男性中間管理職が知っておくべき女性登用の重要性

古川裕倫 ふるかわひろのり

一般社団法人彩志義塾 代表理事

内 容

少子高齢化による生産労働人口減により、女性の活躍が期待されてきており、政府の成長戦略にも取り上げられていきたのは、ご承知のとおりです。

 ただ、現実は「総論賛成、各論風まかせ」という会社が多いのではないでしょうか。ダイバーシティ推進室や女性活躍推進室などが大手会社の人事部などに設置されつつありますが、女性活躍推進の研修などは、女性講師が女性社員だけに向けて行われている例が多い。女性に対する啓蒙は必要ではありますが、その多くの上司たる男性管理職も教育する必要があります。

 また、女性活躍推進が世界で最低レベルの日本の会社文化を変えるには、トップの強いメッセージが必要だと思います。それに加えて、男性管理職を変えないと、動きが加速しません。

 本講演の価値は、男性が行う男性管理職の啓蒙です。

 顔では総論賛成であるが、各論としては「まだ早いだとか、だれかがやるだろう」とか内心思っている男性が多く、実際にそれが人事部や講師に対する反発として出てくることを経験してきました。というのは、現実問題として、男性中間管理職が若手や女性講師から「かくあるべき」と言われても、快く「はい、わかりました」として受け入れにくいことがあります。だから、それなりの年代の男性が、男性の立場も理解しつつも、ガツンと言わないと、いけません。

 女性にも改めるべき点はしっかり言う必要があります。入社まで男性に比較して優秀であった女性が、本領を発揮せずにいつのまにか男性に抜かれてしまう。与えられたことしかしない女性もいれば、責任の思い仕事はしたくないという女性も多いことも事実です。自らの枠を取払い、会社や社会に貢献できるよう積極的に生きてほしいという上司のメッセージを出す必要もあります。

 結婚、出産などのライフイベントは、もちろんした上で会社に復帰し、優秀な女性は、会社でもっと価値のある働き方をしてほしいと思います。

 2012年10月に発表されたIMFのレポートによると、他の先進国なみに日本女性が働くとGDPが4%上昇するという。個別企業に置き換えると、売上や利益が4%増えるということになります。どの会社にとっても好ましいことでしょう。

 労働人口減少が目に見えてくると、一挙に女性活躍推進が加速し、「われもわれも」と会社が競って女性登用を始めるように思えます。気がついてみればそれに乗り遅れている会社も出てくると思います。しかし、人はすぐに育つものではありません。時間をかけて教育して、初めて重要なポジションへの登用が可能になります。だから、早くから女背活躍推進に着手する会社が勝ち残ると、私は思います。

根拠・関連する活動歴

【参考書籍】
「女性を活用できる上司となる」(古川裕倫、扶桑社)

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