建設現場の社員や協力会社を集めて、安全に対する意識付けを行う「安全大会」。イベントを滞りなく進めるためには、司会者の進行の仕方がポイントとなります。主催する人は、事前にどんな準備をしておけばいいのでしょうか。

司会進行の仕方や台本の作成方法などをわかりやすく解説します。

司会進行を行う司会者の役割

初めて司会進行を行う人や、司会に慣れていない人は、当日までに少しでも不安を払拭できるよう、事前に準備をしておきましょう。司会者には、主に次のような役割が求められます。

1.安全大会の進行

予定していた講演が長引いたり、機材のトラブルが起こったり。ハプニングによってイベントがタイムスケジュール通りに進行しないこともあります。スケジュールには質疑応答など調整が利く時間割を設け、全体として時間内に収まるようコントロールしましょう。

2.安全大会の参加者への各種案内

参加者への各種案内も司会者の役割。式次第や休憩時間、会場の案内などの情報を参加者に周知しましょう。参加者が求める情報を的確に提供できるよう、司会者はイベントまでに会場の下見をして、非常口やお手洗いの位置を把握しておくとよいでしょう。

3.講師の紹介

安全大会に講師を招いて講演会を行う場合には、講師とのやり取りも司会者の役割となります。講師の紹介や質疑応答時の進行など、講演者と参加者の橋渡しとなるような進行を心がけましょう。事前に講演内容の確認や質疑応答の進行について、講師と打ち合わせをしておくと安心です。

司会進行の前準備

安全大会をスムーズに進めるためには、事前の準備が不可欠です。当日は進行が滞らないようタイムスケジュールと台本を作成しておくとよいでしょう。

1.タイムスケジュールを作成する

最近では安全大会をオンラインで行う企業も増えてきました。リアル開催時とオンライン開催時では、どのような違いがあるのでしょうか。一般的なスケジュールを比較してみましょう。

【リアル開催時の基本的な流れ】
①開会の挨拶(開会宣言)
➁表彰式
③講演またはセミナー
④安全宣言
➄閉会の挨拶

以上はリアル開催時の一般的な流れです。上記のほかに、救命救急などの安全講習セミナーや安全対策の発表が入る場合があります。

【オンライン開催時の基本的な流れ】
①オンラインツールの機能説明
②開会の挨拶(開会宣言)
③表彰式
④講演またはセミナー
⑤安全宣言
⑥閉会の挨拶

オンライン開催時には、オンラインツールの使い方に慣れていない方のために、開会の挨拶に入る前にオンラインツールの機能説明をしておくとよいでしょう。また、質疑応答の際の質問の仕方なども説明しておくとスムーズです。

2.台本を作成する

イベント当日は緊張して、頭が真っ白になってしまうこともあり得ます。そんなときのために、台本を用意しておきましょう。台本は、以下の流れを想定して作成するとよいでしょう。

  1. 開会式
  2. 表彰式
  3. 講演会
  4. 安全宣言.閉会式

台本のテンプレート

この段落では、安全大会の当日に使える台本のテンプレートを紹介します。アレンジするなどしてご利用ください。

1.開会式

①リアル開催の場合は会場案内、オンライン講演であれば使い方の案内
「まもなく、令和○○年度(会社名)安全大会が開会となります。会場の皆様にご案内申し上げます。本日の会場には、非常口が○つございますので、開会前にご確認くださいませ。また、本日の安全大会は、○部構成となっております。途中、休憩時間を設けておりますので、そのお時間にお手洗いなどお済ませください。それでは、安全大会開始まで少々お待ちくださいませ」

➁開会の挨拶
「皆様、本日はお忙しい中お集りいただきまして、誠にありがとうございます。司会を務めさせていただきます、○○と申します。これより、令和○○年度(会社名)安全大会開会式を開催いたします」

③開会宣言やスピーチを行う人がいればその人物紹介
「安全大会の開会に先駆けまして、主催者である○○よりご挨拶させていただきます」

④開会式閉会の言葉
「以上をもちまして、令和○○年度(会社名)安全大会の開会式を終了いたします」

2.表彰式

①表彰する人物の紹介
「それでは、表彰式に移りたいと思います。表彰いたしますのは、○○でございます。○○は(プロフィールから経歴、肩書き等簡単に紹介)。それでは、○○、よろしくお願いいたします」

