遠方からも参加できるなどのメリットのあるオンライン研修は、効率的な手段の1つとして企業にも定着しつつあります。
一方で、コミュニケーションが深めづらいといった声も聞かれます。
そんなときに活用できるのがアイスブレイクです。
アイスブレイクを用いることで、見知らぬもの同士でも互いに話しかける糸口が見つかり、その後のコミュニケーションの活性剤となります。
そこで今回は、アイスブレイクの必要性とメリット、また実践に役立つ事例をご紹介します。
- アイスブレイクとは?研修に取り入れる必要性とメリット
- ビジネス研修で活用できるアイスブレイク16選
- 【自己紹介系】①記憶力系自己紹介(オンライン/集合型)
- 【自己紹介系】➁他己紹介
- 【自己紹介系】③「実は私…」(オンライン/集合型)
- 【トーク系】④GOOD&NEW(オンライン/集合型)
- 【トーク系】➄好きなものZoomイン(オンライン)
- 【トーク系】⑥共通点ゲーム(オンライン/集合型)
- 【トーク系】⑦サイコロトーク(オンライン/集合型)
- 【トーク系】⑧英語禁止自己紹介(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】➈たけのこニョッキ(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】⑩○×クイズ(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】⑪これ何だ?(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】⑫ジェスチャーゲーム(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】⑬ミュートでしりとり(オンライン型)
- 【ゲーム系】⑭かぶったらNGゲーム(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】⑮かぶってもOKゲーム(オンライン/集合型)
- 【ゲーム系】⑯大喜利(オンライン/集合型)
- アイスブレイクの注意点
アイスブレイクとは?研修に取り入れる必要性とメリット
アイスブレイクとは?
アイスブレイクとは、初対面で緊張した心をほぐすために、研修の前に簡単なゲームや自己紹介などをして、場を和ませる手法のことです。
オンラインでは、相手の表情が読みづらく、対面以上にコミュニケーションがとりづらいと感じる人も多いようです。また、互いに緊張したままだとグループワークや議論などがスムーズに進められません。そのためにも、アイスブレイクが必要となってきます。
アイスブレイクのメリット
アイスブレイクのメリットは以下のようなものがあります。
- 場の雰囲気を和らげることができる
- 楽しみながら互いのことを知れる
- 一体感が生まれる
- 気分転換ができる
- オンラインツールの使い方を復習できる
アイスブレイクは、初対面で緊張した場を和らげるだけではなく、楽しみながら互いのことを知れるため、受講生同士の一体感も生まれやすくなります。一体感が生まれると仲間意識も芽生るため、そのあとの研修を続ける上で大きなモチベーションとなります。
また、講義型だけでは受講生の集中力も切れてしまうため、このようなアイスブレイクを入れることで気分転換ができ、次の課題にも集中して取り組むことができます。
オンライン研修の場合、オンラインに不慣れな人にとっては、このアイスブレイクで気軽にツールの使い方を相談できるため、オンラインツールへの抵抗感を減らすこともできます。
ビジネス研修で活用できるアイスブレイク16選
ビジネス研修で採り入れられているアイスブレイクを16パターンご紹介します。
オンライン・集合型両方、又はオンラインのみで使えるアイスブレイクをそれぞれ紹介します。
自己紹介系やトーク系などさまざまなものがあります。行う目的に応じて選んでください。
【自己紹介系】①記憶力系自己紹介(オンライン/集合型)
記憶力系自己紹介はただの自己紹介ではありません。
自分の前に行われた自己紹介を記憶し、それに自己紹介を加えていくゲームです。いくつかのグループに分けて行うとよいでしょう。
手順
まずは自己紹介する順番を決めます。次に一番目の人は「三重県出身のAです。」と自己紹介します。次のBさんは「三重県出身のAさんの次の東京都出身のBです。」といった具合に、次々と加えていきます。
何度も繰り返し自己紹介を聞くことができ、記憶しようと意識するので、名前や人となりを覚えやすくなります。
必要なもの
- 集合型…特になし。グループで行う場合は、事前にグループ分けしておく
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておく
