これまで大勢で一会場に集まり行うことが普通だった安全大会。
しかし、コロナ禍の現在では3密を防ぐことが求められ、一堂に会することが難しくなっています。
その代替プランとして、オンラインでの開催が取り入れられつつあります。
そこで、今回は初めてオンラインで安全大会を開催する主催者様に向けて、オンラインでのプログラムの立て方と成功させるためのコツをご紹介します。

リアル開催での安全大会プログラム

オンラインでの安全大会のプログラムを考える前に、リアル開催でのプログラムを振り返ってみましょう。基本のプログラムは以下の通りです

  1. 開会の挨拶(開会宣言)→来賓の挨拶、代表者による開会宣言など
  2. 表彰式→安全対策に積極的に取り組んだ優良業者や個人を表彰
  3. 講演・セミナー→安全に関する講演・セミナー、ワークなど
  4. 安全宣言→代表者が安全宣言を発表後、全員で復唱
  5. 閉会の挨拶→代表者による閉会挨拶

また、これに救命救急などの安全講習セミナーや安全対策の活動報告が入る場合もあります。

オンラインでも同じプログラムで開催できる

前記のプログラムは、オンラインでも実施することができます。
参加者全員がPCかタブレット、スマートフォンなどを使ってオンライン上でつながります。ただリアルで対面していないというだけで、オンラインでもやることは同じです。
主催者が準備するものは、カメラ付きのPCとZoomなどの配信ツールとネット環境のみ。リアル開催のように会場を用意する必要もないため、労力も費用も大幅カットできます

安全大会のメインとなる講演・セミナーでは、弊社でもすでにオンラインでの方法が積極的に採用されています。
弊社では参加者全員がオンラインであるという方法に加え、オンラインとリアル開催を併用した方法も提案しています。弊社が提案するオンラインの方法は以下の4タイプです。

A. 会場からの生配信タイプ(リアル+オンライン併用型)

リアル開催と同じように、主催者は会場を用意しますが、3密を回避するため、通常の半分以下に参加人数を減らして開催します。講師も同じ会場に入り、小人数参加者に向けて講演を行います。同時に、会場に来れなかった参加者に向けて、その講演風景をインターネットで生(ライブ)配信します。

メリットとして、主催者は最少の作業と追加費用で催事を開催でき、オンラインであれば人数に制限なく大人数の聴講者を募ることも可能になります。講師にとっても参加者の反応が受け取りやすいという利点があります。

B. 講師から会場参加者へ生配信タイプ(リアル+オンライン併用型)

3密回避の目的で参加者を一つまたは複数の会場に分け、講師は事務所やスタジオなどから中継を行います。講師が遠方にいる場合でも旅費などのコストをかけずに依頼することができ、参加者が同じ場所に集うため臨場感が共有しやすいといったメリットがあります。

安全大会では日ごろ協力いただいている企業も招きます。そのため複数の会場から参加できるこのタイプは、会社ごとに自社の会議室から参加できるため、安全大会の講演で多く採用されている方法です。

C. 講師から個別参加者へ生配信タイプ(完全オンライン型)

講師も主催者も参加者も個別にオンラインでつなぎ、生(ライブ)配信するタイプです。各自でPCやスマートフォンなどを利用して参加することができるため、完全に接触を避けて開催できます。主催者にとっては、会場を押さえる必要がないため、コストカットにもつながり、参加者にとっても場所に制限されることなくどこからでも参加できるというメリットがあります。

D. 録画配信タイプ(オンデマンド型)

主催者が事前に会議室などで安全大会の内容を撮影したり、A~Cの生配信を録画したりしたものを配信するタイプ。
参加者はいつでもどこからでも視聴することができ、Cタイプ同様に会場費や講師の旅費を抑えることができます

なお、いずれのタイプでも講演以外に開会式や閉会式も一通りオンラインで行えます。ただし、表彰式の場合は、発表のみをその場で行い、表彰状は事前・後に郵送する形でオンラインでも行うことができます。

オンライン開催を成功させるコツ

オンライン開催を成功に導くためのコツをいくつかご紹介します。
リアル開催時にも気をつけなければいけないこともあれば、オンライン特有のコツもあるので、ぜひ参考にしてください。

1. 目的を明確に、標語(スローガン)を決める

安全大会の目的は、参加者全員が安全に対する意識を高め、現場全体で労働災害を防止することにあります。その上で標語は、安全を再確認し、一致団結して安全対策を取り組む上で重要な要素となります。

標語を作成する際は、昨年度に起こった事故の事例を考えながら、今年度はどういった点に注目して安全対策を行っていくか明確にしておく必要があります。

例えば、建設現場で落下事故が多発した場合、落下防止に着眼した標語にします。

また、参加者に覚えてもらいやすいように、5・7・5や頭韻・脚韻など一定のリズムがあり、短くまとまった内容にすることを意識します。
例えば、前記のように落下防止を目標にするのであれば、「忘れるな!転ばぬ先の命綱」などリズム感があり覚えやすい言葉を使うようにするのも効果的です。

