私はシステムブレーンに入って28年たちますが、リピーターの主催者も着実に増えており、この仕事にやりがいを感じるようになりました。
常に主催者様、受講生の方々がご満足いただけるように全身全霊で業務に取り組んでいますが、常に100点をいただく案件ばかりではありません。
さまざまなトラブルがあり、自己反省することも多々あります。
本案件は、長いおつきあいのあるお客様であり、これまでに数回担当させていただきましたが、その中には自分が納得できなかったものもあり、次回こそは120%の成果を上げようと細心の注意を払って臨んだ案件です。
「失敗は成功の基」と感じられた本案件をレポートします。
JA・保険業 担当 石川有信
講師 : 木村博史 氏
主催者 : M保険会社 様
開催日時 : 2022年3月上旬
講演時間 : 90分
聴講者人数: 25名
講演タイプ: ライブ配信+オンデマンド配信
2回目のオンライン講演で起きたまさかの通信トラブル
本案件の主催者様とのおつきあいは、ちょうど3年前に遡ります。コロナ禍になって初めての年(2020年)で、オンラインでの講演依頼をいただきました。本案件は、若い二代目経営者を対象とした経営セミナーで年に2回ほど開催されています。
最初のオンライン講演は全て手探りの中運営を行い、何とか無事に終えることができました。
それからしばらくして、またオンライン講演のご依頼を受けました。今回の場合、私は大阪本社より運営サポートに入り、講師はご自身の事務所からライブ配信を行う形式です。
本番が始まり、司会者の方が画面越しに講師をご紹介すると、講師の画面に切り替わり、講演が開始しました。講師の事務所とオンラインで繋いでリハーサルをしたときは何の問題もなかったのですが、いざ、Zoomで画面共有しようとすると通信が中断し、講師が入室しなおすといったトラブルが起きました。
おそらく、画面共有した際に、講師事務所のWi-fiに負荷がかかり、接続が中断されたのだと思います。
弊社のスタジオでは十分な通信速度が担保されているため、途中で落ちたり、映像や音声が途切れたりすることはありません。しかし、講師が遠隔で参加する場合はそこでのインターネット速度が担保できなかったこともあり、画面共有で講師の画面が落ちた時は本当に焦りました。遠隔地からの運営であるため、こちらから支援することは難しいです。
結局、画面共有をするたびに3回ほど画面が落ちる状況が続きましたが、講演内容は素晴らしかったので、大きなクレームになることはありませんでした。
とはいえ、「次は絶対にこのようなトラブルを起こさせない」と考えましたので、まずは通信トラブルの原因を考え、講師が遠隔地より参加する場合はWi-fiの通信状況と配線状況を事前に確認するようにしました。
オンライン講演で感じる時間配分の難しさ
ほどなくして、同じ主催者様から3回目のご依頼を受けました。今回、講師に来社いただき、弊社のスタジオからのライブ配信でしたので、通信トラブルは起きないだろうと安心していました。
当日となり、配信は順調に進んでいきましたが、質疑応答のところで予定よりも時間が長引いてしまいました。講師が熱量を持って話す方で、一つの質問に対して返答に10分程度かかったときもあり、想定の終了時間をオーバーしてしまいました。
受講者は忙しい二代目経営者の方々。「大切な時間を奪ってしまった」と大変身につまされる思いをしました。
講師と時間配分のところでしっかりと煮詰めていなかったことに原因があると思われます。
それから打合せする際は、講師の方々とスケジュール表を見ながら時間を確認しあい、時間厳守で終わっていただくようにお願いしています。
最大の注意を払って臨んだ4回目の講演
前回で終了時間オーバーをしたにもかかわらず、4回目のご依頼が来ました。大変申し訳ないと思うと同時に、「今度こそ全て完璧にこなすぞ」と強い決意で準備を行いました。中でも、講師選びにも最大限の注意を払いました。
本案件に関しては毎回受講後アンケートを行っていますが、「次回の講演テーマはどんなものがよいか?」という質問に対して、「コロナ禍で自社の業績が落ち込んだこともあり、SNSを活用したPR方法を知りたい」というような回答がいくつかありました。
そこで、SNS活用術をテーマに実績のある講師を数名選出しました。中でも企業の動画活用に長けているクリエイティブディレクターの木村博史さんをイチオシでご紹介しました。木村さんは、企業内での動画活用スキーム構築、Web会議活用からYouTubeをはじめとするSNSでの動画活用まで幅広く対応されています。
普段より、主催者様のスケジュールに合わせて「即対応」を心がけているので、主催者様の企画会議が開催されるまでに間に合うように講師リストを作成し、すぐにお送りしました。講師リストには、主催者様の判断材料となるよう、プロフィールと経歴、実績が詳しく表記しています。
お送りしてからしばらくして「木村さんに依頼したい」というお返事をいただきました。いくつかご希望いただいた講演開催予定日と木村さんとスケジュールを調整し、開催日1月ほど前に、オンラインで、主催者様、木村さん、弊社の三者打合せを行いました。
