
講師の皆さまの独自性や魅力をご紹介する「講師のヨコガオ」。
今回は、公認会計士の大杉泉さんにお話を伺いました。講演では公認会計士としての経験と、上場企業の常勤監査役として現場に立った実体験をもとに、「明日から使える監査役等の実務の型」を伝えていらっしゃいます。就任直後の不安から、経験者が直面する次の壁まで、監査役等が迷わず動けるための実践知を習得できます。
「ガバナンスの要は有意義なモニタリング」との思いから、大手監査法人での勤務経験と、上場企業での常勤監査役就任経験を生かし、会計監査・監査役監査双方の立場から、主に会社の監査に携わっている方に向けた監査に役立つ情報を提供している。
――講演では、どのようなスキルやノウハウをご紹介されていますか?
大杉 講演では、監査役等の実務を「明日から現場で使える形」にしてお渡ししています。ご要望に応じて、受講者の属性(新任中心/経験者中心/上場・未上場/グループ会社等)に合わせ、内容を柔軟に設計してお話しています。
初めて就任される方には、監査役等としての基本動作(何を、どの順番で、どこまで確認するか)を、会議の場面や資料の読み方、経営陣への質問の組み立てまで含めて体系的に整理し、就任直後の不安を最短で解消できる内容をお伝えします。
就任後数年が経ち「一通りは回せるが、もう一段レベルを上げたい」という方には、監査の見立てを深める着眼点、限られた時間で重要論点に当てにいく監査設計、経営との距離感を保ちながら実効性を高めるコミュニケーションなど、実務をブラッシュアップするための具体的な型と事例を中心に解説します。
また、未上場企業で特にニーズの高い「監査役が行う会計監査」については、どの勘定科目を、どのような観点で見ていくのか、監査法人がいない/内部体制が整っていない状況での進め方など、現場で迷いやすい論点を丁寧に扱います。
加えて、立場上、周囲には相談しづらい悩み(経営の反応が鈍い、他の監査役等との関係性、報酬面など)についても、実務の視点からお答えしています。
さらに、グループ会社の監査役等向けには、親会社・監査役会との連携の取り方、情報の取り方、グループガバナンスの中で果たすべき役割整理など、「グループ特有の難しさ」を前提にした講義も可能です。
――上記のスキルやノウハウはどのようなご経験から生まれたものでしょうか?その背景をお聞かせください。
大杉 これらのスキルやノウハウの原点は、私自身の「強い戸惑い」と「徹底的な再整理」の経験にあります。
私は公認会計士として会計監査に携わってきましたが、29歳で上場企業の常勤監査役に就任した際、会計監査とは前提も目的も異なる「監査役等監査」の現場に直面しました。その中で、想像以上に情報が体系化されていないことに大きなギャップを感じました。
会計監査には、基準・手続・ドキュメンテーションなど、一定の「型」があります。一方で監査役等監査は、会社の規模・フェーズ・ガバナンス体制・経営陣の成熟度によって求められる動きが変わり、参考情報も各所に散在しています。
結果として、「何をどこまで、どのように行えばよいのか」「どう質問し、どう記録に残すべきか」が分かりづらく、就任直後の監査役等が同じところで悩みやすい構造があることを、現場で痛感しました。
そこで私は、実務の場で本当に必要な知識と手順を、散らばった情報から拾い集め、優先順位を付け、誰でも再現できる形に整理し直すことから始めました。その過程で、私と同じように「就任したものの、相談相手も手引きも少なく、手探りになっている」監査役等が非常に多いことにも気づきました。
現在の講演でお伝えしているのは、こうした実体験を出発点に磨き上げた「監査役等のための実務の型」です。単なる制度説明ではなく、明日からの会議や監査活動でそのまま使えるよう、論点の見立て方、質問の組み立て、記録の残し方、未上場企業やグループ会社など環境別の勘所まで落とし込んでお話しています。
――上記のスキルやノウハウを身につけることで、どのような課題解決や成長に役立つとお考えですか?
