Zoomを利用したウェビナーでは、動画の画面共有のトラブルが発生しやすいため、あらかじめコツを把握しておく必要があります。
参加者にストレスなく、円滑なオンラインイベントと感じてもらえるよう、動画共有の基本設定から、上級テクニックまでまとめました。

Zoomのホワイトボードとは?

zoomのホワイトボードとは、専用のデジタル上に設置されたホワイトボード(作業スペース)に書き込みや描画、スケッチ、図形やリアはじめに、Zoomの画面共有機能の基本についてお話しします。
Zoomは、さまざまな場面での活用を想定し、ミーティング中に便利な画面共有設定が準備されています。

【画面共有の活用方法①:ホストの画面を共有】

ビデオをオンにした状態のまま、画面共有ができます。

  • 社内のオンラインミーティングで資料を見ながら話したいとき
  • クライアントとのオンラインミーティングで、プレゼンテーションしたいとき

などに活用できます。

【画面共有の活用方法②:参加者の画面を共有】

複数の参加者に同時に画面を共有してもらうことができます。

  • 参加者が各自の資料をプレゼンテーションしたいとき
  • リアルタイムで参加者のプレゼンテーションを比較したいとき

などに活用できます。

【画面共有の活用方法③:動画の共有】

Zoom機能を通して、動画を共有できます。

  • 動画でプレゼンテーションしたいとき
  • 参加者と一緒に動画を楽しむオンラインイベントを実施したいとき

などに活用できます。

Zoomで動画を共有する方法

Zoomで動画を共有する際は、静止画を共有する際の機能ではなく、Zoomのビデオ再生機能を利用することで、より鮮明な動画視聴が可能です。
共有時に不具合が発生する場合もあるため、設定手順の前に、Zoomのバージョンやファイル形式などの各種条件を確認することをおすすめします。
共有設定の手順と、注意すべきポイントは、以下の通りです。

【各種条件】
Zoomデスクトップクライアント:Windows: 5.4.3以降/macOS:5.4.3以降
プロセッサ:4コア以上
ネットワーク帯域幅:1.5Mbps以上のアップリンクとダウンリンクが必要
対応ファイル:MOVまたはMP4ビデオファイル

Zoomにおける動画の共有手順①

動画を共有する方法は2つあります。
まずは、基本のやり方をお教えします。

1.Zoomデスクトップクライアント(PC版アプリ)でサインイン
2.Zoom Meetingを開始、または参加
3.ミーティングコントロールにある[画面共有]①をクリック

4.[詳細]タブ➁に切り替えて、[ビデオ]③を選択。
このとき、動画の音声も共有する場合には、[サウンドの共有]④にチェックが入っているか確認。入っていない場合にはチェックする。

5.共有する動画データを選択④し、[開く]⑤をクリックした後、[共有]⑥をクリックする。

6.再生コントロールパネルで動画データを再生。動画の共有を終了する場合は、[共有の停止]ボタンをクリックする。

Zoomにおける動画の共有手順➁

共有手順①では動画を後から開く方法ですが、この手順➁は動画を先に開いておく方法となります。

1.事前に動画を開き、デスクトップ上に表示させておく。
2.Zoom Meetingを開始又は参加し、ミーティングコントロールにある[画面共有]①をクリック

3.共有ウインドウが開き、デフォルトで「ベーシック」タグにはすでに動画が表示されている。この動画を選択する➁。
4.音声も共有したい場合は、[サウンドの共有]③にチェックをして、[共有]ボタン④をクリック。

動画の画面共有時に注意すべきポイント

・ZoomのPC版アプリケーション【Zoom デスクトップクライアント】をダウンロードしておくこと
・各種前提条件が整っていることを確認すること
・手順④で、Zoomアプリの[ビデオ]機能に切り替えること
・[ビデオクリップの最適化]が有効になっているのを確認すること
※[ビデオクリップの最適化]が無効になっていると、動画データの容量が制限されず、スムーズな映像視聴の妨げになる可能性があります。

