私たちのような講師依頼会社の業務には、主催者様と講師の橋渡し役としての役割に加え、最適な「講師提案」も含まれます。
弊社のwebからの問合せでは、事前に講師を指定してくるケースもあれば、講師提案を希望するケースもあります。
今回の案件は、後者のケースで、「若手向けのコミュニケーション研修をしたいので適切な講師を紹介してほしい」というような内容でした。

弊社のデータベースには15,500名以上の登録講師がおり、その中から的確な講師を選ぶために長年の経験と知識が必要です。
この講師提案の難しさややりがいについて、本案件を例にお話します。

企業 商工会・会議所 ・法人会 担当  田中 滋

講演テーマ: 豊かな人間関係を築くためのコミュニケーション術
講師   : 村瀬 健 氏
主催者  : A会社  様
開催日時 : 2022年10月上旬
講演時間 : 90分
聴講者人数: 全体で約500名
講演タイプ: リアル開催

担当者の腕の見せ所「講師提案」

本案件は、昨年(2022年)11月、会社様から、若手社員を対象にしたコミュニケーション研修を行いたいとホームページを通して問合せがありました。講師は決まっておらず、適切な講師を紹介してほしいとのことでした。

問合せには、最初から講師が決まっている場合もあれば、目的や予算に応じて講師の提案を依頼してくる場合もあります。
私たちスタッフの仕事として、前者の場合だと、すでに講師は決まっているので、講師への打診とスケジュール調整、講演内容のすり合わせ、あとは開催までのサポートなどがあります。

後者の場合は、講師が決まっていないので、研修の目的や目標(研修後のゴール)、受講者に身につけてほしいスキルや知識、研修方法や講師の要望、予算案をお聞きし、提案できる講師リストを作成するところから始まります。

弊社の登録講師数は15,200名以上。21万件以上の実績データをもつ膨大なデータベースより、的確な講師を探し、提案しなければならないので、細かな配慮が求められると同時に担当者の腕の見せどころでもあります。

電話で詳しい状況をヒアリングした結果、以下のことがわかりました。

【対象者】 若手社員 500名程度
【研修の目的】お客様へのコミュニケーションスキルをアップし、人材の育成を図ること
【開催希望日】2023年2月
【ご要望】 ・研修で学んだスキルをしっかりと定着させたい
・若者対象なので堅苦しいものではなく、気軽に聞けるような話がよい

スキルを定着化するには、耳で聞く講義型より体験的に学ぶワーク型の方が効果が高いため、ワークを得意とし、楽しく盛り上げられる講師が良いと思い、お笑い番組の放送作家かつコミュニケーション講師である村瀬 健さんを提案することにしました。

村瀬さんはこれまで、2000組以上のお笑い芸人の指導経験も持ち、芸人の「社交術」と「会話術」をビジネスシーンで使えるように標準化したコミュニケーション研修プログラムを開発。弊社のコミュニケーション研修で高評価をいただいている講師です。

▲村瀬さんのプロフィールのスライド。講演前にこちらのスライドを流す

なぜ村瀬さんを選んだのか、その理由とともに、過去の実績や受講者評価を提示しました。社内で検討するということで1週間ほど時間を置いた後、すぐにご了承の返事をいただけました。

ちょうど村瀬さんが大阪本社にオンライン講演のため来社したタイミングで、本案件についてお話すると、二つ返事で快諾いただけました。

長引くコロナ禍の影響。開催方法には3案をご提案

本案件の受講生は500人程度と大人数であったため、どのように開催するかが課題となりました。というのも、ちょうどコロナ感染者が増加している関係で、リアル、オンラインどちらにするか流動的な状況でした。そこで、私は以下の3つの案を提案しました。

①案 リアル開催×2回
➁案 少人数でのリアル開催×7回
③案 オンライン開催×2回

もともとはリアル開催ご希望でしたので、①の案で進めていましたが、コロナ禍の状況によっては感染リスクを下げるためにも少人数で複数回開催するか、もしくは、さらなる感染者数の増加を見込み、オンラインでの切り替えも考えなければなりません。

とはいえ、政府としてもコロナ感染対策を緩和する考えを示していたため、①と➁の案を中心に考えていきました。

昨年末に、コロナ禍のリスクも多少なりともあったので、①案で行うことを決定しました。加えてリアル開催に参加できなかった人のために追加でオンライン講演も開催することになりました。

主催者様も満点をつけられた講演内容とは?

日程も決まり、第1回の開催までは講演内容について調整を行っていました。講師の村瀬さんには、事前に先方の要望をお話していたので、それに応じた講演プランを新たに作成していただきました。

講演タイトルは「豊かな人間関係を築くためのコミュニケーション術」。お客様や社内の仲間とより豊かな人間関係を築くためのコミュニケーション術で、相手の話をもっと引き出すための「傾聴スキル」についての研修でした。

私はリアル開催に立ち会うことはできなかったのですが、オンライン開催では実際に聴講しましたので、そのときに様子をお伝えします。

話の受け答えが上手な陣内智則さんや今田耕司さんを例に出して、なぜ彼らがテレビ番組に重宝されているのかを解説しながら、受講者の興味を引き出していました。

実際のグループワークでは、受講生の方々にグループになっていただき、テーマを与えて雑談(会話)をしていただきました。話を盛り上げることのできる受け答え方、盛り下げる受け答え方の例を実践し、どれほど異なるのかを体験していただくと、受講生の皆さんから「ここまで違うのに驚いた」「話を聞くにもテクニックが必要なんだ」と驚きの声が聞かれました。
▲グループワークで使ったスライド

ここで少し講演内容をご紹介します。
例えば、同僚とこの間行った旅行の話をしたとします。

「こないだ北海道に旅行に行ったんだ」
という相手に対して、あなたならどう答えますか?

