関東大震災の悲劇。日本人が起こした過去の過ちをえぐり取る

関東大震災が起きてから100年の今日、映画監督で弊社の講師でもある森 達也さん制作の映画『福田村事件』が全国で公開されました。
「関東大震災」のことは知っていても、福田村事件について知る人は少ないのでしょうか?
福田村事件は、千葉県福田村で香川からきていた行商人が朝鮮人に間違えられ、9人が殺害された事件です。
1923年9月1日11時58分に発生した関東大震災は、火災による被害が広がり、行方不明も含めて10万人以上の尊い命が犠牲になりました。震災直後に、「朝鮮人が井戸に毒を入れた、火をつけた」というデマが流れ、警察や軍によって多くの朝鮮人が殺害されました。信ぴょう性のないデマを信じ、数千人ともいわれる人命が奪われた事件。その渦中に、福田村事件は起きます。
普段は善良な村人が、幼子や妊婦も含めて9人もの命をなぜ奪ったのか。
村という閉鎖的な社会で起こる集団心理の暴走。
映画では、歴史に埋もれた史実を掘り起こし、あのような凄惨な事件がどのように起こっていったのかを、さまざまな登場人物の心理を細やかに辿りながら、事件の闇を紐解いていきます。集団心理の怖さや人間に弱さだけでなく、これからを生きる未来への希望も描かれています。

現在、テアトル新宿、ユーロスペースなどで好評上演中です。ご興味を持たれた方、公式サイトの劇場情報をチェックしてください。

また、上映に伴い、先日(8月30日)にNHK総合『クローズアップ現代』では本作を取り上げ、制作までの経緯・作品に込めた思いを桑子キャスターが取材しています。9月6日(水)の午後7:57までNHKプラスで見逃し配信されています。こちらも併せてご覧ください。

NHK総合 『クローズアップ現代』
集団の“狂気”なぜ ~関東大震災100年“虐殺”の教訓~

森 達也

映画監督 作家 明治大学特任教授

音楽・芸術関係者

1980年代前半からテレビ・ディレクターとして、主に報道とドキュメンタリーのジャンルで活動。ドキュメンタリー作品を数多く制作。1998年 オウム真理教の荒木浩を主人公とするドキュメンタリ ー映画「A」を公開、ベルリン・プサン・香港・バンクーバーなど各国映画祭に出品し、海外でも高い評価を受ける。

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