Zoomビデオウェビナーは、オンライン講演(ウェビナー)でよく使われるツールの一つです。通常はライブ配信ツールとして使われることが多いZoomビデオウェビナーですが、視聴時間に縛られないオンデマンド配信も可能です。
そこで、今回はZoomビデオウェビナーでオンデマンド配信を行う方法について、わかりやすく解説します。

Zoomビデオウェビナーのオンデマンド配信でできること

Zoomビデオウェビナーのオンデマンド配信では、どのようなことができるのでしょうか。オンデマンド配信とライブ配信の違いにも触れながら説明します。

Zoomビデオウェビナーのオンデマンド機能とは

Zoomビデオウェビナーには、通常のライブ配信の機能に加え、ウェビナーをクラウドに自動で記録できるオンデマンド機能が搭載されています。アーカイブされた動画は、事前に登録された視聴者だけにリンクが提供されます。
主催者であるホストは、ライブ配信前、ライブ配信中、ライブ配信後にオンデマンドの視聴可能な参加者を登録することができ、登録後にこれらの参加者にオンデマンド視聴の権限を付与することで、視聴者はアーカイブされた動画を閲覧することが可能になります。登録と権限の付与について、後ほど解説いたします。

オンデマンド配信とライブ配信の違い

オンデマンド配信とライブ配信には、以下のような違いがあります。

オンデマンド配信 ライブ配信
・視聴者は、好きな時間に何度でも視聴できる
・双方向のコミュニケーションはできず、一方的な配信になりやすい
・視聴者は、決まった時間にパソコンやスマートフォンの前にいる必要がある
・リアルタイムの双方向コミュニケーションができる

オンデマンド配信は視聴者が好きな時間に何度でも視聴できるという大きなメリットがある反面、ライブ配信のように双方向かつリアルタイムのコミュニケーションはできません。
このことから、オンデマンド配信は、反復学習を必要とする教育コンテンツや一方方向型の講義やセミナーに向いているといえます。

オンデマンドウェビナーの配信方法

では、実際にオンデマンドウェビナーを配信する方法を手順に沿って見ていきましょう。
この機能を使用するためには、有料のZoomビデオウェビナーのアドオンを持っていることが必須で、さらにこの機能を実施するためにはホスト又は共同ホストである必要があります。

①オンデマンドウェビナーをスケジュール・録画設定する

まずは、オンデマンドウェビナーをスケジュールし、録画設定を行います。

  1. Zoomウェブポータルにサインインし、「ウェビナー」タブをクリックする。
  2. 「ウェビナーをスケジュールする」または、既存のウェビナーを編集する。
  3. 「登録」セクションの「必須」チェックボックスをオンにする。
  4. 「ウェビナーオプション」の「ウェビナーをオンデマンドにする」をチェックする。
    ※このとき、「自動的にウェビナーを録画する」にもチェックが入るので、外さないよう注意。録画場所は「クラウド内」にチェックする。
  5. 新しいウェビナーなら「スケジュール」、既存ウェビナーなら「保存」で設定完了。

この設定が完了すると、ウェビナーの説明と一覧にウェビナーがオンデマンドであることを示すアイコンが表示されますので、確認しましょう。

②オンデマンドウェビナーを開催・共有する

オンデマンドウェビナーを開催する場合も、通常のZoomビデオウェビナーと同様、ウェビナーを開始すればクラウドレコーディングも自動でスタートします。特別なことを行う必要はありません。

ウェビナーの共有も自動で行われます。ただし、共有方法は登録したタイミングによってやや異なります。

開始前に登録した参加者:予定された時間に、ウェビナー参加のためのリンクが送付される
進行中に登録した参加者:進行中のウェビナーに参加するためのリンクが送付される
スケジュールされた日時より後に登録した参加者:アーカイブ動画を表示するオプションを利用できる

③登録者を確認する

しっかりとした設定がされてないために、登録された参加者がオンデマンド視聴できない場合も考えられます。以下の方法で確認しましょう。

  1. Zoomウェブポータルにサインインし、「記録」タブをクリックする。
  2. 該当するウェビナーをクリック。
    ※この時、トピック名の横にビデオマークがついていれば、オンデマンド配信可能であることを示している。
  3. 「現在、この記録をオンデマンドです」という言葉が表示され、その下の青文字で表示される「登録者の表示」をクリックする。
  4. 「保留中の承認」、「承認済み」、「却下」という3つのタブにそれぞれの登録者情報が表示される。現在、承認されている参加者は「承認済み」のタブに表示、承認されていない参加者は「却下」タブに表示される。「保留中の承認」タブには承認かどうかまだ決まっていない参加者が表示されるので、承認する参加者には「承認」をチェックし、承認しない参加者は「却下」にチェックする。

