接客研修は、企業価値を高めるために欠かせない重要なものです。しかし、目的や自社に必要な研修内容を見誤ると、十分な効果は得られません。
そこで本記事では、接客研修の目的や取り扱うべきテーマ、接客研修を行ううえで意識すべきポイントを解説します。おすすめの研修プランも紹介していますので、ぜひお役立てください。
接客研修とは
そもそも接客研修とは、顧客とのコミュニケーションを円滑にするための基本的なマナーや対応力といったスキルを学ぶために行うものです。接客研修は、飲食店やホテルといったサービス業を始め、高齢者向け施設や製造販売業種、金融機関などさまざまな業界・業種で必要とされています。接客研修を実施することで、顧客のニーズに素早く応えられたり、クレームを防止できたりと多くのメリットを得られます。
接客と接遇の違い
接客と混同しやすい言葉として「接遇」があります。
接遇研修は、通常の接客スキルに加え、相手の気持ちを汲んだおもてなしや感動を実現するようなサービス精神を養うのが特徴です。
ちなみに接客は、基本的なスキルを用いた顧客対応に特化したものですが、接遇は、顧客のみならず、接するすべての相手が含まれます。たとえば、顧客以外にも日頃から接する上司や同僚、取引先などが対象です。また接遇では、相手の立場を深く理解し、その人の立場に立って対応します。
接客研修はなぜ重要なのか
接客研修は、幅広い業界で重要だと捉えられている研修のひとつです。その理由として、以下が挙げられます。
顧客満足度の向上が期待できる
接客研修の実施により、接客サービスの質が向上し、顧客満足度(CS)が高まります。顧客満足度が高まれば、顧客による購買意欲も高まり、企業の業績アップが期待できます。
また、社員が良い接客と対応を学ぶことで、現場で顧客からお礼を言われたり、労いの言葉をもらえたりすることもあるかもしれません。顧客からの言葉で、従業員のモチベーションも上がり、より良い接客ができるプラスの循環が生まれます。
リピーター獲得につながる
接客研修によって得られたスキルは、既存顧客をリピーターに変えることにも役立ちます。顧客は、上質な接客やサービスを受けることで「またここに来たい」「ここの商品やサービスは信頼できる」と感じます。
また、新規顧客を増やすより、リピーターを増やすほうがかかるコストを抑えられ、売上アップにつながります。そのため、リピーターを増やすには、接客研修で適切な接客力や対応力を高めるのが得策です。
他社との差別化を実現できる
接客力が高まると、競合他社に負けない競争力を培えます。同じ商品や同価格帯のサービスを展開する企業が複数存在する状況で「選ばれる」企業になるためには、顧客への上質なサービスやおもてなしといった付加価値の提供が欠かせません。そこで接客研修を導入し、社員の顧客対応スキルを高め、競合他社との差別化を図ることが重要です。基礎的なマナーやクレーム対応を学び、他社よりも誠実で丁寧な対応を心がけることで、顧客を獲得しやすくなります。
企業イメージが向上する
企業イメージの向上にも接客研修は役立ちます。上質な接客を体験した顧客のなかには、商品やサービスの評価を口コミ欄やSNSなどへ書き込み、良い評判を拡散したいと思う人も多く存在します。良い接客やサービスを継続することで、企業のブランドイメージも高まり、口コミやSNSを通じた見込み客の獲得が期待できます。
接客研修で取り扱うテーマとおすすめの研修プラン
接客研修では、複数のテーマを取り扱います。ここでは、代表的なテーマと研修内容の概要、おすすめの研修プランを紹介します。
接客マナー
接客マナーを扱う研修では、接客・接遇において欠かせないマナー5大原則を中心に、講義や講習を実施します。なお、マナーの5大原則とは以下の5要素を指し、基本的なビジネスマナーや接客の基礎となるものです。
- 自発的で明るい挨拶
- 不快感を与えない身だしなみ
- 自然で柔らかい表情
- 適切な言葉遣いや相手に応じた話し方
- 品のある態度
おすすめの研修プラン
ピンチをチャンスに変える!「勝ち残る企業になるための接客セミナー」 ~顧客満足を高める接客について~
ボイストレーニングに長けた講師が、顧客の出迎え・コミュニケーション・ヒアリングといった接客のコツを明瞭にお伝えします。顧客満足度と従業員満足度の双方からアプローチしたい主催者様におすすめです。
相手の心をつかむ接遇・接客術~好感度を上げる自己表現力の磨き方~
