループワークでの用途
Miro(ミロ オンラインホワイトボードツール。複数の付箋、画像、図を同時に編集でき、ブレインストーミング(※後述)やアイデアの整理に最適。グループごとにボードを共有できます。
Google ドキュメント / スライド 文書・プレゼン資料の共同編集。グループごとにファイルを作成し、リアルタイムで同時に文章作成やスライド作成ができます。
Microsoft Office Online Word、Excel、PowerPointなどの共同編集。Googleツールと同様に、Microsoftアカウントがあればオンラインで共同作業が可能です。

オンライン研修のグループワークの種類とおすすめテーマ

オンラインではどのようなグループワークを行うと盛り上がりやすいのでしょうか。
非対面でも盛り上がりやすく、おすすめのグループワークの種類とテーマを紹介します。

① 討論・プレゼン型

目的:意見交換・相互理解・論理的思考力の向上

ZoomやTeamsのブレイクアウトルームを活用し、与えられたテーマに沿って討論し、最後に代表者が全体発表する形式です。
ファシリテーターを立てることで、沈黙や話の偏りを防ぎやすくなります。

対象層 おすすめテーマ例 効果
新入社員研修 「社会人として信頼されるコミュニケーションとは?」
「上司に報告・相談しやすい環境をつくるには?」
ビジネスマナー・報連相力の定着
若手社員研修 「チームで成果を出すために必要な行動とは?」
「リモート環境での主体的な働き方」
チームワーク・主体性の強化
管理職研修 「心理的安全性の高い職場とは?」
「Z世代との対話をどう促すか?」
部下育成力・対話力の向上
全社員対象 「ハイブリッド勤務における組織文化の維持」
「生成AI時代に求められる人間の強みとは」
時事課題への洞察・組織視点の形成

講演マスターSB

💡ポイント 発表パートを「Googleスライド」や「Miroボード」にまとめて共有すると、議論の成果が可視化され、他グループからの学びも促進されます。

2.ロールプレイング型

目的:実践的スキルの習得・行動変容の促進

ブレイクアウトルーム内で、上司・部下・顧客などの役割を分担し、実際の職場シーンを再現します。
行動体験を通じて「理論→実践→振り返り」の流れを作ることが可能です。

対象層 おすすめテーマ例 効果
営業研修 「オンライン商談の第一印象を高めるプレゼン」
「クレーム対応で顧客満足を取り戻す方法」
対人スキル・傾聴力・説得力向上
管理職研修 「評価面談で部下を成長に導くフィードバック」「ハラスメントにならない注意・指導の伝え方」 面談スキル・心理的安全性への配慮
リーダー研修 「メンバーが意見を言いやすい会議運営」
「ミスを責めず、次に活かす指導法」
ファシリテーション・信頼構築力
接客/サービス職研修 「クレーム対応・謝罪トレーニング」
「外国人顧客への接遇対応」
実践力・臨機応変力

講演マスターSB

💡ポイント ロールプレイ後は「良かった点」「改善点」を相互フィードバックすることで、気づきを深められます。録画して講師がコメントする手法も有効です。

3.ブレインストーミング

目的:発想力・創造性・協働思考の育成

Miro、Mural、Google Jamboardなどを使い、付箋・図形を使って自由に意見を出し合うスタイル。
リモートでも“付箋を貼る感覚”で楽しくアイデア出しができます。

対象層 おすすめテーマ例 効果
若手社員研修 「業務をもっと効率化するには?」
「自分が上司ならチームをどう変えるか?」
発想力・改善意識の育成
チームビルディング 「理想のチーム像を描いてみよう」
「心理的安全性のある職場とは?」
相互理解・価値観共有
管理職研修 「離職を防ぐマネジメントの工夫」
「部下が自ら動くチームにするには?」
モチベーション理論・施策立案力
DX/イノベーション研修 「AI時代の業務効率化アイデア」
「新サービス/商品を考えよう」
創造性・構想力の強化

