オンライン講演を初めて1年近く。
私たち営業は講師の方々をご紹介する仕事だけではなく、主催者様のご要望に応じてプランの開発を行うこともあります。
昨年、私が担当する労働組合市場では、コロナ禍で組合員向けのレクリエーションができず「感染対策をしながら何とかレクリエーションできないか」といった問合せを何度かいただきました。
すぐにオンラインでの方法が思いつきましたが、既存のレクリエーションプランではオンラインで開催できるものがありません。
そのため、労働組合チームでオンラインレクリエーション用のプランを開発することになりました。
今回、ご紹介する案件は、私たちチームが開発したプランの一つとなります。
開発するまでの道のり、そして当日の様子についてご報告いたします。
労働組合・人材育成 担当 森岡 美香子
講師 : 仲野綾花 氏
主催者 : C労働組合様
開催日時 : 2020年6月
講演時間 : 90分
聴講者人数: 80人
講演タイプ: C.講師から個別視聴者へ生配信タイプ
配信ツール: Zoomミーティング
労働組合市場の事情
私が担当する労働組合市場は、他の市場とは少し事情が異なります。
もともと、労働組合の目的とは、労働組合法第2条にある通り、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」であり、労働条件を改善するために経営層と交渉するといったイメージが強いと思います。
しかし、最近では、組合員の知識やスキルの向上、組合員同士の交流や余暇の充実といった目的も重視されるようになっています。
また、労働組合の活動は組合員から徴収される組合費の上に成り立っています。その組合費を全ての会員に還元するためにも、組合活動の一貫として、講演・セミナーや交流会、組合員の家族向けのレクリエーションなどが計画されます。そのため、その年に計画された組合員向けの講演・セミナーやレクリエーションはできるだけその年度内に開催したいという事情があります。
私たちの労働組合チームには、毎年そのような組合員向けの研修や講演とあわせて、家族向けのレクリエーションへの問合せもいただきます。例年は、歌手やマジシャン、漫才師などを派遣して、コンサートやショーなどが開催されています。
ところが、昨年(2020年)は未曾有のコロナ禍に見舞われ、一つの会場に集まって何かをするといったイベントがことごとく中止又は延期となりました。
とはいえ、組合費を徴収している以上、組合活動を延期することもできません。そんな事情もあり、労働組合執行部の方々から、「何とかこのコロナ禍でも開催できるレクリエーションはないのか」といった問合せを何度かいただきました。
労働組合チームで、この件ですぐにミーティングを行いました。リアルでできない状況であり「オンラインで開催しては?」という意見はすぐに出てきました。ウェビナーという方法を模索していた時期でもあり、研修や講演ならともかく、オンラインでのレクリエーションなんてどうしたらよいのかわからない、といったところが最初の感想でした。しかも、レクリエーションの多くが親子をターゲットとしたものであり、親子向けで対応できるオンラインプランを考えなければなりません。
コンサートやショーなどのプランも上がりましたが、それではテレビで視聴するのと何ら変わりありません。ライブでやるオンラインイベントの良さを活かし、「親子で体験でき、参加者全体が一体感を感じられるプラン」を考えることになりました。
ひとまず、ご対応いただけそうな講師に話をかけ、いくつかのプランを提案していただきました。その中には前回のスタッフレポートでご紹介したお菓子の家つくりプランや工作プラン、理科実験プランなどがあります。
そうして、講師の方々からご提案していただいたプランを精査して、プラン内容を煮詰め、いくつかのプランを開発しました。それを弊社のホームページ上で紹介すると、たくさんの執行部の方々からご連絡いただきました。
今回の主催者様も、その掲載プランをご覧になって連絡されたようでした。お問合せ時に、すでにプランは決まっているご様子で、仲野綾花さんの親子ストレッチプランをご依頼いただきました。
仲野綾花さんは『3年B組金八先生パート2』でデビューをし、一時期俳優活動を行っていた方です。しかし、過度のストレスによって左耳の聴力が低下し、俳優活動を断念。離婚などさまざまな辛い経験を体験したのち、「哲学」「心理学」「ヨガ」を学び、自己のメンタルマネジメントを確立。現在は、それらの体験を活かして、モチベーションセミナーやストレッチセミナーなどの講演活動を行い、弊社でも高い評価を得ていらっしゃる講師です。
そんな仲野さんから親子向けのオンラインレクリエーションとして提案していただいたのが、この「お家で家族みんなで楽しくストレッチ!~心と体とお顔をのびのび元気に~」プランです。
ご提案いただいたものの、実は、開催は本案件が初めて。しかも、仲野さんは、普段大人向けのセミナーは何度となく実施されてきましたが、小さい子供向けのイベントの実績数がなく、ご自身も「小さいお子さん向けにどのようにアプローチしたらよいかわからない」と不安のご様子でした。
