建設業界で夏と冬に行われる安全大会は、現場で働く人にいま一度、業務における危険なポイントを確認し、安全の重要性を認識してもらうためのイベントです。
しかし、文字や言葉で説明するだけではなかなか危険性を理解してもらいにくいこともあるでしょう。
そこで、今回は安全大会で使えるビデオ(動画)をご紹介します。

安全教育を動画で行うメリット

まず、安全教育を文字や言葉、スライドなど静止画だけでなく、動きを含めた動画で行うことのメリットを3つご紹介します。

実際の状況をイメージしやすい

動画で安全教育を行う最大のメリットとして、静止画や文字・言葉での解説と比べ、実際に事故が起こる状況を視覚的にイメージしやすく、理解につながりやすいことが挙げられます。

工場や作業現場での事故の多くは転落・墜落、挟まれ・巻き込まれなどの「一瞬の気の緩み」が引き起こすものです(厚生労働省「令和2年労働災害発生状況の分析等」)。こうした瞬間的なミスについて、危険性を理解できるように言葉で説明するのは難しいでしょう。そこで、動画で場面をイメージしてもらうのが有効です。

再現が難しい状況もCGなら再現しやすい

CGを使えば、再現ビデオが撮影しにくいものも作りやすいこと、また、生々しい事故映像でなくなるため、誰でも見やすいことが第2のメリットです。事故の再現ビデオは、再現はしても実際に事故をもう一度起こすわけにはいきませんので、前述の転倒・転落、挟まれ・巻き込まれなどは非常に再現ビデオが作りづらい状況と考えられます。

このように再現が難しい状況であっても、CG映像を使えば出演者にも撮影者(動画作成者)にも危険が及ぶことなく、安全に動画を作成できます。安全大会で使う動画を撮影するのに危険を冒しては意味がありません。CGで作った再現動画なら、誰にも危険が及ばず作られているため、安心して使いやすいでしょう。

言葉で説明するより記憶に残りやすい

言葉や静止画で説明するよりも、動きのある動画で見た方がインパクトを受け、記憶に残りやすいというメリットもあります。再現CGなどを利用した動画なら、インパクトは残しながら生々しさを排除でき、安全大会で使うのにふさわしいでしょう。

安全教育を動画で行うデメリット

安全教育を動画で行うには、以下のようなデメリットもあります。

  • CG映像などを新たに制作する場合、費用がかかる
  • 映像の内容を参加者が理解できたかどうか、確認しにくい

動画を新たに制作する場合、自社で制作するにしても、外部の業者に委託するにしてもコストがかかります。また、安全セミナーや講話と比べると一方的に映像を流すだけになりがちで、反応がわかりづらいため、参加者が映像を見て本当に理解できたかどうか確認しにくいという課題もあります。

ただし、費用がかかるという点に関しては、厚生労働省などが提供している無料の安全教育動画を使えば解消できます。次章では、実際に無料で使える動画をいくつかご紹介します。

安全大会で使える、無料の安全教育動画

では、実際に無料で使える安全教育動画をご紹介します。代表的なものに、厚生労働省が提供しているものと、YouTubeで公開されているものの2つがあります。それぞれどんな安全教育動画があるか、詳しく見ていきましょう。

厚生労働省の安全教育動画

厚生労働省の安全教育動画は、こちらのページから見られます。カテゴリは以下の4つです。

  • 建設業における安全対策
  • 機械の安全対策
  • 安全管理手法、リスクアセスメントなど
  • その他

「建設業における安全対策」では、現場での作業ごとの対策ポイントの他、代表的な労働災害事例を動画でチェックできます。一般的なポイントから、高所作業・倒壊や崩壊の防止、建設機械やクレーン作業、手工具における注意点、感電災害や火災・爆発災害の防止、業務上疾病の予防が合計47作品公開されています。

「代表的な労働災害事例」では、事故死の1位を占める墜落・転落の17作品をはじめ、挟まれ・巻き込まれ、飛来・落下、倒壊・崩壊など18作品を視聴できます。いずれもイラストを用いた動画で公開されていますので、CGではないものの、生々しさを排除した誰でも視聴しやすい動画です。

「その他」の動画では、酸・アルカリなど薬剤の取り扱い、傷病者救助や応急手当、熱中症や安全運転などがおさらいできます。特に、傷病者救助や応急手当については心肺蘇生・骨折の手当て・止血など、実技を実写動画で見ることができ、実際の現場でどう対処すべきかがより学びやすくなっています。

YouTubeの安全教育動画

YouTubeの安全教育動画には、安全教育のためのさまざまな動画があります。以下代表的なものをご紹介します。

・「労働新聞社」が提供する、事故・災害事例集DVDのデモムービー(CG)

・「安全教育DVDのアクトエンジニアリング」による、安全教育ビデオ(CG)

・「全国仮設安全事業協同組合」による、安全教育ビデオ(実写)

・「FETECinfo」による、工事現場災害事例と対策DVDのサンプルムービー(CG)

デモムービーやサンプルムービーもありますが、事例を抜き出して動画化されているため、安全教育動画として問題なく使えます。
「全国仮設安全事業協同組合」の安全教育ビデオでは、墜落や転落事故の衝撃や転落防止措置について検証実験を行っており、単なる再現にとどまらず、事故や災害についての理解をより深められます。

他にも、「安全教育動画」「建築現場 災害事例」などのキーワードで検索すれば、各種再生リストや、実写・CG・イラストを含めさまざまな安全教育動画を無料で視聴できます。開催する安全大会のテーマに合わせ、研修用動画や災害事例再現CG、機械や工具の正しい使い方など、参加者にとってわかりやすく見やすい動画を選びましょう。

安全大会では、動画を使って効果的に安全教育を行おう

安全大会では、言葉や静止画で説明するよりわかりやすいことから、動画を使って安全教育を行う方法もあります。とはいえ、単に動画を視聴するだけでは個人の理解度が把握しにくいため、何らかの方法で一堂に会する安全セミナーや講演もやはり必要です。

コロナ禍においては、オンライン講演やハイブリッド型講演に切り替えて安全大会を開催したところも多く、弊社ではハイブリッド型も含めてオンライン講演のサポートが可能です。

また、安全大会で動画を流し、安全に対する理解度を高めた上で講演・セミナーを行えば、さらに安全意識を向上できます。動画を効果的に使い、わかりやすく伝わりやすい安全教育で、安全に対する意識を高めましょう。

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