講演マスターSB

💡ポイント オンラインでは“沈黙時間”も発想の一部。意見を出す時間と共有時間を分けて設計しましょう。

4.ゲーム型

目的:チームワーク・エンゲージメント・心理的距離の縮小

オンラインでも、ツールや仕掛けを使えば“楽しく学ぶ”体験型研修を設計可能です。
心理的な距離を縮め、学びを定着させたいときに効果的です。

対象層 おすすめテーマ例 効果
チームビルディング 「オンライン脱出ゲームで協力ミッション」
「バーチャル工場で問題解決チャレンジ」
コミュニケーション・協働力
新入社員研修 「自己紹介+趣味当てクイズ」
「価値観マッチングゲーム」
信頼関係構築・緊張緩和
管理職研修 「リーダーシップタイプ診断ワーク」
「価値観カードを使った意思決定シミュレーション」
メタ認知・柔軟なリーダーシップ思考
企業合同研修/異業種交流 「オンライン世界一周ワーク」
「ビジネスSDGsクイズ」
社会課題理解・発想の拡張

講演マスターSB

💡ポイント体験型ワークは“エンタメ性”だけで終わらせず、最後に「振り返り(リフレクション)」を設け、学びを実務に結びつけることが重要です。

どのゲームも普段は集合型での研修で行われるものですが、オンライン上でも行うことができます。事前に道具を準備する必要があるので、必要なものはリストに書き出しておくとよいでしょう。オンライン研修用ゲームを販売している企業もあるので、そういったサービスを利用するのもおすすめです。

➡詳しくは「楽しくてためになる!ユニークな新人研修の最新事例11選

オンラインならではのグループワークの注意点

1,000件以上の現場を支援してきた経験から、オンライン特有の落とし穴を回避するためのポイントをまとめました。

  • 発言が重なりやすく、沈黙が生まれやすい → ファシリテーターが指名制で発言を促す。
  • カメラオフが多く空気がつかみにくい → 冒頭にアイスブレイクを行い、発言ハードルを下げる。
  • 進行状況が見えにくい → 各ルームにサブ進行役を配置し、定期的に全体共有を挟む。
  • ITスキル・通信環境の差がトラブルを招く → ツールに慣れていない参加者を対象に「接続テスト日」を設け、使い方をレクチャーする。
  • 話が脱線しやすい → テーマを明確化し、ホワイトボードに議題を固定表示。
  • 発言しない参加者が出る → 役割(司会・書記・発表)を明確に割り当てる。
  • ツール操作で混乱する → ツールを1~2種類に絞り、事前に操作動画を共有。
  • 集合型より集中力が続かな → 40分に1度は休憩または切替アクティビティを入れる。
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グループワークを活性化させるためのコツ

せっかく研修内でグループワークを行うなら、場が盛り上がり、効果のあるものにしたいと思うのは当然のことです。
しっかりと結果を出すためにはいくつかのコツがあります。

・受講者に対してツールの使い方を説明しておく
受講者の中にはweb会議ツールに慣れていない人がいる可能性があります。事前にツールの使い方を説明したマニュアルを作成し送付するか、又は研修前に接続テストを兼ねたリハーサルを行い、使い方をレクチャーするなどして、受講者にツールの使い方を周知させておくとよいでしょう。

・グループワークを始める前にはアイスブレイクを行う
オンラインでは受講者同士が距離感を感じやすく、すぐに議論を活性化させることは難しいです。そのため、グループワークを始める前にアイスブレイクとなる簡単なゲームや自己紹介の時間を設けて、場をあたためておく必要があります。

・書記やファシリテーターなど、役割を分担させておく
オンラインでは全員が発言しづらい環境にあります。そのため、皆に意見を振るファシリテーター(司会進行)役をつけると、全員が万遍なく発言でき、場を盛り上げることができます。
また、議事録をつける書記役、スライドを作成する役、時間を管理するタイムキーパー係、発表役など、グループワークで必要となる役をグループ内で決めさせることで、当日スムーズに進行できます。

・取り組みの内容についてはきちんとフィードバックを行う
集合型であってもオンラインでもあっても、重要なのが事後のフィードバックです。受講者からの研修レポートなどから評価を行い、目標に対して達成できた点、より頑張らなければならない点を受講者に伝えます。また、グループ内で今回のワークを振り返り、レポートにまとめさせ、発表する場を設けてもよいでしょう。

導入を検討中の研修担当者へ

オンラインでのグループワークは、単なる代替手段ではありません。
距離を超えて“学びの共創”を実現できる新しい研修スタイルです。
初めての導入では、企画・設計・運営までを一貫して支援できるパートナーの存在が成果を左右します。
私たちシステムブレーンでは、これまで1,000件を超えるオンライン講演・研修をサポートしてきました。
Zoom・Teams・Miroなどの最新ツールを活用し、企業の目的や階層に合わせた最適なプランをご提案します。

✅ 小規模(10名)〜大規模(500名以上)まで対応可
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