どんな業種においても、「安心・安全」を感じられる職場は心地がよいものです。では、そのような職場作りには何が必要でしょうか。

この記事では、プレゼンテーション・プランナー、伝わる表現アドバイザーとして活動する山本衣奈子(やまもと えなこ)氏に、職場の安全を生み出すコミュニケーション術について解説していただきます。

Your Image【監修・取材先】
山本衣奈子氏

プレゼンテーション・プランナー
伝わる表現アドバイザー

職場における「安心・安全」とは?

職場における「安心・安全」は、大きく2種類に分けることができます。一つは、「身体的安心・安全」、もう一つは「心理的安心・安全」です。

建設業や製造業など、危険と隣り合わせの業種では特に「身体的安心・安全」に気を付けている方が多いと思います。とはいえ、「身体的安心・安全」は、天候や場所といった物理的要因によって左右され、意志の力だけではコントロールし難い側面があるのが特徴です。

一方、「心理的安心・安全」は人が作り出すものであり、一人ひとりの意識次第で高めていくことが可能です。職場や現場における人と人との関わり、つまりコミュニケーションの質によって向上します。

「心理的安心・安全」のある職場・現場では心の状態が安定し、職員に「心の余裕」と「広い視野」が生まれやすくなります。逆に「心理的安心・安全」がない職場・現場では、心に余裕がないために視野が狭くなり、ミスや事故を生みやすい状態になるといえます。

つまり「心理的安心・安全」を高めることは、「身体的安心・安全」の確保にもつながっていくのです。

人がミスをするのは、技術・知識の不足だけではなく、安心して仕事に取り組めているかどうかも大きく影響します。「心理的安心・安全」を高めることは、仕事の成果や質を上げるという大きなメリットをもたらしてくれます。

これからのリーダーにとって、職員の身体的・心理的な「安心・安全」をいかに守るかが、新たなリーダーシップを構築する要素になっていくでしょう。

今日からできる! 心を動かすワンポイントコミュニケーション

ここでは、職場の「心理的安心・安全」を高めるために今日からできる具体的かつ簡単なコミュニケーション術をご紹介します。

1.挨拶

挨拶は「されたら返すもの」と思っていませんか?
挨拶の「挨」には「押す」、拶には「迫る」という意味があります。「挨拶」はもともと、大勢で押し合って進むことを意味し、それが後に、禅問答でのやりとりを指す言葉になったといいます。「挨拶」は禅の言葉で、師が弟子に声をかけ、その弟子の返答によって修行の程度・精神の段階を推し量る(知る)行為だったわけです。

現代において、「挨拶」とは人と人が交わす儀礼的な言葉や動作、つまり、相手に出会ったときにかける言葉とその返事のことです。しかし私たちは、挨拶として声をかけた相手がどのような返事をするかで、その人が今どのような状態であるかを多少なりとも感じ取ることができます。時代を経て直接的な意味は違ってきていても、「挨拶」が持つ「相手を知る」という根源的な意味は変わっていないといえるでしょう。

「挨拶を返してくれない人に挨拶する必要があるのか」と言う方もいますが、「挨拶」が相手の状態を知る行為だとしたら、「返事」ありきでするものではありません。挨拶をすること自体に大きな価値と意味があるのです。信頼関係もまずは挨拶から。「挨拶しない人」を人は信用せず、信用がなければ信頼にもつながらないものです。

コミュニケーション力とは決して特別な力などではなく、当たり前を当たり前にすることができる力です。コミュニケーション力を高めて「安心・安全」に満ちた職場をつくるために、まずは基本の挨拶を、今まで以上に自分からすることから始めてみましょう。

2.指示・指導

仕事を進めるうえで、指示や指導が必要になるケースは多々あります。けれども当然のことながら、指示は「言えば伝わる」ものではありません。不明瞭な指示は、精度の低い結果を招きます。

指示・指導するときには、つい使いがちな“曖昧言葉”に気を付けましょう。「なるべく早く」「急ぎではないが」「大体でいいから」「適当に」「そこらへんに」などなど、“曖昧言葉”は身近にたくさんあります。

このような曖昧な指示を出しておきながら、自分が求めていたことと違う行動を相手がすると、「なんでちゃんと動かないんだ」と責める場面はよく見られます。でももしかしたら、その人は動かなかったのではなく、動けなかったのかもしれません

指示は「具体的に」が鉄則です。5W1Hをしっかり意識して、端折らずになるべく詳細に伝えることを心がけましょう。ポイントは「3つのD」です。

  • Decide(内容をしっかり決める)
  • Detail(詳細に)
  • Direct(直接伝える)

まずは伝える内容をしっかり決めて、5W1Hを踏まえてきっちり詳細に。基本的には、伝言ゲームにならないように直接伝えます。
相手が指示をきちんと理解して動いてくれたら、時間と労力の無駄はかなり削減できます。無駄を減らして仕事がスムーズに進むようにするためにも、「伝え方」を工夫しましょう。

伝わる一言で、従業員が笑顔で働ける職場へ

職場に「心理的安心・安全」をもたらすのは難しいことではなく、挨拶から始まるコミュニケーション、そして、明瞭な指示出しの積み重ねで築いていくことができます。
私の講演では、より具体的なコミュニケーション方法や言葉の選び方について解説します。興味を持っていただけましたら、ぜひシステムブレーンまでお問合せください。

山本衣奈子 やまもとえなこ

プレゼンテーション・プランナー 伝わる表現アドバイザー

コンサルタント

「表現力」「分かりやすさ」「まとめる力」に磨きをかけ、言葉や声をコミュニケーションツールとして活用する手法を説くプレゼンテーション・プランナー。「声」と「言葉」に関わり続けるプロとして、人の魅力を引き出すために、独自に編み出したコミュニケーション&プレゼンテーション術を伝授する。

プランタイトル

職場の安心・安全をつくりだす言葉の整理術

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