本プランでは、自己表現力のアップやより良い人間関係の構築のために、すぐに使える基本的なマナーや対応を学べます。接客のプロとして押さえておきたい、姿勢や表情といった非言語コミュニケーションもロールプレイングとともに習得できるため、即戦力につながります。
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CS・おもてなし精神・接遇
CS・おもてなし精神・接遇研修は、相手にかかわらず感動を与え、さらに上質な対応ができるようになるために行う研修です。顧客だけでなく社内のコミュニケーションや取引先の応対にも活用でき、社員やスタッフに一歩踏み込んだ応対力を習得させることができます。
おすすめの研修プラン
またあなたから買いたい!カリスマ新幹線アテンダントの一瞬で心をつかむ技術
本研修では、新幹線「つばさ」でカリスマ販売員として圧倒的な売上を出してきた講師が、どんな工夫を凝らしながら顧客対応をしてきたかを語ります。客数・時間の制限がある中で、顧客の行動を予測し、修正しながら対応するテクニックを数々のエピソードとともにお伝えします。
顧客満足度(CS)1位の劇団四季から学ぶ!!「感動を創造する言葉の伝え方
伝える力は、接客業務に関わる人のみならず、経営や育成の立場にある人にとっても必要なものです。本プランでは、劇団四季に所属していた講師から、顧客を感動させる言葉の伝え方を学べます。劇団四季での方法論をもとにした「実感して語る」を体感できます。
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クレーム対応
クレーム対応研修は、顧客の心情を理解し、適切なヒアリングやお詫びの仕方を学ぶものが中心です。研修によっては、ケーススタディやゲーム、ロールプレイングとともに、具体的な手法を体得し、対面や電話、メールといったさまざまな場面に応じた対応力を身につけます。また、一次クレーム、二次クレームといった段階別の対応方法を学ぶ研修もあります。
おすすめの研修プラン
お客様の心を掴む「信頼を得るクレーム対応」
空港・通信・金融業界とクレームの多い業界に精通した講師が、顧客の心理に基づいた基本のクレーム対応や、謝罪・傾聴・共感スキルを高めるポイントを経験談をもとに伝授します。実践も交えながら、大きなトラブルを防ぐためにできることを学びましょう。
クレーム対応の基本と実践~カスタマーハラスメント対策~
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効果的な接客研修にするために意識すべきポイント
接客研修を用いて、顧客対応力を高めるには、ただ研修を企画・実施しても十分な効果は得られません。最後に、有意義な研修にするために意識したいポイントを解説します。
自社の課題を洗い出し、研修の目的とゴールを決める
研修を企画する前に、自社の課題や状況を明確にしておく必要があります。そもそも、接客研修が早急に実施されるべき状態なのかをまずは確認しましょう。目的や目指すべき目標を全員が理解できていない場合や、モチベーションが低い状態で研修を受けても、効果は望めません。
また研修は、どこまでを社内で担当し、どこから外部へ委託するのかといったプランニングも重要です。限られたリソースを有益な時間にするためにも、自社の状況や必要な要素はしっかりと把握しておきましょう。
研修実施後に効果を測定し、フォローアップする
研修を実施したら、効果があったかどうかを測定することも重要です。ただ、研修を開催して終了するだけでは、本当に接客研修での学びが現場に活かされているかわかりません。そのため、研修終了後は受講者からフィードバックをもらったり、フォローアップを行ったりして、受講者がその後の業務に研修内容を反映できるように支援するとよいでしょう。必要に応じて、追加で研修を実施することも有効です。また、効果測定は次回の研修を改善することにも役立ちます。
接客研修は、目的を明確に定めて進めると失敗を防げます。接客研修によって、顧客満足度(CS)は高まり、新規顧客・リピーターの獲得も期待できます。また、社内の状況に応じて外部の研修プランを活用することも得策です。本記事で紹介したプランも活用しながら、有意義な接客研修を実施しましょう。
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