大杉 監査役等の実務が、形式的なものから、本質を捉えたものに変わり、限られた時間でも成果が出るようになります。効果は大きく3つあると考えています。
第一に、就任直後の不安と迷いが最短で解消されます。
「何を、どの順番で、どこまで確認するか」が整理されることで、取締役会や重要会議で見るべきポイントと聞くべき質問が明確になり、受け身にならず適切なチェックができるようになります。
第二に、監査の質が上がり、時間の使い方が変わります。
経験を積むほど課題になるのは「頑張っているのに手応えが薄い」状態です。監査の見立てを深め、重要論点とリンクした監査設計ができるようになると、確認が散らからず、経営にも効く指摘・提案が増えます。結果として、監査役等としての存在感が自然に高まります。
第三に、難しい局面でも崩れず、適切に前へ進められます。
未上場企業の会計監査の踏み込み方、証拠の残し方、監査法人がいない環境での進め方など、迷いやすい論点に判断軸が持てます。グループ会社の監査役等の場合も、親会社や監査役会との連携を前提に、情報の取り方と役割整理が明確になります。
ご受講後は、監査役等としての実務が磨かれるだけでなく、牽制と改善が回る仕組みづくりを通じて、企業価値の向上にも繋がるはずです。
――講演活動を通して、どのような世の中を目指そうとされていますか?
大杉 私が講演活動を通じて目指しているのは、監査役等が自らの職務を「形式」ではなく「実効」として果たせる社会です。監査役等の監査が機能すれば、兆候の段階でブレーキをかけ、意思決定の質を上げ、不祥事を未然に防げる可能性が確実に高まります。
企業不祥事は、起きた瞬間に会社だけでなく、従業員、取引先、株主、そして家族や地域にまで影響を広げます。私は、監査役等が「気づき、問い、記録し、改善を動かす力」を正しく持つことで、そうした不祥事を一件でも減らし、不祥事によって損をしたり、悲しい思いをしたりする人を一人でも減らしたいと考えています。
そのために、講演では制度論にとどまらず、明日から現場で使える「型」として、監査役等が動ける状態をつくることにこだわっています。「監査役等が孤立せず、正しく機能する会社が増えること」が私の目指す世の中です。
――講演や研修を検討されている主催者様へメッセージをお願いします。
大杉 監査役等向けの講演・研修をご検討される際、主催者の皆さまから次のようなお悩みをよく伺います。
「制度や役割は分かっているが、結局、何を確認し、どう動けばいいのかが曖昧」
「教科書通りの説明ではなく、現場で使える手順や質問例が欲しい」
「グループ会社の監査役等に、共通の型を持たせられていない(教育が属人的)」
もし一つでも当てはまるなら、研修で「行動が変わる形」に整理し直す価値があります。
私の講演は、制度の解説や教科書論で終わりません。監査役等の実務を、明日から再現できる「型」としてお持ち帰りいただくことにこだわっています。資料の読み方、監査の組み立て、記録の残し方などを軸に、会計監査の踏み込み方や証拠の残し方、相談しづらい違和感やグレー事象への向き合い方、グループ会社としての情報の取り方と連携の勘所などといったところまで、受講者の属性と貴社の状況に合わせて具体的にお伝えします。
研修のゴールが「理解」ではなく「現場の変化」であるなら、ぜひご相談ください。貴社のフェーズ(上場・未上場)、受講者層(新任・経験者)、グループ有無、直近の課題を短時間で整理し、翌日から動きが変わる内容に設計してお届けします。
監査役等が機能し、企業価値を向上させていくという一歩をご一緒できれば幸いです。
公認会計士としての専門性と、上場企業の常勤監査役としての実体験に基づくため、制度論にとどまらず、判断や行動に直結する具体例が豊富なのも魅力の一つです。
監査の質と実効性を高めることで、不祥事の予防や企業価値向上につながる実践的な学びが得られる研修となるはずです。

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