ウェビナーツールとして、日本では主にZoomやGoogle Meetなどが広く知られています。しかし、弊社でも人気のウェビナーツール「Webex」は、ビジネスシーンで使いやすいウェビナーツールとして有名です。
本記事では、そんな「Webex」の特徴や主な機能、基本的な使い方をご紹介します。
■目次
Webexの特徴
Webexは、アメリカ・カルフォルニア州に本拠地を置くCiscoが提供しているweb会議システムで、Zoomと並び、世界的にも利用者の多いシステムといえます。
弊社のオンライン講演では主にZoomが使用されますが、セキュリティ上の理由からZoomではなくWebexを使用するところも多くあります。
Zoomと比較して、Webexは、以下のような特長があります。
- 100以上の言語によるリアルタイム翻訳があり、多言語に対応している
- Meeting(web会議用ツール)ではZoom(500名まで)よりWebexの最大人数(1000名まで)が多い
- Web会議ツールとしてセキュリティ評価のISMAPに初めて認定されるなど、セキュリティ対策が万全
MeetingとWebinarsの違い
WebexにはMeetingとWebinars(旧名: Events(新))、Events (クラシック)の3種類があり、Meetingは一般的なWeb会議用ツール、Webinars やEvent(クラシック)はウェビナーなど大規模イベント用ツールです。Meetingは双方向性のコミュニケーションがとれますが、WebinarsとEvent(クラシック)は主催者が許可しない限り、参加者が自由に発言したり、資料をアップロードしたりすることはできません。
Webinarsは、Event(クラシック)の機能に、本来Event(クラシック)では利用できないMeetingの機能(ライブの字幕と音声テキスト、リアルタイム翻訳、絵文字リアクションなど)を補強させたものです。オンライン講演では、主にこのWebinarsとMeetingが使用されており、人数や使える機能に以下のような違いがあります。
Meeting | Webinars | |
---|---|---|
最大参加人数 | 1,000人 | 10,000人 (ウェブキャスト ビューの場合、最大100,000 人) |
ビデオ | 参加者同士、名前と顔を公開 | 参加者同士の顔や名前は非公開 |
発言 | 双方向 | 主催者側の一方向 ※参加者は自由に発言できない |
画面共有 | 双方 | 主催者側のみ |
参加者が使える機能 | ・チャット ・投票 など |
・チャット ・画面共有 ・Q&A機能 など |
参加人数が100名程度と小規模で、講師と参加者に音声による質疑応答やパネルディスカッションなどがある場合は双方向機能のあるMeeting、参加人数が300名以上と大規模で一方向の講義型の講演の場合はWebinarsを使用すると良いでしょう。
次では、大人数のウェビナーに最適なWebinarsの機能、使い方について解説します。
Webex Webinarsの機能
Webex Webinarsには、以下のような機能があります。
- 主催者と参加者の他、「共同主催者」と「パネリスト」を設定可能
- ウェビナー録画機能
- リアルタイム翻訳(最大 10,000 人のユーザーをサポートするプランのアドオンを購入した場合に利用可能)
- チャット、Q&A、投票機能
- ブラウザ、スマホアプリなどさまざまな端末から参加可能
- 招待メールカスタマイズ機能
- 自動練習セッション
- リマインダメールの自動送信機能
- 登録データ、参加データをCRMシステムにエクスポート
Webex Webinarsは大規模イベントを想定したプラットフォームなため、双方向性はWebex Meetingと比べるとやや抑えられています。しかし、チャットやQ&A、投票機能、絵文字リアクションを使うことで、参加者のニーズや疑問を汲み上げることもできます。
Webexの料金プラン
Webexには、以下の4つの料金プランがあります。無料プランも用意されていますので、まずは無料プランからスタートし、ツールの使いやすさや配信の安定性などをチェックするのもおすすめです。Webex Webinarsを使用するには、Enterpriseに加入する必要があります。こちらの料金は問い合わせが必要なので、まずはMeetingの無料プランで使い勝手を試してみると良いでしょう。
無料 | Starter | ビジネス | Enterprise | |
月額料金(1主催者あたり) | 0円 | 1,490円 | 2,980円 | カスタム |
