医療現場でのコンフリクトマネジメントを日常に活かす
~苦情・クレームは怖くない~

永井弥生 ながいやよい

医療コンフリクトマネージャー
医学博士、皮膚科専門医、産業医

想定する対象者

すべての職種の医療者、これから医療者となる学生

提供する価値・伝えたい事

怒りを聴くのは嫌だと思うかもしれませんが、怒りとはどのようなものなのかを知っていれば、対応の方法を冷静に考えられます。怒っているときに出ている言葉は表層の想いのことがあり、しっかり話を聴くことで、本当の問題、相手の価値観や深層の想いに気づくことで解決にいたることがあります。また医療事故のときには詳細な事実調査をしますが、「事実」と「言っている言葉」「深層の想い」を冷静に判断するように意識すると、対応する自分自身も楽になります。

内 容

医療メディエーション、医療事故対応の実際から、日常にも役立つコンフリクトマネジメントの概論をお話する。

・怒りとは何か。
・医療のコンフリクト、対立・紛争といった表だったものだけでなく、胸に秘めた不満や葛藤もコンフリクト。コンフリクトが大きくなる前に、早く気付くためには日頃の対話が重要。
・怒りは中立的な自分をもってしっかり聴く。傾聴と承認、共感が必要。
・人は信頼できると思う人にしか話さない。この人は話を聴いてくれる人、信頼できる人、と思うかどうかは、話し手が決める(感じる)こと。
・言っていることが必ずしも本当の思い出はないこともある。表層の言葉(ポジション)、深層の想い・価値観(インタレスト)を医療メディエーションの概念を使って解説。
・医療事故調査では事実を詳細に、客観的に判断する。事実と関わる人の想い、それぞれの立場を客観的にみていくことが必要。
・医療メディエーター(医療対話推進者)の立ち位置を学び、自分が中立的になることで、怒りを聴くことを嫌なことと思わずに聴くことができる。中立的・客観的な自分をつくることは、人生の悩みや不安への対処にも有効。

* 時間や人数によって、傾聴や対話のワークを交える。

根拠・関連する活動歴

2011年より医療メディエーター協会シニアトレーナー(全国に40名ほどいるが、女性医師では全国唯一)として病院内での苦情紛争対応、医療事故対応および研修講師として指導に当たる。2014年、群馬大学病院において、医療安全管理部長として腹腔鏡下肝切除術の医療事故に気づいて指摘、その後の事故調査、院内改革、すべてのご遺族対応を担当した。医療メディエーションを学び指導に当たってきた実績と史上最大ともいえる医療事故対応における実践は他に類をみない。医療のリスクマネジメントから社会への発信をコンセプトにさらに活動を展開している。

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