そこで、私の方から仲野さんに「小さい子供を持つ弊社スタッフが参加して、デモウェビナーを開催してはどうか」と提案いたしました。仲野さんからも「それはよいですね!」とすぐにご快諾いただき、本番の1ヶ月ほど前にデモウェビナーを開催することにしました。
たくさんの意見が寄せられたデモウェビナー
デモウェビナーでは、小さい子供を持つスタッフ総勢10人ほどが参加しました。
仲野さんの声ははっきりとしていて聴きやすく、また時折、紙に文字を書いてご説明されるので「わかりやすかった」というのが第一印象です。「家庭でできるストレッチ」がテーマであり、親子一緒に楽しめる内容でした。
しかし、小さな子どもが90分ずっと集中して楽しめるか?と考えた時に、子ども向けの何か仕掛けが必要だなと思いました。
本案件に参加予定の子どもたちは、幼児から小学低学年を対象としています。そこで、小さい子どもたちに興味を引くように、弊社スタッフから以下のような意見が出ました。
- 服装をカラフルにし、子どもの興味が引かれるようなものにする
- アンパンマンなどのキャラクターオブジェクトをどこかに置く
- ヨガに、キャラクターのポーズを入れる
- 子どもたちが楽しめるように親子で競走などのゲームを採り入れる。
仲野さんは、スタッフのこのような意見から何をすべきか方向性が見えたようでした。こうしたらどうか、ああしたら子どもたちが喜んでくれるのではないか。仲野さんとスタッフの間で、さまざまな意見が飛び交い、とても収穫のある時間となりました。「本番に備えて改良してきます」と仲野さん。どんなプランになるのか、当日期待して待つこととなりました。
▲デモウェビナーの動画
ドキドキの本番当日 子どもたちの様子は?
本番当日。約50組ほどの組合員ご家族が参加されています。当日、仲野さんの背景には、アンパンマンのオブジェクトが置かれ、仲野さん自身も黄色のかわらしいつなぎをご着用されていました。
弊社スタッフの意見にあったと通り、ヨガでアニメキャラクターのポーズを入れてみたり、顔ヨガの効果について解説する際に段ボールで作った顔でわかりやすく解説してくれたりと、とにかく子どもたちを引き込む工夫がふんだんとされていました。
主催者様から後日いただいたレクリエーションのスクリーンショットでは、子どもたちが食い入るように画面を覗き込きこんだり、楽しそうにストレッチしている様子が映し出されていました。
デモウェビナーでの改良点が見事に功を奏し、参加者から「楽しかった」「自宅でできるストレッチなので個人的に参考になった」「仲野さんはオンラインが初めてということでしたが、それを感じさせないほど高いパフォーマンスで子どもたちも楽しく参加していた」など高評価をいただいたようです。
私たちの使命
弊社のミッションは「いい日、いい出会いをプロデュース」です。私たち営業の使命は、ただ講師を派遣するだけではなく、主催者様そして参加者の皆さまが「楽しかった」「ためになった」と実感していただくような出会いをプロデュースすること。その中には、主催者様が望むことをカタチにし、プランとして開発することも含まれます。
プラン開発は、商品開発と似ています。ターゲット層を設定し、どのようにすればユーザーに喜んでいただけるかを考え、チーム内で議論し、コンセプトや使う素材、制作方法などを決めていきます。
弊社の場合は、チーム内、そして講師がともにプラン開発を行います。通常の商品開発は1つの商品につき1回の開発で済みますが、講演プランの場合はそうもいきません。開催する企業の分野や聴講者層、会の目的によって、毎回プランをアレンジしなければなりません。私たちが開発するプランは一つとして同じものはなく、全てがオーダーメイドなのです。
そのため、時にはプランをうまく開発できず、悩むこともあります。そして、時にはお客様の御要望を救い上げることができずに、提案が失敗することもあります。
私はそれを含めて弊社の使命だと思っています。そのような辛さや苦しみも、最後に主催者様や聴講者の方々の笑顔を見るだけで「この仕事をやっていて良かった」という達成感に変わります。
今後も「いい日、いい出会いをプロデュース」をモットーに、主催者様と聴講者の皆さんの心を動かす最高の出会いをプロデュースしていきたいと考えています。「こんなイベントを開催したい」「開催目的はあるけれどどんなプランを選択したらよいかわからない」など、講演・セミナー、レクリエーションについてどんな些細なご質問でも構いません。ぜひお気軽に弊社までお問合せください。
【この記事を書いたスタッフ】
森岡 美香子 もりおか みかこ
岐阜県中津川市生まれ。2011年にシステムブレーンに入社後、労働組合、社内研修を中心に1000件以上の講演・研修をお手伝いしてきました。産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの資格を取得しています。
お客様が講演当日をご安心して迎えて頂けるよう、決め細やかなサポートを心がけています。ご不安なことがありましたら、小さなことでも構いませんので、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。
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