ミーティングの長さ | 最大50分 | 最大24時間 | 最大24時間 | 最大24時間 |
参加人数 | 100名まで | 150名まで | 200名まで | カスタム |
特徴 | 画面共有、チャット、メモ、投票、ブレイクアウトなど、ウェビナーとしての機能も多彩 | 無料版の機能に加え、クラウドストレージ上への録画保存(5GBまで)、代理主催者の追加、ファイル転送が可能に | 最大参加人数、録画用クラウドストレージ(10GB)が増加 | 最大参加人数、録画用クラウドストレージのいずれもカスタマイズ可能に。専属担当者によるカスタマーサポートも受けられる |
Webex Webinarsの役割と権限
Zoomにホスト(主催者)、パネリスト(講師)、参加者のロール(役割)があるように、Webex Webinarsでも以下のような6つの役割が存在します。
- 主催者…ウェビナーのスケジュール、開始・終了、参加者管理など多くの権限を持つ。
- 共同主催者…スケジュール以外、主催者と同等の権限を持ち、主催者のサポートが可能。
- パネリスト…講師の役割で、チャットにおける質疑応答、画面共有などが可能。会の開催・終了、参加者管理の権限は持たない。
- プレゼンター…司会者の役割で、パネリストと同格の権限を持つ
- メモ担当者…書記の役割で、ノートや議事録をまとめて公開することが可能。
- 出席者…参加者の役割。Q&A、チャット、反応を送る以外、管理機能の権限はなし。
主な役割の権限は以下の通り異なります。
主催者 | 共同主催者 | パネリスト・プレゼンタ | 出席者 | |
---|---|---|---|---|
ウェビナーのスケジュール | 〇 | × | × | × |
ウェビナーの開始、終了 | 〇 | 〇 | × | × |
ウェビナー開催中、パネリストに招待や通知を送る | 〇 | 〇 | × | × |
ウェルカムメッセージの指定、編集 | 〇 | 〇 | × | × |
参加者のロール変更、強制退出 | 〇 | 〇(主催者と他の共同主催者を除く) | × | × |
パネリストのビデオのオン/オフ | 〇 | 〇(主催者と他の共同主催者を除く) | × | × |
参加者のミュートのオン/オフ | 〇 | 〇 | × | × |
出席者一覧の参照 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
練習セッションに参加 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
権限の多さは、
主催者>共同主催者>パネリスト・プレゼンタ>メモ担当者>出席者
となります。
Webex Webinarsの基本的な使い方
ここでは、Webex Webinarsの主催者側、出席者側に分けて、以下の基本的な使い方をレクチャーします。
【主催者側】
- ウェビナーをスケジュールする
- ウェビナーを開催する
- 画面共有する
- ウェビナーを録画する
- ウェビナーを終了する
【出席者側】
- ウェビナーに参加する
【主催者側】1.ウェビナーをスケジュールする
では、Webex Webinarを使った、基本的なウェビナー開催方法を見ていきましょう。
①Webexにサインインし、イベントを設定する
まず、Webexにサインインし、イベントの基本情報を設定しましょう。
- Webexサイトのメニューから、アカウントにサインインする。
- 「ウェビナーをスケジュール」を選択する。
- トピック、イベントパスワード、日時、最大出席者数を設定する。
トピックでは、参加者にウェビナーの内容が伝わりやすく、かつ楽しみに思ってもらえるような内容を選びましょう。また、招待者以外がイベント参加できないよう、イベントパスワードを設定するとセキュリティ面でも安心です。
最大出席者数では、出席者の最大数とウェブキャストビューを使用するのかを選びます。ウェブキャストビューを使えば最大10万人もの参加者にリーチできますので、より多くの参加者を集めたい場合におすすめです。
②パネリストを設定する
次に、パネリストを設定しましょう。パネリストとは、ウェビナーの運営をサポートしてもらう役割を持つユーザーで、イベント参加者用とは異なるパネリスト用のパスワードが発行されます。もし、パネリスト用のパスワードを使わずイベントに参加すると、一般参加者としてしか参加できませんので注意しましょう。
パネリストに登録したユーザーがWebexのアカウントを持っている場合は、共同主催者に設定することもできます。必要に応じて設定しましょう。
