ビジネスパーソンにとって外見力は非常に重要です。「頼もしい」という印象を与えることで顧客から選ばれるケースもありますし、自分自身の外見に自信を持てれば積極的にアクションを起こすことにつながります。
外見力を向上させるためには、自分の体に合った服の着こなしが必須ですが、最近ではスタイリングを考えるうえで自身の「骨格タイプ」を意識する人も増えています。しかし、一般的に知られている3タイプの中に当てはまるものがなく、服選びに迷ってしまうケースもあるようです。
今回は、すべての人の体型を網羅した「4つの骨格タイプ診断」を提唱する武田みはる氏に、ビジネスパーソン向け着こなしポイントについてお聞きしました。
【監修・取材先】
武田みはる氏
カラービジネスコンサルタント
パーソナルカラースタイリスト
似合うスタイリングには骨格タイプの診断が欠かせない
そもそも、今なぜ骨格タイプが注目されているのでしょうか。それは、骨格はそれぞれの人の生まれながらの特質で、終生変わることがないものだからです。
体型について考えるとき、「太っている」「痩せている」ということにばかり意識を向けがちですが、肉は骨格の上につくものです。そして体重が何kg増えようと骨格は常に同じです。
まずは骨格タイプを知ることが、本当の意味で自分の体型を知ることにつながります。そして一度骨格診断を受ければ、それは外見力を上げるうえで一生モノの知識になるのです。
フェイスラインと骨格がポイント!診断で分けられる4タイプ
現在は、3つのタイプに分けられる骨格診断が広く普及しています。ファッションブランドのWebサイトなどでも、いくつかの質問に答えるだけで気軽に診断を受けられるので、一度は骨格診断をやってみたことがある人も多いでしょう。
一方で、この診断では「自分は2つのタイプに同じくらい当てはまる」という結果が出てしまうケースもあります。これでは服を選ぶときにどちらの骨格タイプなのかわからず、意味がありません。
そんな「骨格タイプ迷子」にならないようにするには、新しい4つのタイプに分類される骨格診断がおすすめです。4タイプの骨格診断は、従来の3タイプの2つ以上にあてはまる「複合型」のタイプも網羅していて、すべての人の骨格を明確に分類することができます。
新しい骨格の4タイプは以下のとおりです。
①フェミニン(女性)、ソフト(男性) | 全体に丸みのある骨格タイプ |
②キャリア(女性)、アクティブ(男性) | 上半身に厚みのある骨格タイプ |
③クール(女性、男性) | 円錐形又は逆三角形の骨格タイプ |
④マニッシュ(女性)、ワイルド(男性) | 全体にシャープでモデル系の骨格タイプ |
上記の4タイプの骨格診断の特徴は、フェイスラインも体の骨格とリンクしているという考え方です。フェイスラインに丸みのある人はフェミニン(ソフト)、シャープな人はクールというように、顔立ちからも骨格タイプが診断できます。ただし骨格診断に不慣れな人が、顔の見た目だけでセルフチェックを行うと、間違った診断をする可能性も高くなります。
正確な骨格診断を知りたい方は、武田氏の触診を受けてみるのもおすすめです。触診で鎖骨・手首・腰のくびれ部分の骨を触ることで、4タイプのいずれに当てはまるかを正しく診断することができます。参加者は一度研修を受けることで、その先ずっと使えるスタイリングのスキルが身に付きます。
骨格タイプ診断に基づいて、生地感とサイジングにも注目!