動画共有でよくある2大トラブルの対処法

ウェビナーで動画共有すると、音声や動画のトラブルで、ミーティングが中断してしまうことがあります。
限られた時間で有意義なウェビナーにするためにも、対処法を心得ておきましょう。

①映像のみが流れて音声が聞こえない

参加者に映像しか共有できないときは、音声共有設定がオフになっていることが原因と考えられます。
ミーティング中はPCがマイクから拾う音声の共有が優先されていて、動画データの音声共有はオフとなっていることがあります。
動画データの音声の共有をオンにするためには、手動で切り替えが必要な場合があります。

【設定手順】

  1. Zoom画面下部の[画面の共有]をクリック
  2. 共有ウインドウ画面左下の[コンピュータの音声を共有]にチェック
  3. 共有ウインドウ画面右下の[画面の共有]をクリック

共有元の音声が参加者に届きます。

➁参加者の画面に表示される動画がカクカクしたり、遅延したりする

共有する動画がカクカクして見えたり、遅れたりする場合、複数の原因が考えられます。
動画データは容量が大きいため、参加者側も端末の通信が安定していることやPCスペックが整っていることが理想です。

■考えられる原因①:Zoomのバージョンが古い

Zoomアプリやブラウザのバージョンが最新でない場合、カクつきの原因になっている可能性があります。
主催者はもちろんのこと、全参加者のアプリ・ブラウザのバージョンをミーティング前にアップデートしておくことが重要です。
余裕を持って準備ができるよう、前日までに参加者へアップデートを促しておくことをおすすめします。

【対処方法例】
・主催者と参加者の全てのZoomアプリを最新版にアップデートする
・ブラウザ版Zoomの場合は、ブラウザを最新版にアップデートする

■考えられる原因②:端末のスペック不足

PCなどの端末でスペックが不足していると、動作容量が重くなり、カクつきの原因になります。
特に、バーチャル背景のような、容量が重い機能を使っていたり、複数のブラウザを開いていたりするとスムーズな動画視聴の妨げとなってしまいます。
CPUの負担を軽減させる対応策で、一時的な改善が可能な場合もありますが、端末自体が古いなど、現代の動画視聴環境にそぐわない機材であれば買い替えも検討すべきでしょう。

【対処方法例】
・不要なブラウザを閉じる
・バーチャル背景をオフにする

■考えられる原因③:通信環境が悪い

インターネットの受信環境の影響もカクつきの原因として考えられます。

【対処方法例】
・Wi-Fiルーターの向きや位置を調整する
・Wi-Fi受信できる場所に移動する
・スマホなどでの通信制限されている場合は解除する/制限解除を待つ

■考えられる原因④:ウイルス対策ソフトの過干渉

ウイルス対策ソフトがZoomに対して誤反応をおこし、アクセスをブロックしてしまう場合があります。

【対処方法例】
・Zoom利用時のみウイルス対策ソフトの設定を低くする
・Zoomをウイルス対応ソフトの例外指定に設定する
※ご自身が使用しているウイルス対策ソフトのマニュアルをご確認のうえ、安全に設定してください。

上級者向け:動画共有をスムーズに行うためのテク

続いて、動画共有をトラブルなくスムーズに行うための、テクニックを2つご紹介します。
コンスタントにウェビナーで発信を行う方向けの上級者テクニックです。

高画質の動画を「グループHD」を利用する

高画質動画を共有するなら、Zoomの「グループHD」機能が便利です。通常のZoomのデフォルトの画質は360pですが、「グループHD」にすることで、標準HD(720p)又はフルHD(1080p)の高画質を選択できます。
「グループHD」は、有料プランのみが使用可能で、プランによって使用可能な画質に制限があります。また、利用可能なシステム要件、インターネットの帯域幅にも以下のように違いがあります。