④登録設定を編集する

  1. Zoomウェブポータルにサインインし、「記録」タブをクリックする
  2. 該当するウェビナーをクリックし、「登録設定」を選択。
  3. オンデマンド設定が開くので、承認、通知、その他のオプションを選択して、「全てを保存」をクリック
    承認: 登録者が登録直後にアーカイブ動画を視聴できるようにするためには「自動承認」、手動で視聴できるようにするためには「手動承認」をチェック。
    通知:登録者がアーカイブ動画を視聴するためにウェビナー登録した場合、主催者(ホスト)がメールを受信したい場合には、ここをチェック。
    その他オプション: 録画登録ページにFacebook、Twitter、LinkedInのソーシャル共有ボタンを入れたい場合はこちらをチェック。
    質問: 録画登録ページに表示させたい質問を選択する。

共有可能なリンクを発行してメールで送ることも可能

登録した参加者には自動的に視聴URLが送られますが、手動で録画動画の共有リンクを発行して、各参加者にメールに貼りつけて送ることもできます。その場合は、以下の順序で行います。

  1. Zoomウェブポータルにサインインし、「記録」タブをクリックする
  2. 該当するウェビナーをクリックし、「共有」➡「共有可能リンクをコピーする」を選択。
  3. 参加者のメールにリンクを貼りつけて、適切な文言を加えて送付する

オンデマンドウェビナーのレポートを表示する

ウェビナーレポートで、登録者と出席者のレポート(詳細情報)を見られます。いつ参加・退出したか、Q&A、投票、アンケートなどを確認する場合はここから確認しましょう。

  1. Zoomウェブポータルにサインインし、「記録」タブをクリックする
  2. 見たいウェビナーの「トピック」をクリックする

オンデマンドウェビナーのメリット・デメリット

最後に、オンデマンドウェビナーのメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ、配信したいコンテンツがオンデマンド配信に合っているかどうか、よく検討してください。

オンデマンドウェビナーのメリット

オンデマンドウェビナーには、以下のメリットがあります。

  • 好きな時間に試聴してもらえる
  • 必要に応じ、動画を編集・加工してわかりやすくできる
  • 動画の撮り直しができる
  • 長く使えるコンテンツとして配信できる
  • 配信途中でトラブルが起きにくい

オンデマンド配信の最大のメリットは、視聴者の好きな時間に試聴してもらえることでしょう。ライブ配信はどうしても時間が限定されるため、その時間に予定が空いている人でなければ視聴できません。つまり、視聴者に一定の時間を空けてもらうというハードルがあるのです。

しかし、オンデマンド配信なら視聴者が好きな時間にコンテンツを見られるため、より多くの視聴者や忙しくても見てもらいたい視聴者に届けることができます。他にも、撮り直しや加工ができることから長く使えるコンテンツとして配信できること、配信途中でトラブルが起きにくいことも大きなメリットの一つです。

オンデマンドウェビナーのデメリット

一方、オンデマンドウェビナーには以下のようなデメリットもあります。

  • 双方向のコミュニケーションができにくい
  • 参加者の興味関心度合いがわからず、開催後のフォローをしにくい

オンデマンド配信の場合、ライブ配信とは異なりリアルタイムでのやりとりができないことから、どうしても視聴者はパソコンの画面を眺めているだけ、といった一方的な配信になりやすいのがデメリットです。そのため、開催後も参加者の興味・関心度合いがわからず、フォローしにくさにもつながってしまいます。

オンデマンド配信には著作権や肖像権に注意

講演には講師に著作権と肖像権が発生します。そのため、録画した動画の取り扱いには十分に注意する必要があります。

講師の中にはもともと講演の録画・録音を許可していない講師や、期間や参加者の制限など限定配信のみ許可している講師もいます。著名であればあるほど、その傾向が高くなります。オンデマンド配信する場合は事前に講師に承諾をとり、場合によっては閲覧期間やパスワード制限などを設ける必要があります

➡詳しくは「【Zoomウェビナー上級編】参加者を録画禁止にする方法 」を参照。

オンライン講演のオンデマンド配信をプロに依頼する方法も

オンライン講演のオンデマンド配信をどう行えば良いのかわからないときは、プロに依頼してより良いコンテンツを作る方法もあります。

システムブレーンでは、オンライン講演が初めてで何をどう行えば良いのかわからない、という主催者様のためにオンライン講演サポートプランをご用意しています。ライブ配信をそのまま録画するオンデマンド配信はもちろんのこと、収録後に編集したり、主催者様に代わって各種動画サイトにアップロードしたりも行っていますので、お気軽にご相談ください。


SBスタッフによるオンライン講演の事例レポート



 他の記事をみる

あわせて読みたい


Microsoft Teamsの最新の投票機能「ポーリング」と投票アプリ「Polly」の使い方

Microsoft Teamsには投票機能が搭載されているほか…

Zoomで録画したオンライン講演の動画を配信する方法

セミナーなどのオンライン講演の開催時には、配信方法についても事…

まん延防止等重点措置下で講演・セミナー・研修は開催できる? ~その判断基準と実施時の感染対策、中止時の対応について~

オミクロン株の増加により、一部の地域でまん延防止等重点措置が出…


 他の記事をみる