現在は多くの企業で、ノーネクタイや襟なしブラウスなどのオフィスカジュアルと呼ばれるスタイルが受け入れられています。従業員にとってオシャレの幅が広がる反面、「どんな服が自分に似合うのか」、その都度考えて購入しなくてはならないのが悩ましいのも事実です。そんなとき、骨格タイプに沿った明確な基準があれば、服選びの負担は軽くなります。
ここでは、4つそれぞれの骨格タイプの人が、実際に服を購入するときにどのようなポイントに気をつけて選べばよいか解説していきます。
①フェミニン(女性)、ソフト(男性)
フェミニン、ソフトタイプのフェイスラインは、丸みがあり、目鼻立ちのパーツが小さめで癒し系タイプです。
骨格の丸みを活かし、柔らかい雰囲気のファッションが似合うタイプです。シフォンなどのふんわりした素材の服や、柄の小さなデザインを着こなすことができます。
このタイプのスタイリングでポイントになるのは、ウエストマークの服でくびれをしっかり強調すること。女性であればウエストから広がるスカートや、イージーパンツなどが似合います。また男女ともに手首・足首が出た服を着ることで、スタイルアップが叶います。
②キャリア(女性)、アクティブ(男性)
キャリア、アクティブタイプのフェイスラインは、丸みと同時に肌に弾力があります。目鼻立ちは比較的大きめの華やかな印象です。
ビジネススーツを最も綺麗に着こなせる骨格タイプです。上質でハリのある生地で、ジャストサイズの服を選ぶようにしましょう。カチッとしたコーディネートでまとめることで、スッキリと洗練された印象を与えます。
このタイプの人は、全体的に縦長のIラインをつくることを意識するのが、コーディネートのポイントです。ふくらはぎなど中途半端な位置で丈を切ってしまうと太って見えやすいので、関節のところに服の丈がくるように注意しましょう。
③クール(女性、男性)
キャリア(アクティブ)に似た骨格タイプですが、上半身は華奢で下半身に厚みがあるのが特徴になります。そのためコーディネートは上半身にボリュームを持たせるのがポイントです。
フェイスラインは、丸みとシャープさのどちらも持ち合わせていますが、目鼻立ちは小さめで爽やかな印象です。
ネクタイやジレなどを取り入れて、上半身を少し盛るイメージでコーディネートするとよいでしょう。反対に、下半身の厚みは隠すように工夫するとスッキリとして見えます。女性であればタイトスカートなどは避け、Aラインのスカートがおすすめです。またテーパードパンツやセミワイドパンツも似合います。
この骨格タイプもキャリアやアクティブと同様に、ジャストサイズ、ハリのある生地を選ぶのが基本です。
④マニッシュ(女性)、ワイルド(男性)
オーバーサイズや、大きめの柄の服が似合う骨格タイプです。ビッグシルエットなジャケットや、カーゴパンツ、ワイドパンツなどをオシャレに着こなせます。
フェイスラインは直線的で、目鼻立ちが大きくインパクトのあるタイプです。
このタイプの人には左右非対称のデザインや、ちょっとルーズな着方がおすすめなのですが、ビジネスシーンでは難しいと感じるかもしれません。しかし、コーディネートのどこか1点にボリュームを持たせるだけでも大丈夫。例えばベルトや靴といったアクセサリーに、目立つデザインのものを取り入れてもいいでしょう。
重要なのは、シンプルでかっちりしたコーディネートでまとめてしまわないこと。「つまらない」という印象を与えてしまうので要注意です。
骨格タイプの診断を受ければ、ビジネスパーソンの外見力は上がる!
「流行の服を着ているのに垢抜けない」「自分と同じような服を着ているのに、あの人のほうがスタイリッシュに見える」といった悩みの多くは、自身の骨格タイプを正しく把握していないことが原因です。
しかし、それを知らずに「きっと自分の体型では何を着ても似合わないんだ」とネガティブな思考に陥ってしまうと、それが仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼす恐れがあります。新しいことにチャレンジしたり、堂々と自信のある態度で振る舞ったりするためにも、正しい着こなしによって外見力を磨くことが必要です。
今回お話を聞かせていただいた武田氏の研修では、最後に参加者の骨格タイプ診断も実施しています。
営業チームの外見力を向上させたいという企業様はもちろん、オフィスの制服を廃止するにあたって、従業員のためのスタイリング研修を必要とする企業様にも大変好評のプランとなっています。新入社員研修や内定者研修の一環としても、ぜひご検討ください!
武田みはる たけだみはる
カラービジネスコンサルタント パーソナルカラースタイリスト 文章スタイリスト
パーソナルカラーと色彩心理学(こころの色)をベースに、企業のカラー戦略から採用、人材育成のコミュニケーション研修まで多肢に展開。パーソナルカラー診断では似合う色だけでなく、骨格スタイリング診断なども好評を得ている。感覚でなくロジックで伝えるカラーリスト。
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