「イキイキ長寿健康法」免疫力を高める生活
~アトピーからがんまで~

藤田紘一郎 ふじたこういちろう
東京医科歯科大学名誉教授想定する対象者
高齢者、一般(あらゆる人々)
アレルギー病とは、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などIgE抗体が関与する疾患群をいいます。
このアレルギー病が最近急に増えてまいりました。たとえば、10歳以下の子どもでは、約40%がアトピー性皮膚炎ですし、花粉症には日本人の5人に1人が罹っています。
提供する価値・伝えたい事
この病気は、35年前にはなかった病気です。
アレルギー病は、回虫や細菌、ウイルスなどの微生物とつきあっていると発症しにくくなることを、私たちは研究で明らかにしました。つまり、これらの「微生物」を排除した「キレイ社会」が、アレルギー病の発症を促進していると思います。
それでは、アレルギーやがんに関わる免疫力を高めるにはどうしたらいいのか?を具体的にお話します。
内 容
●「キレイ社会」とはどのような環境?
アレルギー反応は、免疫機構のうちTh2が関与し、癌はTh1が関与することがわかっています。
「キレイ社会」は、Th1も弱めて、癌が発生しやすい環境にしているのです。
●免疫力を強め、癌にかからないようにするには?
その鍵は、腸内細菌叢がにぎっていることがわかりました。腸内細菌叢のバランスよい環境が、T細胞を刺激し、キラー細胞を出現させたり、Th1を増殖させ、癌の発生を抑えていることがわかったのです。
●具体的にはどのようなことに注意すればいいか?
・腸内細菌叢のバランスを保つためには、まず食事!
野菜・穀類・豆類・果物などの植物性の食品を中心とした「手作り」の食事が大切
細菌類を殺してしまうような防腐剤入りの食品や抗生物質や殺菌剤の混入した食品をとらないことが必要
・笑うこと
・自然にふれること