主催者様の的を得た木村さんの高いヒアリング・プレゼンスキル
打合せの時間は1時間以内と決められているため、その時間内により効果的に主催者様の要望をすくいあげて、すり合わせしなければなりません。木村さんには事前にその旨を申し上げて、本番で使う動画やパワーポイント資料をご用意いただきました。
木村さんの方で、開催目的と受講者層を想定しながら、どんな内容がよいのか、予め考えた上で、当日の講演内容についてご提案いただきました。
本講演は30~50代の経営者を対象としていますが、普段からYouTubeなどのSNSの動画を視聴することはあっても動画制作の経験がある方はそう多くありません。そのため、木村さんから、講演で動画制作ビギナー向けに動画作りの基本について話をしてみてはどうかとご提案いただきました。
木村さんが実際に講演するかのように、動画制作のやり方をパワーポイント資料を見せながら説明されたため、本番をイメージしやすかったのだと思います。主催者様も「これがほしかったんです」ととても満足され、講演内容についてもスムーズにすり合わせすることができました。私が提供した情報から主催者様の意図をくみ取り、しっかりとヒアリングし、プレゼンできる木村さんの高いスキルに大変感銘を受けました。
大変実の多かった10点満点の講演内容
何気なく使っているSNSですが、消費者の心に届く(刺さる)内容にするには、「まずコンテンツを作りこんでいくことが重要」という話から講演がスタートしました。
講師の木村さんは、コロナ禍で消費者行動が変容し、SNSが情報を集めるツールとなり、SNS活用の必要性を述べた上で、消費者から共感を持ってもらいやすい撮り方やコンテンツの企画方法、消費者に伝わりやすい文章術など事例を挙げて解説してくださいました。
SNSの文章術では、自社商品の画像とともに、五感を組み込んだ内容でキャッチコピーを作成した方が伝わりやすいとのことでした。
例えば、タオル製造の会社で、自社製品の柔らかさをPRしたいのであれば、タオルの柔らかさがわかる画像と共に「柔らかい優しい出ざわり」というコピーをつけてみたり、新鮮な自社栽培トマトをPRするものであれば、ビジュアル的にみずみずしくて赤く見えるトマトの画像の横に「赤いトマトを丸かじり」というようなコピーをつけたりします。
「赤い」「柔らかい」など視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を刺激する言葉を入れることで、より消費者に情報を伝えやすいということでした。
このように具体的な例を出しながら解説していただいたため、大変イメージしやすく、かつわかりやすかったと思います。
講演後の受講者アンケートでは満点をいただき、以下のような感想をいただきました。
・デジタル媒体を効率的に活用するための実践的な考え方、テクニックを学ぶことができて大変ためになりました。
・YouTube活用について全く方向性が見えていなかったが、本講演では紹介された成功事例のおかげで、これからの方向性が見えてきました。
・現状SNSに力を入れて取り組んでいるため、撮影の細かな考え方や手法などを聞けて良かったです。今まさにトレンドの論点でした。
・弊社にとってSNSは強化すべき点だったので、何が良いか言語化してくださり、有益な時間となりました。販売店のこれからのファンづくりに役立つ知識が得られました。
ようやく自分でも満足できた本案件
講演後、15分間の質疑応答を設けていましたが、大変活発に情報交換が行われました。受講者の方々も大変前のめりになって受講していたことが伝わってきて、本当に「成功」を実感できました。
また、主催者様から開催後アンケートをいただきましたが、講師についてはもちろん10点満点、弊社サービスについても10点満点をいただきました。これでようやく自分の中でも満点をつけることができました。
一度ならず二度のトラブルに遭遇しながらも、弊社を信用して再度ご依頼いただいた主催者様に大変感謝するとともに、「改善」することの大切さも痛感しました。今までの業務を見直し、さらに良いサービスに昇華させていく。今や英語にもなっている「改善」ですが、日本ならではのものであり、サービスの質向上に大切な考え方だと思います。
今後とも「改善」を心がけ、主催者様に最高のサービスを提供していきたいと思います。
【この記事を書いたスタッフ】
石川 有信 いしかわ くにのぶ
仕大阪府池田市で生まれ、三重県四日市市で育ち、現在は奈良県生駒市に在住。仕事は楽しみつつも、真剣に。主催者の方、講師の方と一緒に良い講演、イベントを作り上げていきたいと常に考えています。常に明るく、楽しくをモットーに仕事をしております。良くも悪くも、「石川からの電話だ」と思っていたければ、ありがたいです。
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