2. 参加者が関心を持つテーマを決め、講師を選択する

安全大会の重要なプログラムの一つが講演・セミナーです。
講演・セミナーの講師を依頼する前に、どのようなテーマのセミナーを行うのかを決め、それに合った講師を選ぶ必要があります。

テーマを決める際は、ヒューマンエラーの防止や声掛けなどのコミュニケーション、リスクアセスメントなど安全対策の中でも一番強化したい部分を考えます。現在起きている問題に焦点を当て、他の参加者にどんなテーマの講演を聴いてみたいか意見を募ってみてもよいでしょう。その際は、過去のテーマと重複しないように注意してください。

また、安全大会の講演では「つまらなくて、内容も覚えてない」「面白くなくて、ついつい眠ってしまった」という声も聞かれます。そのため、講師の選択も重要です。

講師には、実際に現場で安全対策やリスクマネジメントをしていた講師や、自信の経験をもとに面白おかしく安全対策についての話をする元芸人や落語家の講師、男性ばかりの現場で華やかさをプラスして安全管理に必要なコミュニケーション術をレクチャーしてくれる女性講師、参加者を巻き込んでワーク型の講演を行う講師など、多数います。

弊社のサイトでは、どんな講師なのかはプロフィールを見るとわかるようになっており、ジャンルや肩書によって検索することも可能です。また各プロフィールに過去のプランを掲載しています。そちらを見ながら選択しみてもよいでしょう。過去のプラン以外にも、主催者様のリクエストで臨機応変にアレンジできます

講師選びに迷ったら、ぜひ弊社の専門スタッフにお問合せください。どんな問題を抱え、どんな講師を求めているのか、また予算などに照らし合わせて、適切な講師をご紹介いたします。

3.講師や参加者の参加場所や条件に応じてオンラインの方式を決める

安全大会の講演・セミナーをオンラインで開催する際は、とんな方法(弊社A~Dタイプ)で行うのかも重要です。講師や参加者がどこにいるのか、同じ時間に参加が可能か、個人または会社ごとに参加するかなど、各参加者の参加場所や条件を考えて選択します

いくつかのパターンとおすすめのタイプを以下に書き出しておきます。

  • 遠方からの参加者がいる場合➡A~Dタイプ
  • 遠方の講師を呼んでいる場合➡B~Dタイプ
  • 当日参加できない人がいる、参加者の時間調整が難しい場合Dタイプ
  • 会社単位で参加する場合➡A~Bタイプ

どの方法が適しているのかを見極めたうえで、オンラインの方式を考えるようにしましょう。迷った場合は弊社スタッフまでお気軽にご相談ください。

4. 事前の下準備をしっかりと行う

オンラインで開催する前に、以下の3つの下準備が必要です。

①オンラインの中継ツールを決める

中継(配信)ツールにはweb会議向けのもの、ウェビナー(オンラインセミナー)向けのものなど実にさまざまです。中継ツールは、基本的に会社で普段使用されているオンライン会議ツールを推奨しています。よく弊社で用いられているツールはZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどです。

詳しくは「【2020年最新版】オンライン講演で使えるおすすめツールの比較ランキング
100人以下のオンライン講演・社内研修には使い慣れたweb会議ツールを活用

特に普段使っているツールがないという主催者様には、Zoomミーティングをおすすめしています。多彩な機能があるのに、操作は簡単で、PCであればアプリのインストールなしでブラウザのみで参加できます。

ライブ録画だけではなく、録画配信も可能です。
主催者はホストとなり、開催の設定や招待メールの送信、参加者管理などを行います。

詳しくは「初めてのオンライン講演~Zoomミーティングでの開催方法とホストができること
初めてのオンライン講演~Zoomミーティングで聴講者がPCまたはスマホから参加する方法

Zoomミーティングは無料で使用できますが、大人数の開催の場合は1回40分の時間制限がかかるため、主催者(ホスト)は有料プランに入る必要があります(※ただし、参加者のプラン加入は不要)。1回限りだけの開催で有料プランにわざわざ加入したくないという場合は、弊社のZoom権をお貸ししています。

➁機材のセッティングを行う

弊社のCタイプのように講師や参加者が全員個別で参加する場合、主催者側はカメラ付きPCとインターネットのみで他に必要な機材はありません。

A・Bタイプのようにリアル+オンライン併用型で会場が必要な場合、PCとネットに合わせて、講師や資料を投影するスクリーン(テレビ)、カメラ、マイク、スピーカーなどが必要となってきます。

詳しくは「リアル+オンライン型の講演を行う場合の会場のセッティング方法&必要な機材

③リハーサルを行う

リハーサルでは、当日に使用する機材などを実際にセッティングしたうえで行います。
安全大会開始後に音声トラブルやネットトラブルが起こらないようにするためには必須です。

弊社では、基本的に開催日の1週間前に講師、主催者さま、SBスタッフをオンラインで結んでリハーサルを行います。リハーサルでは、講師と顔合わせしてから、当日の流れを打ち合わせし、正しく中継されているか、ツールを操作できているかなどを確認します。一度リハーサルしておけば、当日スムーズに開催できます。

このように、通常のリアル開催と同じように実施できるオンライン安全大会。
3密を避けて開催することができる新しい安全大会の形として、検討してみてはいかがでしょうか。

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