コロナ禍で一気に増えたテレワーク。テレワークは、オフィスワーカーにとって通勤への負担がなくなり、ライフスタイルに合わせて働く時間を調整しやすいといったメリットがある一方で、プライベートとの切り離しがしづらく、時間の自己管理が難しいといったデメリットもあります。

今回ご紹介する二木奈緒さん自身もコロナ禍だった2020年、小さなお子さんを抱え、テレワークでの時間管理に困ったそうです。そんなとき、限られた時間を有効活用したいと考え、「パズル式時間管理術」を考案されました。

「パズル式時間管理術」とは、Outlookや Googleのカレンダー機能を使い、タスクをパズルのように並べることで、タスクのモレを防ぎ、時間を有効活用できるというもので、働くママや忙しいワーカーの方々から多くの反響を得ているそうです。

先日、そんな「パズル式時間管理術」のデモウェビナーが開催されました。その一部始終をレポートします。

労働組合・人材育成 担当 森岡 美香子

講演テーマ: Googleカレンダー(Outlook)でタスクを見える化! パズル式時間管理術
~もう仕事に追われない 生産性がぐんぐん向上するタイムマネジメント~

講師   : 二木奈緒 氏
開催時期 : 2023年1月下旬
主催者  : システムブレーン
講演時間 : 50分
聴講者人数: 約10人
講演タイプ: オンライン開催

忙しいママが考えた時間管理術

二木さんは、もともと飲食メーカーで人材育成・秘書・営業企画・需給の部署を経験されたあと、需給業務の効率化を目指す業務改善プロジェクトを自ら立ち上げ、現在は社内で働き方改革を推進する業務を担っています。

プライベートでは、2017年に第一子を出産され、2018年9月に産休・育休から復帰。お子さんを昼間保育園に預け、時短勤務をする中で、時間への焦りと不安を感じるようなったと言います。

そんな中、2020年4月に新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が発令。保育園が休園となり、お子さんの世話をしながらのテレワーク勤務。活発に動き回るお子さんの横で仕事に集中することは難しく、「このままではだめだ」と限界を感じたそうです。

二木さんは、考えに考えた挙句、まずはタスクを見える化することから始めました。そのときに活用したのが、Outlookのスケジュール機能。タスクの作業時間を設定し、仕事内容、緊急度などによって色分けしました。
Outlookでスケジューリングするようなってから、1週間全体のスケジュールが見えるようになり、PDCAサイクルにより業務の効率化を図れるようになったとか。

そうやって生み出されたのが「パズル式時間管理術」です。

二木さんは、その後、この方法を多くの人に伝えたいと、講演活動にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。勤務先企業で本テーマのオンライン講演を開催したところ、すぐに満員になるほどの人気ぶりだったそうです。

今回のデモウェビナーでは、「パズル式時間管理術」の考え方、実際のやり方、PDCAの回し方、仕事のスピードをあげるコツなどを教えていただきました。次の章で、その内容の一部をお伝えします。

パズル式時間管理術とは?

「パズル式時間管理術」とはその名の通り、GoogleやOutlookカレンダー上でタスクをピースのように設定し、勤務時間の中でパズルのように並べ替えながら、スケジュールの見える化をするというものです。
業務内容、優先度などの状況で色分けをすることで、以下のようなメリットがあるそうです。

  • 「その日に何をやらなければならないのか」が一目でわかる
  • 仕事の抜け漏れが防げる。
  • 今すべきタスクに集中できる
  • オン・オフの切り替えがしやすくなる
  • 全体を見渡すことで、どんな作業に時間がとられているかがわかり、作業の効率化を図れる など

実際、二木さんもこの時間管理術を行うようになってから、コロナ禍以前までの「不安や焦り」が「余裕と自信」に変わっていったとか。
私自身も小さな子供がいるため、この方法は大変に役立つと感じました。

パズル式時間管理術の設定の仕方

次に、パズル式時間管理術の設定の仕方について教えていただきました。
スケジュールは1週間ごとに、できればその前の週に立てるとよいそうです。

実際に画面を共有してGoogleカレンダーの設定方法を示しながら、色分けや時間設定についてお話されました。
作業タスクについては主に以下のような色分けで行います。

