建設現場や工場など体を使う職場において、「安全」は何よりも大事なことです。現場での事故を防ぐには、ストレッチや筋力トレーニングで日頃から体のコンディションを整えておくことが大切です。

本記事では、事故ゼロの現場リーダーを経て、スポーツトレーナー、JAL客室乗務員の救急指導員として活躍する櫻井優司氏に、疲労回復を促すストレッチのやり方を解説していただきます。職場や自宅で簡単にできるものばかりなので、ぜひ取り組んでみてください。

櫻井優司著

注意一秒、怪我一生! 安全な現場づくりには体づくりが肝心

現場で起きた事故の発生原因をたどると、注意力の低下・慣れた現場での慢心といった理由が浮かび上がってきます。

屋外作業の場合は、天候不良や突発的な天候の変化など、気象状況への対応経験不足も事故発生原因になります。不慣れな場所や経験が足りない状況での作業では特に周囲に注意を払い、観察することが重要です。

事故を未然に防ぐには、体調が万全であることが第一。現場のリーダーは、気温、作業員の稼働時間、過労でないかを察知し、しっかり見守るようにしましょう

意外と見落とされがちなのが、作業中の姿勢です。例えば、猫背などの姿勢のゆがみは、肩こりや首こりを引き起こします。また、膝や腰への負担も長期的に持続すれば痛みに変わり、集中力の欠如を招きます。

建設業や製造業などでは、体が何よりの資本。体のコンディション低下は、大きな事故の引き金となる「ついうっかり」のミスにつながりかねません。

では、事故や怪我を引き起こす体のコンディション低下を防ぐにはどうしたらいいか。手軽な方法の一つが、事前に簡単なストレッチをすることです。その日の疲れはその日にとるという意識をメンバー内で共有し、全員で健康維持に努めましょう。

気持ちのよい仕事ができる美しい姿勢と整った環境。この2つがそろえば、安全な職場を維持できます。簡単にできるストレッチを2つご紹介しますので、ぜひお試しください。

1.ギックリ腰になったときに使えるストレッチ

長時間、同じ姿勢で作業し続けると、ギックリ腰のリスクが高まります。発症したら数日間は安静にする必要がありますが、少し落ち着いてきたら、軽いストレッチをすることで痛みをやわらげることができます。

  1. 椅子に浅く腰掛ける
  2. 手で椅子の背をつかみながら、ゆっくりと体を右にひねる(はじめは45度くらいから)
  3. ひねった姿勢のまま10秒キープ
  4. 反対側も同じように行う

このストレッチで腰椎を動かすと、ずれた腰椎が正しい位置に戻っていきます。これを繰り返し、痛みが治まってきたら、ひねるときの角度を少しずつ大きくしていってください。

ストレッチができないほど痛むときは、ベッドで仰向けになり、両膝を胸に近づけて両腕で抱えます。この全身を丸める姿勢は、ヨガで「赤ちゃんのポーズ」と呼ばれるもの。腰回りの筋肉を優しくほぐしてくれるため、痛みが治まる場合があります。

決して無理はせず、痛みが落ち着いてから椅子を使ったストレッチに取り組みましょう。

2.疲労を感じたら! タオルを使ったストレッチ

タオルは、セルフストレッチを効果的にサポートしてくれる優れたアイテムです。ここでは、タオルを使って胸、体の側面、背中の筋肉を伸ばす方法をご紹介します。使用するタオルは全長60〜80cmくらいのものがおすすめです。

  1. 足を肩幅程度に開いて立つ
  2. タオルの両端を持ち、腕を上げてバンザイの姿勢を取る
  3. そのまま上体を横に倒し、脇腹の筋肉を伸ばして10秒キープ
  4. 反対側も同じように行う

左右それぞれ10回ずつ×3セットが理想的です。10秒キープするときに呼吸を止めないようにすることを心がけましょう。

時間があれば、左右だけでなく前後の動きも取り入れてみてください。
2の姿勢から前屈してタオルをすねに当てる、2の姿勢から上体をゆっくり反らすという前後の動きを取り入れることで、脚の裏側や胸の筋肉が伸び、より高い効果が見込めます。

ほかにも、タオルはさまざまなストレッチに活用できます。両端を持って腕を前に突き出し、そのまま上体を左右にひねれば、脇腹・背中・腕の筋肉が伸ばせます。

タオルをうまく使ったストレッチで血流やリンパの流れを促進させ、疲れをやわらげましょう。

職員一人ひとりの安全を守り、事故ゼロを目指しましょう

現場での業務は、予期せぬ事故が起こりやすいものです。リーダーは、職員の安全を守るための環境を整えるだけでなく、率先して体づくりの重要性を理解することも大切です。今回ご紹介したストレッチを活用して、健やかで柔軟な体を目指しましょう。

講演では、私自身の経験も交えながら、効果的なリラックス法や集中力を高める方法、事故が起きてしまったときの具体的な対処法などもお伝えしています。興味をお持ちの方は、ぜひシステムブレーンまでお問い合わせください。

櫻井優司 さくらいゆうじ

ナビスポーツアカデミー 代表取締役  リンパアクティべーション協会 顧問

スポーツ関係者・指導者

F−1の職業レーサーからパラリンピックチェアスキーの金メダリストまで、スポーツ選手のトレーニングとメンタルアドバイスにおいて豊富な実績を持つ。2002年「ナビスポーツアカデミー」を設立。2010年「リンパアクティべーション協会」の顧問に就任。

プランタイトル

~事故ゼロの現場リーダー~
現場で事故をおこさないために

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