標準HD(720p) フルHD(1080p)
使用可能なプラン
  • プロ
  • ビジネス
  • 教育機関向け
  • エンタープライズ

※どのアカウントも、プロアカウント向けに Zoom サポートで 720p の設定の有効が必要。

  • ビジネス
  • 教育機関向け
  • エンタープライズ
システム要件 ・特別な要件はないが、Zoom デスクトップ クライアントの全画面表示が前提。

・【Zoom モバイルアプリ】については、以下のバージョン以降。
Android: バージョン 5.8.6 
iOS: バージョン 5.8.6 
・i7 Quad Core(物理的コア)CPU以上

【Zoom デスクトップ クライアント】については以下のバージョン以降。
Windows: バージョン 4.3.46185.0120 
macOS: バージョン 4.3.53325.0120 

帯域幅要件 【1 対 1 のビデオ通話】
1.2Mbps (上り / 下り)


【グループ ビデオコール】
2.6Mbps / 1.8Mbps(上り / 下り)
【1 対 1 のビデオ通話】
ビデオの受信⇒3.0 Mbps 以上

ビデオを送信⇒3.8 Mbps 以上
【グループビデオ通話】

ビデオの受信⇒3.0 Mbps 以上
ビデオを送信⇒3.8 Mbps 以上

設定手順

設定手順は、ユーザー個人、グループごと、アカウント全体の3つの方法があります。
それぞれ解説します。

【ユーザー個人】(クライアントアプリを使用)
  1. Zoomデスクトップクライアントでサインイン
  2. アカウントボタンから[設定]をクリック
  3. [ビデオ]をクリック
  4. マイビデオ欄にある[HDを有効にする]をチェック
【グループごと】
  1. Zoom ウェブポータルにサインイン>
  2. メニューで、[ユーザー管理]、[グループ管理] の順にクリック。
  3. 該当するグループ名を選択し、[ミーティング] タブをクリック。
  4. [ミーティングにて(詳細)] で [グループ HD ビデオ] 切り替えボタンをオンにする。
  5. 認証ダイアログが表示されたら、[有効にする] をクリック。
【アカウント全体】
  1. Zoom ウェブポータルにサインイン。
  2. メニューで、[アカウント管理]、[アカウント設定] の順にクリック。
  3. [ミーティング] タブをクリックし、[ミーティングにて(詳細)] で [グループ HD ビデオ] 切り替えボタンをオンにする。
  4. 認証ダイアログが表示されたら、[有効にする] をクリック。
【注意すべきポイント】
  • データ容量が大きくなるため、カクつきや遅延などが生じる可能性もある
  • 参加者の通信環境対策などを事前にアナウンスする
  • 動画共有しないときは、設定をオフにしておく

スイッチャーを使って動画に切り替える

テレビ番組のようにスムーズで臨場感のあるオンラインイベントにしたい方は、スイッチャーを導入してみませんか。
スイッチャーとは、複数の映像をワンタッチで切り替えられる機材であり、映像制作に関わるプロも使っています。
リアルタイムでの映像切り替えを簡単に行うことができ、ノイズを抑えたクリアな画面スイッチングが可能です。

例えば、

  • 主催者側が複数台のカメラを用意し、適宜映し出すカメラを切り替えたり、動画を見てもらったりする
  • オンラインイベントを記録に残して配信する

などの場面で便利です。

テレビ番組のプロが使うレベルのものは高価ですが、数万円から販売されているコンパクトな機種もあり、YouTuberなどライブ配信を行う方から人気が高まっています。

SBのオンライン講演サポートプランならさまざまなトラブルにも対応

オンライン講演中には、今回紹介したような動画のカクつきや中断、音声が出ないなどのさまざまなトラブルがつきものです。
そんなトラブルのご不安を解消するために、弊社では専門スタッフが企画から運営までサポートする「オンライン講演サポートプラン」をご用意しています。

サポートプランでは、どのようなサポートが必要か、事前にヒアリングを行い、決めていきます。配信ツールの使い方のレクチャーや事前リハーサルをしっかりと行うため、安定した配信を行うことができます。

また、大阪と東京の2か所に、最新機材を揃えたオンライン講演専用スタジオも完備。高品質かつリーズナブルに生配信や収録が可能です。
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