  • 青色…会議・商談など人との約束
  • オレンジ…作業予定
  • …緊急で入った予定

また、作業時間を設定する際も、1ピースにつき30分~最大2時間30分単位で作成していくとよいそうです。2時間以上かかるものの場合は、組み立てる際に空いた時間を見つけることが難しくなるため、その作業をさらに細かく区切るとよいとのこと。
例えば、資料作成に3時間かかるのであれば、最初の10Pを2時間、後の10Pを1時間に分けるような感じです。
細かく区切ることで、空いた時間に前倒しできたり、集中力も継続しやすくなるとのことでした。

実際のスケジューリングの方法を画面共有で見せながら説明していただいたので、大変わかりやすく、またやり方も簡単でしたので、「これなら私にでもできそうだ」と思いました。
講演で学んだスキルをその後に活かすためにも、講演中に「私にもできそうだな」という感覚は非常に重要です。二木さんの講演では、常にこの感覚を持ち続けられたため、実際に今の業務でも学んだ内容を活用できています。

パズル式時間管理術の事後調整とPDCAサイクルの回し方

Googleカレンダーの設定後は、運用の仕方、PDCAサイクルの回し方について詳しく教えていただきました。
スケジュールを立てた後も、常時見直しを行い、空き時間が出たなら、前倒しできそうな作業を前に持ってきたり、逆にその日のうちにしなければならない緊急の仕事が発生した場合は、その日やるはずだったタスクを次の日以降に持っていったりと、Googleカレンダー上でタスクのパネルを動かしながら、調整方法を解説していただきました。
さまざまなケースを上げながら、スケジュールの調整方法を教えていただけたので、大変わかりやすかったです。

次に、スケジュールを立てて、実行した後、今度は1週間のスケジュールの振り返りと改善のポイントについて教えていただきました。
どのような点に注意して「Check(測定・評価)」して、次の「Action(対策・改善)」を起こすとよいのか、ポイントごとに教えていただき、多くの気づきを得られました。

独創性・実用性・即効性を兼ね備えた講演プラン

実際に受講してみて、二木さんのご説明や資料が大変わかりやすく、胸にストンと落ちるような内容ばかりでした。
講演後の質疑応答も、弊社スタッフから活発に質問や意見が交わされました。

私自身も今なお二木さんの時間管理術を見習って、Googleカレンダーを活用しスケジュール管理を行っています。
以前は一度に複数の業務をこなそうとするマルチタスクが多く、1つのタスクも終了しないまままタスクの渋滞が起こることがありました。しかし、「シングルタスクの方が生産性が高い」という二木さんのお話を聞いた後は、シングルタスクにするようにして、その時間は一つの作業にだけ集中するようにしました。すると、タスクの渋滞が今ではすっかりと交通整理されて、スムーズに業務が回るようになりました。

私が担当する社内・労働組合員向け講演・セミナーでは、「時間管理」というテーマへのニーズが高く、たくさんの講演プランがありますが、ここまで具体的にツールを使い、時間管理を解説するプランは他にありません。
それくらい、この「パズル式時間管理術」講演プランは唯一無二の独創性を持っており、また実用性、即効性を兼ね備えた内容で、主にオフィスワークをする方々に最適のテーマだと思います。
Outlook または Googleカレンダーをお使いの企業・労働組合様、ぜひ次回の研修にご検討ください!

二木奈緒 にきなお

Outlook時間管理コンサルタント 国家資格キャリアコンサルタント


コンサルタント実践者

東北大卒後、飲料メーカー入社。人材育成・秘書・営業企画・需給部署を経て業務改善プロジェクト発足。自身が育児と仕事の両立に悩んだ経験から、アウトルックを活用した「パズル式時間管理術」を考案。生産性向上直結の実践的時間管理術を説き、「働き方改革」「女性活躍」の推進を現場から提唱。

プランタイトル

「Outlookでタスクを見える化!パズル式時間管理術」
~もう仕事に追われない 生産性がぐんぐん向上するタイムマネジメント~

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