保育士がキャリアアップするためには、資格取得後も研修を受講して継続的に学びつづけることが必要です。
この記事では保育士研修で得られるメリットや、人気の研修テーマを紹介します。また研修を成功に導くポイントも解説しているので、ぜひ保育士研修を企画するうえでの参考にしてください。

保育士が研修を通じて得られる3つのメリット

まずは「なぜ保育士に研修が必要なのか」を確認するとともに、研修で得られる3つのメリットを解説します。

1受講者の専門知識・スキルの向上が図れる

保育士研修の大きなメリットの1つは、「受講者の保育業務の専門知識やスキルの向上」です。
保育士研修では、児童心理学や発達支援、保育環境の整備や安全管理といった内容を学びます。さらに受講者が、絵本や遊びなどの実用的なスキル、職場でのコミュニケーションや保護者への対応が上達すれば、子どもたちの心を開きやすくなり、保育士の先輩から「安心して仕事を任せられる」と思ってもらえたり、保護者からも「この先生には相談しやすい」と心を開いてもらえるケースが増えたりします。
保育士研修の最大のメリットは、受講者のスキル・知識の拡充にあります。

2.受講者が保育の最新トレンドをキャッチアップできる

保育士研修では、保育に関する最新の情報を得られることも魅力です。
子どもの発達や教育をめぐる常識は変化し続けています。例えば都市部の保育施設の充足状況や、保育現場におけるICT導入などは、ベテラン保育士であっても新たに勉強しておかなくてはならない知識でしょう。
特に現在は保育分野のICT化が急速に進んでいます。スマホアプリでの園児の登降園管理や、保護者への情報配信などもその1つです。
保育に携わる人材に、日々こうした最新情報にアップデートする機会を提供することで、園全体の保育の質を底上げすることができます。

3.キャリアアップと仕事への満足度向上

保育士研修は、保育士自身のキャリアや仕事に対する意識・モチベーションを高める効果も期待できます
受講者が研修で新しい知識やスキルを習得できれば、自身の成長を実感できます。さらに保育の仕事がどのように子ども達の発達に影響を与え、社会全体へ貢献ができるのか考えられれば意欲も高まるでしょう。
また研修はキャリアアップや処遇改善にもつながります。現在は「保育士等キャリアアップ研修」制度により、保育士が所定の研修を受講してキャリアアップすると、保育施設が処遇改善に充てられる補助金を受けることが可能です。このように研修をきっかけとして、保育士自身のキャリア・労働条件に良い影響が期待できます。

保育士が学びたいことは? 人気の研修テーマ4選

せっかく企画するならより多くの受講者に喜ばれる内容を選びたいもの。ここでは人気の研修テーマ4選をご紹介します。

1.子どもの心理学的理解と発達支援

保育士が日々の保育で子どもに対して適切な接し方をするためには、子どもの心理学的理解や発達支援に関する学びは避けて通れません。
保育は、どの子に対しても一様に同じ対応をすればよいわけではありません。乳児期や幼児期の前期・後期など、成長段階に応じた保育が求められます。さらに発達障害など特別な支援を必要とする子に対しても、適切な言葉がけや保護者との連携など、サポートの仕方を学ぶことが重要です。
保育士が子どもの発達や心理に関する正しい知識を身に付けてはじめて、それぞれの子どもの発達を促す保育が実現できます。

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2.保育環境の整備と安全管理

保育環境の整備と安全管理も、保育士にとって重要なテーマの1つです。特に近年、保育現場での事故のニュースが度々取り上げられ、保護者をはじめとして社会全体で安全管理の意識が高まっています。
この研修では、主に事故防止や感染症対策、衛生管理などを学びます。特に保育の現場は誤飲や外遊び中の怪我など、さまざまな事故のリスクが潜む場所です。過去の事故の事例を知れば、正しいリスク回避の方法を考えることができます。
さらにアレルギーを持った子どもに対応するため、食物アレルギーなどに関しても勉強します。

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3.絵本や遊びなど教育プログラムの企画・実施方法

日々の保育の中心となる絵本の読み聞かせや遊びなどの教育プログラムも、保育士研修の人気テーマです。
読み聞かせや遊びは簡単なように見えますが、「子どもの年齢に合わせた本の選び方が分からない」「子ども達が遊びに興味を持ってくれない」と課題を抱えている保育士も少なくありません。
絵本や遊びといった教育プログラムについての研修では、主に絵本の選び方や読み聞かせの方法、歌やリトミックなどの音楽活動、制作などの表現活動の方法を学びます。また身体能力が大きく発達する幼児期に適した、野外活動や運動の方法も大切です。

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4.職場内コミュニケーションや保護者への対応

保育士は保護者、場の同僚や上司、さらには地域の人々とのコミュニケーションについても学ぶ必要があります。

子ども達が健やかに成長できる環境を整えるには、保育士同士の密な連携や保護者の協力が必要です。そのため保育士には、コミュニケーションの方法を学んで、同僚や保護者と信頼関係を築く努力が求められます。

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保育士研修を成功に導くポイント

最後に、保育士研修を成功に導くポイントを解説します。企画段階で以下のような点に留意しておきましょう。

オンラインセミナーを組み込む

保育士研修には、オンラインセミナーも組み込むのがおすすめです。
なぜなら保育士は非常に多忙なため、研修に参加できる時間や場所が限られている場合が多いからです。オンラインセミナーなら自宅や職場からパソコンやスマートフォンを通じて受講できます。服装も自由で、どこからでも気軽に参加できるのも魅力です。

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保育士の「キャリアアップ研修補助金制度」を活用する

保育士研修を企画するのであれば、ぜひ知っておきたいのが「キャリアアップ研修補助金制度」です。
保育士の資質向上や待遇改善を目的として厚生労働省によって定められた制度で、実際の運営は各自治体に任されています。雇用する保育士が「保育士等キャリアアップ研修」を受講してキャリアアップすると、人件費に充てられる補助金を受け取れる仕組みです。

補助金の額は研修内容や時間、受講者の資格や経験などによって異なりますが、最大で月4万円程度受け取り可能です。この制度を活用すると給与アップによる人件費の負担を軽減できます。

研修報告書等のフィードバックを保育士育成に活かす

「保育士等キャリアアップ研修」で受講者が作成した研修報告書を、その後の保育士育成に活用するのもポイントです。
「保育士等キャリアアップ研修」では研修後の報告書の提出が義務づけられています。受講者が研修で学んだ内容を現場に持ち帰ることで、参加できなかった保育士にも共有できるというメリットがあります。また受講者自身にとっても、研修で得た知識や身に付けた方法を振り返ったり、他の保育士から意見や感想をもらったりすると、学習効果をより高めることが可能です。

SBには保育士・幼稚園教諭対象の研修プランも豊富!

保育士や幼稚園教諭も、子どもの発達や心理、保育環境の整備、教育プログラムなどの最新知識を研修で学びつづける必要があります。
システムブレーンでは保育士や幼稚園教諭に向けた研修プランもご用意しています。現場のメンバーのキャリアアップや仕事への満足度向上のために研修を検討したいという担当者の方は、ぜひ一度システムブレーンにご相談ください!


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