➁表彰される人物の名前と賞の紹介
「続きまして、受賞者をご紹介させていただきます。まず、○○賞からの発表です。○○賞は、○○に対して優れた功績を残した方に贈られます。○○賞、○○様(繰り返す)」

3.講演会

①講師の紹介(プロフィール、現在の活動など)
「それでは、本日ご講演いただく○○様のご紹介をさせていただきます。○○様は、○○大学をご卒業後、株式会社〇〇にご入社されました。○○年に取締役に就任されてからは、多くの書籍を発表、テレビや雑誌をはじめとする多数のメディアに出演されるなど、ご活躍されています」

➁本日のテーマと趣旨の発表
「本日は『○○』と題し、○○についてお話いただきます。それでは拍手でお迎えください。○○様です、どうぞ!」

③質疑応答
「〇〇様、とてもためになるお話しをありがとうございました。それでは質疑応答に移りたいと思います。質問のある方は、手を挙げてお知らせください。それでは、前から〇列目の茶色のスーツを着ている方、ご質問をどうぞ」(マイクを渡す)

【オンラインの場合】
「〇〇様、とてもためになるお話しをありがとうございました。それでは質疑応答に移りたいと思います。質問のある方は、画面の挙手アイコンをクリックしてお知らせください。それでは、〇〇さん、ご質問をどうぞ。ミュートにされていれば解除をお願いします」(ミュート解除を促す)

③結びの言葉
「○○様、ありがとうございました。皆様、今一度大きな拍手をお送りください」

4.安全宣言

①安全宣言を行う人物の紹介
「続きまして、安全宣言に移りたいと思います。安全宣言委員会委員長〇〇が行いますので、会場の皆様はしおりに記載してあります安全宣言をご覧ください。それではお願いいたします。」

5.閉会式

①閉会式開始の言葉
「これより、令和○○年度(会社名)安全大会閉会式を開催いたします」

➁閉会挨拶を行う人物がいればその人物紹介
「閉会に際しまして、主催者である○○よりご挨拶させていただきます」

③閉会の言葉
「以上をもちまして、令和○○年度(会社名)安全大会を終了させていただきます。本日は誠にありがとうございました。」

司会進行する際の注意点

安全大会をスムーズに行うために、司会者はどんなことを心がけたらよいのでしょうか。講習会やセミナーの司会進行について、注意点を見ていきましょう。

講師の肩書によって呼称を変える

講演会に登壇する講師は、企業の取締役や医師、政治家、タレントなどさまざまです。呼称は講師の肩書きによって変えるようにしましょう。

たとえば、企業の取締役などを紹介する場合には「名前+取締役(役職)」、医師や政治家であれば「名前+先生」、タレントの場合は「名前+様」、落語家であれば「名前+師匠」といった具合です。呼称に迷う場合には、講演会社やエージェントに相談するなどして、失礼や誤解を与えない呼称を使用しましょう。

講師のプロフィールは最新のものを使用する

講師の紹介に使用するプロフィールを作成する際、多くの人は、インターネットや書籍から情報を得ていることでしょう。

プロフィールの作成で1つ注意したいのは、最新の情報を使用すること。ホームページから情報を得るのであれば、最終更新日時を、書籍なら出版日を確認しましょう。可能であれば、エージェントや所属事務所にプロフィールを確認しておくと安心です。弊社では講演前に最新プロフィールをお渡ししています。

司会者はスーツなどフォーマルな服装で

司会者は参加者からの注目を一身に集めます。参加者に不快な印象を与えないよう、身だしなみには注意しましょう。会場の雰囲気にあわせた服装を選ぶことができればベストですが、悩んだ場合はスーツなどフォーマルな服装が無難です。また、服装だけでなく、髪型やメイクにも気を配るなど、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。

話すときは聴講者の方を見てはっきりとわかるように

イベントの参加者は、司会者が何を言っているかわからないと不安になったり、不快な気持ちになったりします。司会者は聴講者のほうを向き、ゆっくり、はっきりと話すようにしましょう。

台本を用意しているとどうしても目線が下を向きがちになります。下を向いてばかりだと声が聞き取りづらくなり、見た目にも暗い印象を与えてしまいます。スピーチの要所では顔を上げ、参加者のほうを向くようにしましょう。

安全大会などのイベントは、司会者の進行が成功を左右します。事前の準備を万端にして臨みましょう。
また、弊社では司会のご紹介もしています。司会に困った時はお気軽にご相談ください。

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