③オプションを設定する
「高度なオプションを表示」をクリックすると、以下のようなオプション機能を設定できます。
- さまざまな種類の音声接続をカスタマイズ
- ミュートオプションの変更
- アジェンダの追加
- 練習セッションの表示
- 自動録画の有無
また、ここまで設定したオプションを今後のウェビナーでも基本設定として使いたい場合は、「テンプレートとして保存」しておくと便利です。
最後に、「スケジュール」をクリックしてウェビナーの開催情報を確定しましょう。スケジュール後は、参加者を招待したり、登録・参加ページをカスタマイズしたり、ウェブキャストの参加者に表示される内容を変更したりできます。
④参加者をイベントに招待する
スケジュール後、参加者をイベントに招待するためのメールが主催者に届きます。メールを受信したら、必要に応じて文面を調整し、参加者に転送しましょう。
【主催者側】2.ウェビナーを開始する
Webex サイトにサインインして 「ミーティング」 を選択し、該当のウェビナーを見つけたら「ウェビナーを開始」をクリックします。
【主催者側】3.画面を共有する
ウェビナー中に画面を共有するには管理画面の「コンテンツの共有」をクリックします。Webexの画面共有では、画面全体の他にも共有するアプリケーションを選べるため、「たくさんのアプリを開いているけれど、今はPowerPointのスライドだけを共有したい」という限定的な共有も可能です。
また、共有画面で「新しいホワイトボード」を選択すると、リアルタイムで自由に描けるホワイトボード画面を共有できます。
【主催者側】4.ウェビナーを録画する
開催中のウェビナーを録画するには、画面下部の「会議の録画」をクリックします。無料プランではクラウド保存ができず、自分のパソコン上に録画を保存するしかないことに注意しましょう。有料プランであれば、保存容量の違いはあるもののクラウドストレージ上での保存が可能です。
また、ウェビナーのスケジューリング時に、「高度なオプション」から自動録画設定にチェックしておけば、開始と同時に自動録画が始まります。
【主催者側】5. ウェビナーを終了する
ウェビナーを終了する場合は、管理画面の「ウェビナーを停止」ボタンをクリックし、「停止」を確定します。
【出席者側】1.ウェビナーに参加する
出席者が参加するには、PCとモバイル、電話の3つの方法があり、それぞれ解説します。
【PCの場合】
- 1.招待メールを開き、「ウェビナーに参加」ボタンをクリック。
※登録が必要な場合は、「登録」をクリックして名前とメール アドレスを送信すると確認メールが届くので、その確認メールを開く。 - Meetings デスクトップ アプリが自動的にダウンロードされるので、それをインストールする。
※アプリをインストールしたくない場合は、「ブラウザから参加」をクリック。 - 「Webex を開きますか?」という画面が現れたら「Webex を開く」をクリック。この画面が表示されなかった場合は、「ウェビナーを開始」ボタンをクリックする。
- ウェビナーに表示する名前を入力して、「自分の情報を記憶する」 にチェックを入れて、「サインイン」 をクリック。
- パスワード入力画面が表示されたら、招待メールのパスワードを入力し、「続行」をクリック。
- ビデオと音声を接続し、「ウェビナーに参加」をクリックする。
【モバイルの場合】
- 事前にWebex Meetingsモバイルアプリをダウンロードしておく。
・IOSはこちらから
・Androidはこちらから - 招待メールを開き、「ウェビナーに参加」ボタンをタップ。
※登録が必要な場合は、「登録」をクリックして名前とメール アドレスを送信すると確認メールが届くので、その確認メールを開く。 - ウェビナーに表示する名前を入力して、「自分の情報を記憶する」 にチェックを入れて、「サインイン」 をタップ。
- パスワード入力画面が表示されたら、招待メールのパスワードを入力し、「続行」をタップする。
- ビデオと音声を接続する。
【電話のみ】
- 招待メールを開き、「電話による参加」に書かれてある電話番号をダイヤルする。
- イベント番号(アクセスコード)の後「#」を押す。
- 8桁のパスワードの後に「#」を押す。
弊社ではWebexを使ったオンライン講演にも対応
Webexはその安全性と機能性から弊社でも多く使われているウェビナーツールです。弊社では、Webexを使ったオンライン講演にも対応しています。
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