睡眠品質の安全性

村田一郎 むらたいちろう

NPO法人品質安全機構 理事長
品質安全コンサルタント

想定する対象者

ヒトにとって、睡眠は体を維持健康にする、最も重要なものです。断食よりも断眠は危険な行為です。
その睡眠とはどんな品質かを、安全的見地と実用的見地から分かりやすく講演します。
睡眠に対する間違った思い込み
1.長い睡眠が良い
2.早く睡眠に入るのが良い
3.深い睡眠が良い
何れも睡眠品質から見れば?

提供する価値・伝えたい事

【睡眠のメカニズム】
睡眠の2種類
1.レム睡眠 (Rapid eye movement sleep、REM sleep)
2.ノンレム睡眠 (Non-rapid eye movement sleep、Non-REM sleep)
どちらも違う重要性
3.睡眠品質の3工程
①ステージI(N1)傾眠状態。脳波上、覚醒時にみられたα波が減少し、低振幅の電位がみられる。
②ステージII(N2)脳波上、睡眠紡錘 (sleep spindle) がみられる。
③ステージIII(N3)低周波のδ波が増える(20% - 50%)。ステージIV(N4)δ波が50%以上。
4.年齢によって睡眠ni必要時間を知ろう。(全米睡眠財団による推奨睡眠時間)
①新生児 (0~3 ヶ月) 14 ~ 17 時間
②乳児 (4~11 ヶ月) 12 ~ 15 時間
③幼児 (1~2 歳) 11~ 14 時間
⓸就学前 (3~5 歳) 10 ~ 13 時間
⑤学童 (6~13 歳) 9 ~ 11 時間
⓺青年 (14~17 歳) 8 ~ 10 時間
⑧若年者 (18 ~ 25 歳)、中年者 (26~ 64 歳) 7 ~ 9 時間
⑨老人 (65 歳以上) 7~ 8 時間

内 容

以下を豊富な図版を使って分かりやすく講演します。
・睡眠時間が短くなるほど食欲が亢進しやすく肥満になるリスクが高くなる。
・慢性的な寝不足状態にある人は高血圧、糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患や脳血管障害といった生活習慣病に罹りやすい。
・免疫力を低下させ、インフルエンザなどの感染症や癌の誘因や増悪因子になる。
・脳は睡眠中に、昼間体感・学習した情報から余計な情報を省いて効率よく整理し、長期的な感覚や記憶として処理される。
・「寝貯め」「まとめ寝」も、寝不足は解消できるが、長時間睡眠により睡眠の質が下がったり、睡眠バランスや体のリズムを崩すためよくない。
・「熟睡」状態は「ぐっすりと~」と表現される。。医学的にはノンレム睡眠のステージIII・IVの徐波睡眠を指し「深睡眠」とも呼ばれる。脳機能の回復と記憶の再構成にはこの状態に入ることが重要。
・若い人の場合、男性に比べて女性の方がステージIII・IVの徐波睡眠の量が有意に多い。
・20歳代を除けば総睡眠時間は男性の方が長い。
・高齢になると男性のほうが昼寝する人の割合が高いことから、男性に比べて女性の方が効率良く質の高い睡眠が取れている。
【熟睡のポイント】
・睡眠サイクル(体内時計)を固定する。特に起床時刻を一定にすることが重要。
・、起床時に太陽の光を浴びることをあなどらず、面倒でも必ずしっかりと日光を浴びる。
・日光を浴びた後1時間以内に朝食をとる。
・寝る数時間前に運動や入浴をして体温を上げることで、眠りに就くときに体温が急激に低下する。これを利用すれば眠りに入りやすくなる。
・寝る予定の30分?2時間前から照明をしっかり暗くすることでメラトニンの分泌を促す。
・毎日の食事で炭水化物とたんぱく質(トリプトファン)をしっかり摂取する。トリプトファン摂取→セロトニン合成&分泌→メラトニンができる。
・昼食の後の昼休み時間、午後の作業再開までの間、15分?30分程度の短い睡眠をとる。午後の事故発生率が低くなる。
・2014年の調査では平均睡眠5時間44分と、世界最悪の水準まで短くなっている。
【昼寝】
・昼寝は、事故の予防・仕事の効率アップ・自己評価のアップなどが期待される。
職場・学校などで昼寝が最近、奨励されるようになっ・昼寝により、脳が活発になるため、独創的なアイデアが浮かびやすい環境になる。
・40分以上の昼寝は、メタボリックシンドロームのリスクを増加させる。
・30分以上睡眠をとると、多くの人が深睡眠に入り寝起きが悪くなる。

根拠・関連する活動歴

当機構の講演実績
http://park21.wakwak.com/~safety/koenzisseki_180823.pdf

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