昨年(2020年)はコロナ禍で多くの講演がキャンセルや中止となりました。
その中で、参加者に何とか元気を届けたいとオンラインという形で実施をしたところもありました。
本案件の主催者様も、そんな考えからオンラインで開催したところの一つです。
オンライン開催に至るまでの流れと当日の様子を主催者様にお聞きしました。

講演テーマ: 【オンライン版】劇団四季と営業でTOPを経験した講師が伝える「高いモチベーションを維持する秘訣」
講師   : 佐藤政樹 氏
開催日時 : 2021年1月下旬
講演時間 : 1時間半
聴講者人数: 約55人
使用ツール: Zoomミーティング
講演タイプ: C. 講師から個別視聴者へ生配信

「組合員を元気づけたい」という思いがオンライン開催のきっかけに

Q.まずはオンライン講演を行うことになったきっかけを教えてください。

企画担当者: 当組合では、定期的に外部から講師を呼び、組合員に向けたセミナーを開催しています。毎年春に年間スケジュールを立て、それに基づいて開催していますが、昨年(2020年)4月に出された最初の緊急事態宣言で、全ての計画を見直さなければならない状況となりました。
しかし、「組合員の意識向上のため学習の機会の提供」という当組合の活動目的に加え、こんな状況下で特に不安やストレスを感じている組合員の皆さんを何とか元気づけたい!という思いもあり、システムブレーン(SB)の樂木さんにご相談しました。すると、感染予防対策もでき、高い教育効果が得られると、オンラインでの開催方法を提示していいただきました。それで、すぐに上層部にかけあって、オンライン開催の許諾をとりました。

Q.オンライン開催に関する抵抗感のようなものはなかったのでしょうか?

企画担当者:そうですね。日ごろから会社でweb会議ツールを使用しているので、オンライン実施に関して「難しい」という気持ちはありませんでした。とはいえ、オンラインに対して抵抗はなくても、「オンラインセミナー」に対しては全くの素人です。そこはプロにお任せすることにしました。

Q.オンラインセミナーを実施する上で、一番気がかりだった点は何でしょうか?

企画担当者: 一度はオンラインセミナーをすると決めたものの、やはり「他の労働組合さんはどんな風にしているのか」「いつぐらいの開催が多いのか」「著名な講師はオンライン講演が対応できるのか」などいろいろな疑問が浮かんできました。それで、一度御社(SB)にお電話差し上げました。
(SBの)新井さんとお話しをしましたが、コロナ禍でほとんどの労働組合はオンラインに切り替えていることや平日なら定時後(18:30頃など)、土日なら午前中の開催が多いなど、ご丁寧に教えていただけました。今までに想定されていないコロナ禍に他の労働組合さんもバタバタとされているという話を聞いて、「自分だけではないんだ」と思われ、少しホッとしました。

Q.そうなんですね。確かに、昨年は未曾有の病禍で、弊社の現場も対応に追われていました。

企画担当者: 今は少しこの状況に慣れてきましたが…。とにかくあの頃はセミナーだけでなく、勤務先も対処に迫られ、てんやわんや。みんな、とにかく疲れていました。だからこそ、このようなセミナーが必要だと思ったのです。

Q.確かに、今回のテーマは「モチベーション向上」ですよね。講師に佐藤さんを選ばれた理由を教えてください。

企画担当者: 今回は対象者は中堅の組合員です。社内で技術的なスキルを高めていくことはできますが、技術軸以外で自分を高めるコツに関しては教わる機会はありません。そのために、自分のモチベーションや視野を拡大させ、マインドセットを熟成できる講師を探していいただきました。
佐藤さんは、劇団四季や営業畑を経験され、劇団で身に付けた表現法と営業で体得した伝達スキルをもとに、マインドセットの切り替え方をテーマに講演されている方です。(SBの)樂木さんからのおすすめもあり、佐藤さんに依頼することにしました。
こちらが指定する日時でスケジュールを調整していただいたのですが、一度目は時間が合わず。二回目の調整で何とか佐藤さんのスケジュールを押さえることができました。

より明確化できたリハーサル

Q.本案件は、実施前にリハーサルをしたとお聞きしています。リハーサルの様子を教えてください。

企画担当者:昨年12月中旬に、私共の関係者とSBの樂木さん、講師の佐藤さんと3人でリハーサルをしました。本当にやって良かったと思っています。
というのも、リハーサルで講師と事前に顔合わせができ、さらに接続環境が確認できること、また講演内容についてもさらに具体的に話ができたので、とても実りのある時間となりました
リアルでの開催では、講演前に講師と対面できますが、オンラインではそうもいかないので、このような時間を設けていただけたお陰で、当日安心して講演に臨めました。
また、こちらの要望を直接講師の佐藤さんにご相談することもできました。

Q.リハーサルではどんなことを話されたのでしょうか?

企画担当者:講演でブレイクアウトルーム機能を用いるか、講師の配信会場をどこにするかなどです。講演内容については、事前に煮詰めていたたため、お互いの相違はありませんでした。Zoomにはグループ分けのできるブレイクアウトルーム機能というものがあり、それを使いたいと佐藤さんから提案があったのですが、そういった機能の使い方がわからないため、どうしたものだろうと一瞬迷いました。

Q.結局、ブレイクアウトルームは使用したのでしょうか?

