「ちがいを豊かさに」
~共に生きる社会をつくるために~

岩山 仁 いわやまじん

大手前大学 非常勤講師
多民族共生人権教育センター 理事

想定する対象者

行政の職員研修および行政による人権啓発研修・講演会の受講者

提供する価値・伝えたい事

年間自殺者が30,000人を超す国、ニッポン。
戦争も紛争もなく、街中にモノがあふれ、表面的には豊かで平和な社会で、何が起きているのか、現状の社会の課題をふりかえる。

多くの「ちがい」を持ったもの同士が、ひとつの社会で共に生きていくためには、どうしたら良いのでしょうか?
人々を「自死」に追い込む現代社会の問題点に迫り、これからの社会、そしてその社会に暮らすわたしたちに必要なことは何かを問いかけ、本当の豊かさ、ひとりひとりの人間が尊重される社会を実現するために大切な気づきについて、ワークを交えながらお話します。

内 容

*まずは自分にとっての「あたりまえ」を見直し、社会における課題に気づこうとする「意識」、それを見出す「目」、関わっていく「行動力」が大切。ワークを交えて実感する体験型研修。

1. 「ちがい」と「排除」

1) 無意識の排除・差別

① マイノリティ:少数派。社会的に弱い、不利な立場にあることを意味する。

② マジョリティ:多数派。社会的に強い、有利な立場にあることを意味する。

③ 自分の気がつかないところで誰かを傷つけていないか?

  ⇒ 無意識の排除、無意識の差別        

④ アイデンティティ・クライシス (自我喪失の危機)

⑤ 内集団:人がそこに所属して帰属感を覚え、そこのすべての成員に同じように
      「うち」とか「われわれ」という意識をもっている集団や集合

⑥ 外集団:「よそもの」とか「彼ら」意識を感じ、違和感や敵意を持つ集団や集合

⑦ 心理的グループ(仲間意識) をつくることが排除・差別につながることもある!


2) 「アイデンティティ」と社会的排除

① アイデンティティを形成する要素は多様

② 個人的アイデンティティ
  →性格や能力等内的属性の点から、自分が他者とは異なる存在であると理解すること。
    
③ 社会的アイデンティティ
  →自己と所属集団を同一化し、所属集団の一員として自己を理解し行動すること。

④ 自分では決められない、自分では変えられない要素・属性で社会的アイデンティティを求められてしまうと社会参加できない人を生み出してしまう!⇒社会的排除



3) 社会的特権とマイノリティ

① 知らない、 気づかないということが、排除や差別に繋がっている!

② あたりまえなことが「社会的特権」になっている⇒  マジョリティ  本位の社会

③ 選挙など多数決ではマイノリティの意見は無視される!



4) 共存と共生

① 毎年 3万人前後の人が自死に追い込まれる異常な社会

② コミュニケーション、思いやり、つながりがなくなり、共に生きることがない社会

③ ちがいを社会の豊かさに!



5) 差別・人権侵害を生むメカニズム

① 体験や他者の体験をもとにした意見の参照、社会的刷り込みをもとに

  思い込み ⇒ 偏見が生まれ、 差別が起きる。

② 自分を守るために他者を攻撃

③ 自分の利益を確保するために他者を貶める

④ 行動がまた体験となり、再びインプットされ、思い込み、偏見、差別が強固になる。

   ⇒「自分が正しい」と思い込む ⇒ ヘイトスピーチなどのあからさまな差別行動

⑤ 権力者、メディアなど影響力の強い者によって社会的刷り込みが行われる



2. 「共に生きる社会」をつくるために

1) 気づこうとする意識 ~マイノリティへの視点~

  「あたりまえ」を見直す


2) 問題を発見できる目 ~社会的課題に気づくための知識~

偏りのない知識と客観的視点を持つ


3) 解決のための行動 ~自己と社会の変革~        

① 「ちがい」を認め合う                    

② 平等な社会参加を可能にする制度                       

③ 「自分の正しさ」を主張するよりお互いにHAPPYになれることを考える
 
                          
☆人権とは、人が幸せに生きる権利                      


4) パラダイムシフト
  →ものごとの捉え方、枠組を変えていくこと

①  自分  のワクを超えて考え、行動する。

②  組織  のワクを超えて考え、行動する。

③  地域  のワクを超えて考え、行動する。

④  時間  のワクを超えて考え、行動する。


以上1.5〜3時間
時間枠によって、挿入するエピソードやワークなどを入れ替えます。

根拠・関連する活動歴

阪神大震災を契機に設立されたNPO多文化共生センターでボランティアをはじめたところから、センターの職員を経て、事務局長を兼務しながら株式会社グローバルコンテンツ設立、代表取締役就任。
在日外国人向け多言語情報提供事業を行う。また、多文化共生センターと大阪府の協働事業で行った研修や制作した人権啓発ビデオでのワークショップが好評で、各地で講演、ワークショップに呼ばれるようになり、大学でも教鞭をとることになる。

法務省 人権擁護局 人権啓発指導者養成研修講師
京都府 人権啓発指導者養成研修 講師
大阪府 人権教育・啓発指導者養成講座 講師
大阪府 主任介護支援専門員研修 人権研修講師

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