講演の主催者を「ホスト」と呼びます。その役割は参加者をサポートするために講演の進行含む全体運営や入室管理、講演後のフォローなど多岐に渡ります。オンライン講演であってもホストの役割は変わりませんが、Zoomビデオウェビナーなどのウェビナーツールを使うことで効率化ができます。

今回は、Zoomのホストができることを中心にパネリストや参加者の管理方法についてもご紹介していきます。

Zoomのホスト役とは?

Zoomのホスト役はオンライン講演(ウェビナー)の主催者であり、デスクトップクライアントやアプリを問わず、ウェビナーを予約した人がホストとなります。ホスト数について、ひとつのウェビナーに必ずホストが1人存在しますが、必ずしもパネリスト(講師)=ホストではありません。

Zoom上でウェビナーを開催し、ホストになるにはZoomミーティングのPro以上のアカウントと、Zoomビデオウェビナーのライセンスの契約両方に申し込む必要があります。Proアカウントの料金は月契約2,000円(年契約20,100円)、Zoomビデオウェビナーの最低料金は月契約10,400円(年契約92,800円)です。

ホストと、共同ホスト、パネリスト(講師)、参加者(聴講者)の違い

Zoomビデオウェビナーでは、主催者であるホストとホストと同じ権限を持つ共同ホスト、そして講師のパネリスト、参加者という4つの役割に分けられ、以下のように使える機能が異なります。

ホスト 共同ホスト パネリスト 参加者
配信を開始する
自分の音声をミュート/解除
自分のビデオを開始/停止
画面を共有する
チャット
Q&Aで質問する
投票を作成、編集する
投票を開始する
投票に回答する
ウェビナーを終了する
参加者のミュート/解除
参加者からパネリストに昇格
参加者を削除
クラウドに録画
各所ライブ配信

また、オンライン講演やオンライン会議、ウェビナーの場合もオフラインで行う会議やセミナーと同じく、講師と聴講者では「権限」が大きく異なります。各役割と権限について解説していきます。

①ホスト(共同ホスト)

ホストはウェビナーを開催する資格があり、共同ホスト、パネリスト(講師)、参加者(聴講者)を招待できます。また、ウェビナーの開始から終了まで全ての権限を持っています

一方、ホストはウェビナー中に「共同ホスト」を設定することができます。共同ホストはウェビナーの開始や終了、投票、ライブ配信以外の全ての権限をホストと同じように持っています。また、ウェビナー中にホスト変更も可能です。

ホストは各ウェビナーに1人ですが、共同ホストは複数人設定できます。共同ホストの役割は、ウェビナーの中断を防ぐためにウェビナーを進行させるパネリストのサポートや、参加者が最後までトラブルなくウェビナーに参加するために設定されます。

ウェビナー中に機材トラブルなど不測の事態が起こる可能性もあるので、ウェビナーの参加人数が多くなるほど共同ホストの存在が必要となります

また、Zoomビデオウェビナーではひとつのウェビナーに対して、共同ホスト人数はパネリストを含む100人までという制限があります。

②パネリスト(講師)

パネリストは議題に沿ってウェビナーを進めながら、必要に応じて資料の画面共有をしたり、質疑応答などを通じて参加者とやりとりができます。ウェビナーの開催中に、参加者からパネリストへ昇格させることも可能です。

パネリストの人数についてZoomではホスト、共同ホストを含む100人までの制限があります。

③参加者(聴講者、視聴者)

参加者はウェビナーの視聴や、パネリストからの質疑応答などにマイク機能やチャット機能を使ってホストやパネリストとやりとりができます。参加者の人数制限は、ホストが加入しているプランによって異なります。

ホストができること

ホストはウェビナー開催から終了まで、以下の内容を設定できます。

①ウェビナー開始前

  • ウェビナー開催日時と時間の予約設定
  • ウェビナーのIDやパスコードの設定
  • 参加者の招待に用いる名前とメールアドレスの登録
  • ビデオのオンオフ切り替えや音声種別の選択
  • 待機室の設定
  • その他待参加者のミュートや自動レコーディングなどの細かいオプション

