向田啓子ひとり語り
「口で歩く」

向田敬子 むこうだたかこ

舞台女優

提供する価値・伝えたい事

『口で歩く』(丘 修三作)は、障害者の問題を取り上げた作品を多く発表している丘氏の作品群の中で、彼がたどり着いた一つの到達点を示すものです。
この作品には、モデルがあります。
四国に住むUさんという方で、先天性骨形成不全という難病患者で生まれ、生まれつき骨の生育、形成が悪く、寝たきりです。その彼が、彼なりの方法で自在に旅行するのです。
「彼は自力で自分の世界を切り拓き、障害者の自立ということに新しい形を生み出した。私はその自在な生き方を、子どもにもわかる形で示したいと思いこの作品を書いた。彼の生き方には私たち健常者も学ぶものが多々ある。」(丘氏の言葉)
人としていかに生きるか・・・。人はどうあるべきか・・・。この作品を通して何かを感じ取っていただきたいと思います。

内 容

◎口演時間は、70分です。

<あらすじ>
主人公タチバナさんは、生まれてから歩いたことがなく、ずっと寝たっきりです。
でも、彼は「口で歩く」人なんです。
車輪つきのベッドに寝そべったまま道路で待ち、通りかかった人に押してくれるように頼み目的地まで行くのです。
この日、タチバナさんは友達の家に遊びに行こうとしていました。自分を閉じこめずたくさんの人に出会うために「百里の道も一歩から」といいながらどんどん散歩するのが彼の流儀。でも気軽に押してくれる人は多くありません。
しぶしぶながらも予備校の所まで押してくれた浪人生。あやしげな信心を押しつけるおばさん。家族からボケ扱いされ話相手のないおじいさんや不登校の男の子・・・。
さまざまな人生に出会いながら、車イスの友達上野さん宅にやっと到着。いろいろ心ない仕打ちや言葉もあった一方、タチバナさんを頼りにし、彼に励まされた人もいました・・・。


<著者>
丘 修三(おか しゅうぞう)
1941年 鹿児島県に生まれる。
大学卒業後、教育大付属桐ヶ丘養護学校を振り出しに、養護学校教師として25年勤務。
91年 病気退職後、文筆生活に入る。
作品に、『ぼくのお姉さん』(偕成社)
    『福の神になった少年』(佼成出版)
    『神々の住む深い森の中で』(フレーベル館)
    『あんちゃんが行く』(岩崎書店)
    『ワンピース戦争』(童心社)
    『ぼくのじんせい』(ポプラ社)  などがある。

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