[オンライン版]労働組合としての安全衛生活動の意義

林谷英一 はやしたにえいいち
安全衛生大会教育講師
元 三菱電機安全衛生協力会事務局長
三菱電機神戸製作所入社後、一貫して現場の前線で活躍。2006年三菱電機安全衛生協力会事務局長(安全衛生課兼務)。同年より災防団体等の教育講師としても活躍。現在、安全衛生教師および安全衛生大会の講師、長年の現場経験に基づき、安全衛生を解りやすく説く。


●講演タイトル:[オンライン版]労働組合としての安全衛生活動の意義


林谷さんには本当にご尽力いただきました。
事前に一度、大阪本社にお越しいただき、我々社員が参加者となってデモウェビナーを開き、
我々の意見をもとにカスタマイズをして下さるなど、とてもフットワークが軽い方です。
(カメラ目線の問題、デリバリー、作業着など)


講演時間の70分で使用する資料は40枚。当初、文字だけで見づらかったのですが、
我々の提案を受け、資料もカスタマイズしていただきました。

●参加者…各事業所の安全衛生担当の代表の方々 25~6名。
早目に入り執行部の方とご挨拶。
会社として集合研修などでオンラインは数回開催したのみで、組合事業でのオンライン開催は初めてとのことでした。

●使用アプリ:Google Meet
Zoomはよく利用しているものの、Google Meetはより「会議用アプリ」というイメージがあります。


・Zoomのように講師PCから画面共有をすると、本人の顔が映らないので、PCは2台必要。
・画面共有レイアウトは4種類あります。ただ、画面共有をすると「タイル表示」にしても最大12名しか映りません。
・ブレイクアウトや、投票機能、スポットライト機能などはないので、あくまでも「講師の表現方法」という部分から見ると、やはりZoomがベターだと思いました。

●講演概要


・ケガするのも・させるのも・職場の危険を一番知ってるのも作業者(組合員)である
→ライン化の徹底×トップの経営姿勢×職場・自主活動の活発化
・安全衛生委員会はマンネリ化気味にある



・安衛法は刑法であり、災害発生すると「違反者と事業者等」に4つの責任が問われる。事業者等に作業リーダー(組合員)も含む
→人はミスをするものなのでミスをどう防ぐ?というより、組織としての対応が大事である
・災害と刑事責任・民事責任の事例紹介
→誰も災害を起こそうとして起こしていないが、裁判などで負けると前科がつくことになる。実刑で最大5年。

 

 

 

 


・リスクアセスメントは、職場の潜在的な危険性または有害性を見つけ出し、これを除去、低減するための手法。
従来の労働災害防止対策は、発生した労働災害の原因を調査し、類似災害の再発防止対策を確立し、各職場に徹底していくという手法が基本だった。
しかし、災害が発生していない職場であっても潜在的な危険性や有害性は存在しており、
これが放置されると、いつかは労働災害が発生する可能性があり、
技術の進展等により多種多様な機械設備や化学物質等が生産現場で用いられるようになり、その危険性や有害性が多様化してきた。
・これからの安全衛生対策は、自主的に職場の潜在的な危険性や有害性を見つけ出し、事前に的確な対策を講ずることが不可欠であり、これに応えたのが職場のリスクアセスメントである。
・「リスクアセスメントを導入されている職場は手を挙げてください」



・心の病での労災申請・認定は右肩上がりである
→組合としてどう取り組むか?キーワードは「けちなのみや」
け:欠勤が増える  ち:遅刻・早退が増える  な:泣き言が増える
の:能率が低下する  み:ミス・事故が多くなる  や:辞めたいと口にする



・労働組合の安全衛生活動充実は、事業の継続・発展につながる


●質疑応答
全体で90分を予定しており、講演がうち70分。
「質疑応答で20分は長いのでは?」と思いましたが、
委員長、副委員長、工場の方などから4つの質問があり、無事終了しました。

●執行様より

初めてのオンライン講演でしたが、良かったです。内容的にもとても参考になりましたし、リスクアセスメントや、テレワークなどで新たな労災問題のことを対応して下さり、執行部としては満足しています。

●運営の感想
・災害事例を多くお持ちなので、それらを踏まえた労働安全衛生法を詳しく説明いただき、参加者の皆さんは真剣に聞いておられました。
・カメラ目線の課題はあるものの、グーグルミートでは画面共有すると、講師はZoomほど大きく表示されないので、カバー出来ていました。
・オンラインでの話し方については、滑舌もいいので聞きやすかったです。
・一方通行になるとどうしても「参加者を傍観者」にしてしまいがちなので、事前に「ワークでなくても参加者に声を掛けたり、質問されるなどなるべく双方向で」と講師へ提案していたので、参加者に手を挙げて頂くシーンもありました。