【自己紹介系】➁他己紹介
自分ではなく他者を紹介するのが他己紹介です。
人数が多い場合は、いくつかのグループに分けて行うとよいでしょう。オンラインでグループワークを行う場合は、web会議ツールのグループセッション機能を活用します。
手順
2人ずつでペアを組み紹介する内容を考えます。そしてその他のメンバーに向けて、相手を紹介します。
誰かに紹介してもらうと、自分がどのように思われているのかについての発見があります。また、紹介する相手について考えることで、新たに気付くこともあるでしょう。
他己紹介は全く知らない者同士でも行うことができますが、ある程度お互いを知っている者同士でもさらに深く相手を知ることができるため、入社2~5年目の社内研修にも活用することができます。
必要なもの
- 集合型…特になし。あらかじめグループ内でペアを決めておく。
- オンライン型…web会議ツールのグループセッション機能で事前にグループ分けしておく
【自己紹介系】③「実は私…」(オンライン/集合型)
自己紹介を行う時に最初に「実は私…」と付け加えてから話し出す自己紹介です。
手順
「実は私○○です。」と今まで周囲が知らなかったようなプライベートな内容を発表します。
プライベートな内容といっても、趣味や飼っているペットのこと、好きな食べ物や苦手の食べ物、好きな歌手など、当たり障りのない話題で構いません。「実は私…」というだけで、人は「何を言い出すのだろう?」という相手への興味が広がります。
このアイスブレイクは、相手の意外な一面が見えるため、より深く親睦を図ることができます。
必要なもの
特になし
【トーク系】④GOOD&NEW(オンライン/集合型)
アメリカの教育学者ピーター・クライン氏が組織の活性化を目的に考案した手法です。
手順
1日(24時間)の間で身の回りで起こった、良いことや新しいことを制限時間内にスピーチします。スピーチの時間は1人30秒から1分程度でOKです。
相手がスピーチする間は他の人は口を挟まないようにします。全員が話す機会を得ることができるので、お互いを理解する手助けになります。
必要なもの
特になし
【トーク系】➄好きなものZoomイン(オンライン)
オンラインを活かしたアウトブレイクなのが『好きなものZoomイン』です。web会議ツール「Zoom」などで使用しているカメラをそのまま活かします。オンラインのみ対応のアイスブレイクとなります。グループ分けして行ってみてもよいでしょう。
手順
やり方は簡単。各々が自分の好きなものを用意します。それをカメラに近づけて、アップで表示させます。他の人にそれが何なのかを当ててもらうゲームです。
そのものの上の部分や下の部分だけなど一部をアップにしておき、徐々にカメラから遠ざけ全体を映すようにしてもよいですし、ヒントを口頭で伝えていってもいいでしょう。
好きなものの実物を用意するのが難しい場合は、絵や文字を使っても行うことができます。
必要なもの
- オンライン型…各参加者に自分の好きなものや、気に入っているものなどを用意してもらうように告知しておく。グループ分けする場合は、事前にweb会議ツールのグループセッション機能で事前にグループ分けしておく
【トーク系】⑥共通点ゲーム(オンライン/集合型)
共通点ゲームは、誰もが参加しやすい簡単なゲームです。
基本的にグループワークで行います。オンラインでグループワークを行う場合には、Zoomのブレイクアウトルームなど、web会議ツールのグループセッション機能を使い、事前にグループ分けの設定を行っておきます。
手順
まずは4~5人のグループに分かれます。グループ内で全員の共通点を探します。
例えば「全員iPhoneユーザーだ」「全員トマトが嫌いだ」といった事柄です。
より多くの共通点があったチームが勝ちとなります。
全く知らない相手でも、共通点があることで親しみを感じることができるため、より早く打ち解けることができます。
必要なもの
- 集合型…特になし。事前にグループ分けしておく
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておく
【トーク系】⑦サイコロトーク(オンライン/集合型)
参加者がアドリブでいわゆる「テーマトーク」を披露し、人となりを明らかにするアイスブレイクです。こちらもグループで分けて行うことで、よりグループ内の親密度が上がります。
手順
オンラインでは進行役が、対面では参加者本人がサイコロを振り、出た目に書かれているお題に沿った内容を話します。
お題は「好きな食べ物」や「最近はまっていること」だと、誰にとっても話しやすいでしょう。
必要なもの
- 集合型…1つの面に1つのお題を書いたサイコロ。パーティーグッズとして販売されているものを活用してもよい。事前にグループ分けしておく。