企画担当者: はい、佐藤さんは聴講者の主体性を重んじて参加型ワークを多用されるようで、ブレイクアウトルームの目的と効果についてご説明されました。(SBの)樂木さんからも、こちらの機能の設定はそれほど難しいものではないとお聞きしたので、導入することにしました。

聴講者を魅了した1時間半


▲2016年に開催された「TEDxMeijiUniversity」での講演「感動を創造する言葉の伝え方 」の一コマ

Q.当日の様子を教えてください。

企画担当者: 当日は定刻通りに始まりました。佐藤さんはとても雰囲気のある方で、一度口を開くと、佐藤さんの世界観に引き込まれていきました。佐藤さんは伝える、話す力が高く、さすが表現力のプロだと感じました。スライドを効果的に使い、聴講者も最後まで熱心に聴いていました。

講演は、ご自身の挫折した経験を踏まえて、低い自己肯定感からの脱却、そして目的意識をもつ大切さを教えていただきました。

オンラインはどうしても聴講者の参加意識が低くなりがちですが、ブレークアウトルームなどを使い、聴講者を巻き込んで、主体的に気づけるような働きかけをしていただき、最後まで飽きることなく受講できました

講演後、聴講者からアンケートをとりましたが、聴講者の9割以上が「おもしろかった」「興味深かった」との回答がありました。いくつかご紹介します。

聴講者から寄せられた感想の一部

「ポジティブな考え方に変えるだけで、パフォーマンスも良くなるという点は説得力があり、普段の考え方を改めたいと思いました」
「普段は自分が意識もしない内容であったため、このような方法があることを知れたことが良かったです。」
「言葉や行為でモチベーションをコントロールできることがわかり、自分の中にある不安や悩みが消化できました。」
「自分も周囲もモチベーションを高くする行動がとれていないことがわかりました。次回の宿題にします。」

いずれの聴講者も、この講演のおかげで自ら気づき、何かを考えられた点が大いに評価されるべきポイントだと思います。個人的には、最後に歌っていただいたライオンキングに感動を覚えました。

Q.講演は大好評だったということですね。運営自体はスムーズにいきましたか?

企画担当者: スケジュール自体は遅れることなく進行できたのですが、講演中に小さなトラブルがありました。ブレークアウトルームでグループワークをしていた時ですが、ひとりの聴講者がインターネットの接続状況が悪く、途中でルームから脱落してしまいました。幸い、講師の佐藤さんからすぐに連絡があり、当事者に連絡がついて、事なきを得たのですが、事前にこういったトラブルを想定して、その場合の対処法を聴講者に伝えておくべきでした

Q.講演中に接続状況が悪くて、入室できなかったということはよくお聞きします。おっしゃる通り、事前に想定されるトラブルのアナウンスしておくと、もしもの時にパニックにならずに対処できたかもしれませんね。

企画担当者: はい。Zoomの使い方マニュアルのようなものは作成して、各聴講者に送付していたのですが、見ていない人も多かったようです。操作やトラブル対処を説明する時間を別に設けた方がよかったと思います
また、今回は運用するホストをSBさんと講師の佐藤さんにお願いしていたのですが、今回のトラブルは佐藤さんに対応していただきました。しかし、本来ならば私たち運営側がしなければならないことです。私たちも共同ホストとなり、脱落した人を承認できる体制にしておくべきだったと反省しています。
それ以外は、大きな問題もなく、終えることができました。

主催者が考えるオンライン講演のメリット

Q.オンライン講演を終えてみて、オンラインのメリットとデメリットを教えてください。

企画担当者: そうですね。一番のメリットはもちろん接触を避けて開催できること。また、聴講者が遠くから移動しなくても参加できることです。
デメリットではないのですが、受講者がオンラインツールに慣れる必要があります。慣れていない場合、今回のように聴講者が途中で脱落というようなトラブルもありえるため、事前にツールの使い方やトラブル対処法のアナウンスを徹底しておくことも重要です。

Q.今後もオンライン講演をお考えですか?

企画担当者: このような状況(コロナ禍)が続くようなら、しばらくは必然的にオンライン講演となります。しかし、オンライン講演もリアル開催にはないメリットがあるので、例えば、全国各地の支部から組合員が参加する場合などはオンライン開催を続けてもよいのではないかなと思います。

Q.本日はありがとうございました。

【本案件の担当スタッフ】

樂木 悠 らくぎ ゆう
大阪府茨木市出身、1989年8月21日生まれ。岡山、東京、福岡、茨城と様々な土地を転々としています。趣味は映画と日々の運動(水泳やウォーキング)。毎日のコーヒーが欠かせないほど、コーヒー好きです。
スピーディな対応と市場や最新の時事に注目したプラスアルファの提案が強みです。テーマのご相談から講師選定のお悩みまで皆様に寄り添った対応を心がけています。講演に関することで迷ったり、悩んだ時にはぜひご相談ください。
皆様のいい日、いい出会いのお手伝いをさせていただきます!

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