A.「へぇーそうなんだ」
B.「いいね!」

Aは一見してこの話に興味があると思われますが、言い方によっては適当に流している感じにも聞こえます。
しかし、Bには、相手の話に共感する心が込められていて、この「共感」こそが雑談を弾ませ、人間関係を深める要素なのです。

このように、村瀬さんは、グループやペアワークを取り入れながら、良好な人間関係を築けるコミュニケーション術を教えていきました。皆さんがよくご存知の芸人さんの話をして、時々笑いを入れながら進めていくので、和やかなムードが感じ取れました。

講師だけでなく弊社の満足度も10点満点

開催後、主催者様よりいただいたアンケートでは、講師の村瀬さんに対して、10点中10点の点数とともに、以下のような感想をいただきました。

「受講者からはあっという間の時間だった、為になる話ばかりですぐに実践する、という嬉しい言葉が届いています。受講者のモチベーションが変化しました。また久しぶりの集合研修ということで、人と会い、研修を受けれたことに感動の声も届いています。」

弊社の対応についても、10点中10点満点で、とくに講師選びの点でおほめのことばをいただきました。この仕事について30年以上たちましたが、久しぶりに心温まるものがありました。

「講師の選定で悩んでいた際も、親身になって相談に乗っていただいたり、選定の理由も細かく教えていただいたことがきっかけで、御社に決定しました。
また、研修内容も提案していただいたりと非常に助かりました。」
~主催者アンケートより~

オンライン開催ではホストでサポート

オンライン開催では、Zoomのホストとしてサポートに入ることになりました。Zoomの会議設定から入室許可、修了まで運営サポートを行いました。
今回も、リアルと同じ講演内容でしたが、オンラインの場合グループワークではZoomの「ブレイクアウトセッション」機能を使用します。事前に、グループ分けのリストをいただいていたので、ブレイクアウトセッションでグループを設定し、研修中にブレイクアウトセッションの操作を行いました。

グループワークやペアワークをする中で、受講者の表情がとてもにこやかになっていることに気づきました。受講生の方々もとても楽しく参加していたという印象です。
こちらの研修についてもご満足いただき、また次回もご依頼いただけることになりました。

受講生の方々、そして主催者様からご満足いただくために

私はこの仕事を長年やっていますが、いまだに「講師提案」には苦労しています。
今回のようなコミュニケーションなど一般的な研修テーマであれば、弊社のデータベースで調べれば多くの候補者が出てきます。しかし、その中から、より主催者様のご要望に近い講師を選ぶのも至難の業です。
逆に、ニッチな講演テーマでなかなか該当する講師がいない場合もあります。その場合は、ご要望テーマで話ができそうな講師を探し、講演プランの開発からしなければなりません。いずれの場合でも、異なる苦労が存在するのです。

講師提案では、時にはチームで講演内容を共有し、講師候補のアイデアを出し合いながら、最適な講師を提案するようにしています。それには、弊社が積み重ねてきた実績と各担当者の経験、チームワークが大きく関わってきていると思います。
今後も受講生の方々、そして主催者様から「本当に良かった」と思っていただける講演・研修を実現するために、講師の提案にもチーム一丸となって取り組んでいきたいと思います。

【この記事を書いたスタッフ】


田中 滋 たなか しげる
大学卒業後、アパレル関連の卸商社を経て入社。業界実績ナンバーワン企業において講師派遣に携わった件数はナンバーワン。日本で最も講師派遣に携わった人間と自負しております。その豊富な経験と今までに培った情報力、コンサルティング力を駆使し少しでも多くのお客様に田中にお願いして良かったと思っていただけるよう日々イノベーションをはかります。

あわせて読みたい


【SBスタッフ事例レポート第35回】
失敗は成功の基 「改善」を続ける弊社のサービス

私はシステムブレーンに入って28年たちますが、リピーターの主催…

【SBスタッフ事例レポート第3回】
Zoomミーティングのいろいろな機能、使い分けるポイント

弊社のオンライン講演で普段使用しているZoomミーティング。 …

【SBスタッフ事例レポート第34回】
いまだに難しいと感じる「講師提案」のやりがいと課題

私たちのような講師依頼会社の業務には、主催者様と講師の橋渡し役…


 他の記事をみる

オンライン講演お役立ち記事


オンライン講演(ウェビナー)の企画は「5W2H」を基本とすべし!ポイントを解説

オンライン講演(ウェビナー)を企画するとき、目的やテーマが漠然…

【Zoomウェビナー上級編】Zoomビデオウェビナーでオンデマンド配信する方法

Zoomビデオウェビナーは、オンライン講演(ウェビナー)でよく…

Microsoft Teamsを使ったウェビナーのやり方~開催方法と基本的な使い方~

弊社のオンライン講演で利用される配信ツールで、Zoomに次いで…


 他の記事をみる