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておき、各チームリーダーに事前にサイコロを渡しておく
【トーク系】⑧英語禁止自己紹介(オンライン/集合型)
英語禁止自己紹介は、わかりやすいルールで取り入れやすいアイスブレイクです。こちらもグループに分かれて行うのがおすすめです。
手順
参加者は、英単語を使わずに自己紹介します。普段当たり前のように使っている単語を言い換えるのに、意外と苦戦することもあるでしょう。
仕事に関する内容を盛り込むようにすると、難易度がアップし、その場がにぎわう可能性が高まります。
必要なもの
- 集合型…特になし。事前にグループ分けしておく。
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておく
【ゲーム系】➈たけのこニョッキ(オンライン/集合型)
「たけのこ、たけのこ、にょっきっき」という掛け声とともに、合掌した手をタケノコのように上に突き上げるゲームです。
手順
手を突き上げながら『いちニョッキ!』、『にニョッキ!』と「宣言順+ニョッキ」を他の人と被らないように宣言していきます。
最後にニョッキと言ったり、宣言が被ったりすると負けになり、負けるとゲームから抜けていきます。最後まで残った人が勝ちとなります。
全体でやるよりは、6~7名くらいのグループで分かれて行うと、より盛り上がれます。
また、チーム対抗にして、長く続けられたチームを勝ちとしてもよいでしょう。その場合は、あらかじめ、チームメンバーがだれかと被った場合には一からやり直すなどのルールを決めておきます。チーム対抗にすると、チームに団結力が生まれ、より長く続けるために何をすべきか考えるためチームビルディングのスキルも身に付けることができます。
必要なもの
- 集合型…特になし。事前にグループ分けしておく
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておく
【ゲーム系】⑩○×クイズ(オンライン/集合型)
質問者の問いに対し、〇か×かを答えるゲーム。集合型の場合は〇×の札を使い、オンラインの場合はweb会議ツールの投票機能を活用するとよいでしょう。
手順
グループ又は全体で、順番でクイズ出題者を決め、ある特定の人に関する質問を出します。参加者の自己紹介を兼ねたクイズにすると、相手のことを楽しく理解することができるでしょう。
例えば、
Aさんはポーカーフェイスなのに実はお化けがこわい。〇か×か
Bさんの飼いネコの名前は たま すず みけ のうちどれか
など、より親しみが生まれるような内容にすると、受講者同士の距離をぐっと縮めることができます。
オンラインの場合、web会議ツールの投票機能を使ってクイズ出題者が質問を入力し、それに対して、〇か×、あるいは選択式で回答してもらうことができます。
必要なもの
- 集合型…「〇」や「×」の札、あるいは回答の選択肢を書いた紙など
- オンライン型…web会議ツールの投票機能を活用
【ゲーム系】⑪これ何だ?(オンライン/集合型)
お題から絵を描いてもらい、当ててもらうゲームです。
手順
3名くらいにお題を見せ、それについて絵をかいてもらいます。他のメンバーでそれが何であるかを当てます。
絵が下手でも、伝え方の工夫をするなどで伝えることができます。
必要なもの
- 集合型…スケッチブックとペン。
- オンライン型…web会議ツールのホワイトボード機能を活用
【ゲーム系】⑫ジェスチャーゲーム(オンライン/集合型)
お題をジェスチャーで伝えるゲームです。
手順
個人同士でより早く正解することを競ったり、チームを組み、制限時間内にいくつ伝えられたかを競うこともできます。相手の様子を見ながら伝え方を変えるなど、いかに臨機応変に対応できるかがカギになるゲームです。
進行役は事前にいくつかのお題を考えておきます。「動物」や「スポーツ」、「楽器」などが定番で、難易度が高めの「場所」や「有名人」、季節行事にまつわるお題を取り入れるのもおすすめです。
必要なもの
- 集合型・オンライン型…お題の書いた紙。事前にグループ分けしておく。
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておく
【ゲーム系】⑬ミュートでしりとり(オンライン型)
オンラインでぜひ取り入れてみてほしい、シンプルなゲームです。グループに分けて行い、グループ内で無言で口の動きやジェスチャーだけでしりとりを続けます。
音声なしで伝えるには、口を大きく開けなければなりません。顔の筋肉をしっかり使って、若干オーバー気味に表現することで、研修本編に入ったときに発言することへの抵抗感を減らしてくれるというメリットもあります。
