日本を代表する小説家でありながら、2022年より母校日本大学の理事長も務めていらっしゃる林真理子さん。先日、S町で開催された「読書講演会」で登壇することが決まり、私たちチームも同行してきました。
投影資料はなし、お話のみのスタイルですが、林さんの人の心を引きつけてやまない話術によって、講演後は大きな反響をいただきました。
小説家になった経緯やベストセラー著書の裏話、日大の理事長になってからの生活など、笑いあり人情ありの林さんのお話を少しだけご紹介いたします。

官公庁・医療団体・学校チーム

講演テーマ: 小説を書く時間
講師   : 林 真理子 氏
開催時期 : 2022年10月中旬
講演時間 : 90分
聴講者人数: 約400人
講演タイプ: リアル開催

本講演の開催の目的

本案件は、様々な観点から教養と知識を高めるべく市民に啓発する目的で、毎年開催されている講演会であり、今回は、林 真理子さんをご指名されました。

林さんといえば、1985年『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞受賞、1995年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、1998年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞などを受賞され、2000年から直木賞選考委員など、数々の文学賞の選考委員を務めていらっしゃいます。また、2022年には母校日本大学の理事長にも就任され、幅広い活動をされています。
日本を代表される作家ということもあり、すぐに講演の募集枠は満杯となったそうです。

講演前の林さんのご様子

講師の林さんをアテンドすることになり、早めに会場に向かいました。会場についてからアテンド係である私たちがすることといえば、講師の導線の確認です。入場口から控室、会場までの経路に加え、照明の明るさや向きなどを確認しました。その後、林さんをお迎えに主催者様と駅に向かいました。林さんは長距離移動にもかかわらず、こちらがご挨拶をすると気さくにご対応していただきました。

電車の到着時間の都合により、林さんが会場に到着される際には、すでに開場していました。通常はステージをチェックされる講師の方が多いのですが、今回は聴講者がいたため、舞台の袖から会場をチェックされました。それから、林さんに簡単にスケジュールをお伝えし、控室に戻りました。

講演前は控室で集中力を高めたいという講師の方もいらっしゃるため、開始前までの間、私は控室の外でお待ちしていました。
今回、感染対策で事前に申込みされた方のみが入場できましたが、開始時刻前からすでに会場には多くの人が入場されていました。聴講者の8割近くは女性で、その中には林さんの熱烈なファンもいらっしゃり、花束を持った方も見受けられました。

大拍手で始まった講演

司会の方が林さんの経歴を紹介し、林さんが登壇されると、会場から大きなの拍手が起こりました。林さんのお話が始まると、林さんの一言一句を聞き逃さないと言わんばかりに会場は途端に静かになりました。

最初は、林さんが作家になるまでのお話をされました。
林さんが日本大学に通うきっかけは、お母さまの大きなバックアップがあったからからだそうです。林さんは山梨県出身ですが、当時、地元で女性が大学に行くのは珍しかったそうです。「今の私があるのは、母が無理して東京の大学に入れてくれたおかげ」と、先日お母さまのお墓参りに行った際に、林さんの功績が刻まれた名刺を、お墓にそっと置いてきたそうです。会場では、感動している方もいらっしゃいました。

林さんは、大学卒業後、コピーライターになるべく、当時人気のコピーライターであった糸井重里先生の門を叩きますが、糸井さんから「あなたはコピーは向いてない。短編をつなげたら1冊の本になるでしょ、書いてみなさい」と言われ、初めて短編を書いたそうです。それが『ルンルンを買っておうちに帰ろう』というエッセイ集で、それがベストセラーに。そこからどんどんと書けるようなったそうです。

売れっ子作家になっていくうちに、ふと、これは長続きしないだろうと思い、田舎に帰ろうと思ったこともあったのだとか。編集者に「それなら小説を書いてみては?」と言われ、初めて書いた小説が直木賞候補になったそうです。

人はターニングポイントでだれかしらの導きがあることをおっしゃっていましたが、これまでの私の人生を振り返ってみると、確かに、進路を転換するときには、だれかしら何かしらの導きはあったと思います。

林さんのお話には、ただ楽しいだけではなく、何らかの教訓も含まれており、大変勉強にもなる時間となりました。

日大の理事長になってからのこと

講演では、さらに、直木賞に受賞したときのことや、これまでのベストセラーとなった著書の裏話、日本の文芸の流れなどさまざまな話をしていただきました。どのエピソードも、このレポートでご紹介したいほど、大変興味深いものばかりでした。しかし、スペースも限りがあるため、今回は、最後に日大の理事長になってからの近況についてのお話をご紹介いたします。

これまでの日大の風土を刷新するため、林さんは女性として初めて理事長に選ばれ、日々教育改革のため尽力されているそうです。今は毎日大学に通っているため、エッセイしか書ける時間が持てないほど、多忙な日々を過ごされているようです。

理事長経験のない林さんに白羽が当たり、それに対して林さんは「怖いもの知らずの私がやるしかないと思っている」と話されていました。林さんは、オリックスの宮内義彦さんに日大の顧問を頼んでいますが、その宮内さんからも励ましのお言葉をいただいたそうです。

林さんのこれまでの人脈を活かし、色んな人に助けられながら、毎日を頑張っているとのことでした。

普段は忘れがちになりますが、いつも支えられている存在に気づかされたエピソードでした。

話し手として人としての林さんの魅力

林さんの講演では、しんみりとした話もあれば、今となったら笑える苦労話もあり、会場からときに笑い声や感心する声などが聞こえてきて、林さんは聴講者の心を掴むのが本当にお上手だなと思いました。

また、遠方からお越しいただいにも関わらず、講演後は、主催者様との記念撮影や聴講者からのサインにも気さくに応じていただきました。講演後、聴講者の方から花束やお菓子の差し入れがあったり、帰りにも出待ちするファンの方がいらっしゃったりと、林さんの絶大な人気を感じさせられる出来事もありました。

林さんは、知名度、お人柄、話術ともに素晴らしく、官公庁チームのイチオシ講師です。ご興味をお持ちの方はお気軽に弊社までお問合せください!!

林 真理子 はやしまりこ

作家


作家

日本大学芸術学部卒業。コピーライターを経て作家に。幅広い年齢層から支持を受ける。著書『最終便に間に合えば』『京都まで』で第94回直木賞を受賞。2011年 フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受賞。2018年 紫綬褒章受章。2020年 第68回菊池寛賞受賞。2022年日本大学理事長に就任。

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