②ウェビナー開始時

  • 待機室にいる参加者の許可
  • 参加者のマイクのオンオフ切り替え
  • 録画設定
  • 画面共有

③ウェビナー終了後

  • ウェビナー退出方法の選択
  • 録音、録画したウェビナーのチェック

ホストとしてウェビナー(オンライン講演)を開催する方法

Zoomでウェビナーをホストとして開催するには、Zoomアカウントの作成後にライセンスを取得しておく必要があります。

ライセンス取得後は、ウェビナープランごとに参加者の制限範囲内で、以下の5ステップでウェビナーを開催できます。

  1. ウェビナーの登録
  2. 参加者の承認(自動もしくは手動)
  3. スケジュールの設定
  4. パネリストや参加者の招待
  5. ウェビナーの開始

共同ホストやパネリストを設定する方法

共同ホストやパネリストは、ウェビナーが始まる前に設定しておく方法の他に、ウェビナーが始まってから設定する方法があります。設定方法は以下の通りです。

●パネリストを共同ホストに設定する

  1. 参加者一覧の「パネリスト」タブから、共同ホストにしたいパネリストにカーソルを合わせる
  2. 「詳細」をクリックし、「共同ホストにする」をクリックする

●参加者をパネリストに設定する

  1. 参加者一覧の「視聴者」タブから、パネリストにしたい視聴者にカーソルを合わせる
  2. 「詳細」をクリックし、「パネリストに昇格」をクリックする

なお、参加者を共同ホストに直接変更することはできません。参加者を共同ホストに設定したい場合は、一度パネリストへ昇格させてから設定しましょう。

パネリストを管理する方法

ホストはウェビナーに参加するパネリストと参加者を管理できます。その管理画面(パネル)へのアクセス方法は以下の通りです。

  1. Zoomデスクトップクライアントにサインイン
  2. ウェビナーを開始する
  3. ウェビナーコントロールの「参加者」をクリック

パネルではパネリストと参加者を入れ替えることや、発言の許可やミュート、削除ができます。

パネリストの管理オプション

パネルではパネリストにカーソルを合わせることでステータスの管理・変更ができます。主な機能は以下の通りです。

  • ミュート/ミュートの解除
  • チャット機能を用いたやりとり
  • ホストや共同ホスト、参加者への変更
  • 録画の禁止/許可
  • パネリストの削除
  • 字幕の挿入

ミュート/ミュートの解除はパネリストの「ミュート」もしくは「ミュート解除」を選択することで変更が可能です。

録画の禁止/許可では参加者を選択し、録画の開始もしくは停止の設定ができます。

参加者を管理する方法

ホストはパネルの「参加者タブ」をクリックすることで参加者一覧の表示ができます。このタブでは参加者に対して直接メッセージを送ったり、パネリストへ昇格、参加者の削除が可能です。

参加者の管理オプション

パネルでは参加者にカーソルを合わせることでステータスの管理・変更ができます。主な機能は以下の通りです。

  • ミュート/ミュートの解除
  • 発言の許可/無効化
  • パネリストへの変更
  • 参加者の削除
  • 参加者の手を下げる(全て下げることも可能)

ミュート/ミュート解除ではホストが参加者の「ミュート」もしくは「ミュート解除」を選択することで変更が可能です。

発言の許可/無効化では参加者の発言を許可するかどうか変更ができます。参加者の発言を許可してもミュートにしている場合は、ミュートを解除することでマイクがオンになります。

Zoomホスト機能や管理機能についてご紹介してきました。ぜひこの記事を参考にして、ホストがパネリスト(講師)や参加者(聴講者)を上手く管理し、ウェビナーの質の向上につなげましょう。

SBスタッフによるオンライン講演の事例レポート



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