
講師の皆さまの独自性や魅力をご紹介する「講師のヨコガオ」。
今回は、義足ユーザーとしてリアルな体験や、家族・地域とともに歩む前向きな発信を続けていらっしゃる義足パパかず(大塚一輝)さんにお話を伺いました。障害など違いを誇り、誰もが自分らしく生きられる社会を目指して活動されています。
17歳で骨肉腫(がん)発症、人工関節で社会復帰するも34歳で感染症により右脚膝上を切断し義足に。SNSなどを通して、自身の日常を発信。義足ユーザーと社会を繋ぐ「義足の未来を変える会」を設立、当事者の問題解決に向け奮闘。講演では、障害や家族、多様性などをテーマに、自分らしく生きる大切さを伝える。
――講演活動を始められたきっかけをお聞かせいただけますか?
大塚 17歳で骨肉腫(がん)を発症し、10カ月の抗がん剤治療を経て、人工関節で社会復帰しました。その後も前向きに歩んできましたが、34歳の時、感染症の悪化で右脚を膝上で切断し、義足ユーザーとなりました。
ある日、街中を義足で歩いていたとき、小学生の男の子が「ママ、あのロボットみたいな足なに?」と声を上げました。母親は「そんなこと聞いちゃダメ」と制止していました。
その場面に、胸が締めつけられるような思いを抱きました。
「義足って、そんなに“聞いちゃいけないもの”なのか?」
「もっと堂々と、かっこよく歩いていいんじゃないか?」
そんな問いが、自分の中に芽生えました。
その瞬間、義足を隠すのではなく、堂々と魅せることが、次の世代へのメッセージになると感じました。そして、心の中でこうつぶやいたんです。「義足って、かっこいいんだよ」
義足を隠す時代から、魅せる時代へ。
義足や障害をもっと身近に、もっと誇れるものとして伝えたい。
家族や地域の支えを受けながら、「義足パパ」として社会に新しい価値観を届けるため、講演活動を始めました。
――講演を続ける中で、心がけていらっしゃることや大切にされているスタンスをお聞かせください。
大塚 義足ユーザーとしての“あるある”や幻肢痛など、リアルな体験をユーモアと温かさで伝えています。聴き手の方の立場に寄り添い、共感を生むメッセージを届けることや、教育・医療・福祉・地域など、現場の声に耳を傾けながら、共に価値観をアップデートする姿勢を大切にしています。
また、「義足パパ」として、家族との歩みや地域とのつながりも大切にしています。
――講演を通して、参加者の方々にどのようなことを伝えたいとお考えでしょうか?
大塚 「義足ってかっこいい」「違いって面白い」そんな感覚を持ってもらえるような講演を目指しています。障害や困難を“乗り越える”だけでなく、“活かす”ことで、自分らしく生きる力になることを伝えたいです。子どもたちや地域の皆さんが、前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

▲講演で前向きに生きるメッセージを伝える大塚さん
――ご自身が目指す社会のあり方をお聞かせください。
大塚 義足や障害を「隠すもの」ではなく「魅せるもの」として捉え、“違い”を誇れる社会を目指しています。誰もが自分らしく歩めることを当たり前にできる共生社会。子どもたちが「自分の個性を誇れる」未来をつくりたいと願っています。
――講演や研修を検討されている主催者様へメッセージをお願いします。
大塚 講演は“伝える場”であると同時に、“つながる場”でもあります。義足や障害に対する価値観をアップデートし、参加者の皆さんと共に「自分らしく歩める社会」を考える時間にしたいと思っています。
教育機関・医療福祉・地域団体など、趣旨に共感できるご依頼には積極的にお応えしたいと考えております。ぜひ一緒に、前向きなメッセージを届けましょう。
骨肉腫(がん)の発症、右脚の切断という転機を前向きな原動力に変え、「義足はカッコイイ」というメッセージを軸に、違いを誇り合える社会を目指して活動されています。
講演では、「自分らしく生きる」ことの大切さを、リアルな体験と温かい言葉で力強く伝えてくださいます。
ぜひ、前向きに自分らしく生きる共生社会について、明るく考える時間を共有してみませんか。

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