手順
グループに分かれて、無言でしりとりを行います。
最初に言葉を発する側は、声を出さずに口の動きやジェスチャーだけで言葉を伝えます。オンラインの場合は、マイクをオフにするとよいでしょう。次にしりとりを続ける人は、相手の口の動きやジェスチャーをみて、相手の言葉を連想して、次の言葉に続けます。最後の人まで回ってきたら、一人ずつ、伝えたかった言葉を発表。正解した言葉が多いほど、得点が加算されます。
必要なもの
- 集合型…事前にグループ分けしておく。
- オンライン型…web会議ツールのグループセッションで事前にグループ分けしておく
【ゲーム系】⑭かぶったらNGゲーム(オンライン/集合型)
「かぶったらNGゲーム」は、参加者の個性がよく分かるゲームです。お題に対してかぶらない回答の点数を競い合います。チーム対抗戦でも盛り上がります。
手順
進行役が出したお題に対して、参加者は思い思いの回答を紙に書き込み、同じタイミングで全員に一斉に見せます。
お題の一例は、「青いものといえば」「お弁当のおかずといえば」「〇〇〇(有名アニメ)のキャラクターといえば」など、回答内容がほかの誰ともかぶらなかった人に、ポイントが入ります。
またオンライン研修の場合「お題に沿ったものをカメラの前に持ってくる」というパターンでも盛り上がります。
チーム対抗戦にする場合には、4~6名のグループに分けて、グループ内でかぶらなかった回答を1ポイントとして得点を加算していきます。
必要なもの
- 集合型…参加者の人数分の紙とペンを用意。進行役はお題をいくつか考えて控えておく。
- オンライン型…web会議ツールのホワイトボードを活用したり、参加者全員がそれぞれ紙とペンを用意して書いたものをカメラに向けて見せ合うなどする。
【ゲーム系】⑮かぶってもOKゲーム(オンライン/集合型)
「かぶってもOKゲーム」は、「かぶったらNGゲーム」の逆バージョンです。
手順
手順は「かぶったらNGゲーム」と全く同じですが、かぶっている人数が多いほど、獲得ポイントが増える仕組みです。
数人ごとのチーム対抗戦にして、メンバーが書きそうなことを想像する時間は、チームワークを高めるのにも有効です。
必要なもの
- 集合型…参加者の人数分の紙とペンを用意。進行役はお題をいくつか考えて控えておく。
- オンライン型…web会議ツールのホワイトボードを活用したり、参加者全員がそれぞれ紙とペンを用意して書いたものをカメラに向けて見せ合うなどする。
【ゲーム系】⑯大喜利(オンライン/集合型)
大喜利はテレビやSNSなどでも人気の、場を和ませるのに最適なゲームです。
手順
参加者はお題に対して「くすっと笑える回答」を考え、回答を書いた紙を見せながら発表します。
思いついた人から挙手制で発表しても、順番を決めて発表してもよいでしょう。
必要なもの
- 集合型…参加者分の紙とペン。進行役は、事前せお題を集めたwebサイトを参考にしてお題を用意。市販のカードゲームを利用してもよい。
- オンライン型…web会議ツールのホワイトボードを活用したり、参加者全員がそれぞれ紙とペンを用意して書いたものをカメラに向けて見せ合うなどする。
アイスブレイクの注意点
アイスブレイクは場の空気を和ませ、組織内のコミュニケーションを活発化するための方法です。明確に目的を定め、成果を得るためにも、以下の点に注意して実施しましょう。
目的を明確にする
アイスブレイクの目的がはっきりしていないと、ただの雑談の場になりかねません。
軽い自己紹介の場にしたいのか、互いをより深く知るために行うのか、短時間で緊張を解くために行うのかなど、目的をしっかりと設定した上で実施しましょう。
受講者層にあったアイスブレイクを選ぶ
研修は、新入社員研修もあれば、2年目・3年目研修、リーダー研修、管理職研修などさまざまな層を対象としています。受講者が初対面同士の場合もあれば、ある程度知っている場合も考えられます。そのため、受講者層を考えながら、アイスブレイクを選ぶ必要があります。
例えば、受講生同士が初対面の新入社員向け研修なら「記憶力系自己紹介」や「他己紹介」、ある程度互いを知る入社1~5年目の若手研修では「実は私…」など違う一面を見ることができる手法がおすすめです。
時間を決めておく
アイスブレイクが楽しくてつい長引いてしまうことがあります。しかし、アイスブレイクの本来の目的は、場の緊張をほぐし親睦を深め、研修をスムーズに進行することにあります。あくまで研修のウォームアップにすぎないため、時間をかけ過ぎないように気を付けましょう。
たくさんの種類があるアイスブレイク。研修の受講者層や目的を加味して、よりよい手法を選んでください。
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