3密を避けてできる、遠方からも参加できるなどのメリットのあるオンライン研修。
一方で、コミュニケーションが深めづらいといった声も聞かれます。
そんなときに活用できるのがアイスブレイクです。
アイスブレイクを用いることで、見知らぬもの同士でも互いに話しかける糸口が見つかり、その後のコミュニケーションの活性剤となります。
そこで今回は、アイスブレイクの必要性とメリット、また実践に役立つ事例をご紹介します。

■目次

アイスブレイクとは?オンライン研修での必要性とメリット

アイスブレイクとは、初対面で緊張した心をほぐすために、研修の前に簡単なゲームや自己紹介などをして、場を和ませる手法のことです
オンラインでは、相手の表情が読みづらく、対面以上にコミュニケーションがとりづらいと感じる人も多いようです。また、互いに緊張したままだとグループワークや議論などがスムーズに進められません。そのためにも、アイスブレイクが必要となってきます。

アイスブレイクのメリットは以下のようなものがあります。

  • 場の雰囲気を和らげることができる
  • 楽しみながら互いのことを知れる
  • 一体感が生まれる
  • 気分転換ができる
  • オンラインツールの使い方を復習できる

アイスブレイクは、初対面で緊張した場を和らげるだけではなく、楽しみながら互いのことを知れるため、受講生同士の一体感も生まれやすくなります。一体感が生まれると仲間意識も芽生るため、そのあとの研修を続ける上で大きなモチベーションとなります

また、講義型だけでは受講生の集中力も切れてしまうため、このようなアイスブレイクを入れることで気分転換ができ、次の課題にも集中して取り組むことができます。

オンラインに不慣れな人にとっては、このアイスブレイクで気軽にツールの使い方を相談できるため、オンラインツールへの抵抗感を減らすこともできます。

ビジネス研修で活用できるアイスブレイク10選

ビジネス研修で採り入れられているアイスブレイクを10パターンご紹介します。
自己紹介系やトーク系などさまざまなものがあります。行う目的に応じて選んでください。

【自己紹介系】①記憶力系自己紹介

記憶力系自己紹介はただの自己紹介ではありません。
自分の前に行われた自己紹介を記憶し、それに自己紹介を加えていくゲームです。

まずは自己紹介する順番を決めます。次に一番目の人は「三重県出身のAです。」と自己紹介します。次のBさんは「三重県出身のAさんの次の東京都出身のBです。」といった具合に、次々と加えていきます。

何度も繰り返し自己紹介を聞くことができ、記憶しようと意識するので、名前や人となりを覚えやすくなります。

【自己紹介系】➁他己紹介

自分ではなく他者を紹介するのが他己紹介です。2人ずつでペアを組み紹介する内容を考えます。そしてその他のメンバーに向けて、相手を紹介します。

誰かに紹介してもらうと、自分がどのように思われているのかについての発見があります。また、紹介する相手について考えることで、新たに気付くこともあるでしょう。

他己紹介は全く知らない者同士でも行うことができますが、ある程度お互いを知っている者同士でもさらに深く相手を知ることができるため、入社2~5年目の社内研修にも活用することができます。

【自己紹介系】③「実は私…」

自己紹介を行う時に最初に「実は私…」と付け加えてから話し出す自己紹介です。

「実は私○○です。」と今まで周囲が知らなかったようなプライベートな内容を発表します。
プライベートな内容といっても、趣味や飼っているペットのこと、好きな食べ物や苦手の食べ物、好きな歌手など、当たり障りのない話題で構いません。「実は私…」というだけで、人は「何を言い出すのだろう?」という相手への興味が広がります。

このアイスブレイクは、相手の意外な一面が見えるため、より深く親睦を図ることができます。

【トーク系】④GOOD&NEW

アメリカの教育学者ピーター・クライン氏が組織の活性化を目的に考案した手法です。1日(24時間)の間で身の回りで起こった、良いことや新しいことを制限時間内にスピーチします。スピーチの時間は1人30秒から1分程度でOKです。

相手がスピーチする間は他の人は口を挟まないようにします。全員が話す機会を得ることができるので、お互いを理解する手助けになります。

【トーク系】➄好きなものZoomイン

オンラインを活かしたアウトブレイクなのが『好きなものZoomイン』です。web会議ツール「Zoom」などで使用しているカメラをそのまま活かします。

やり方は簡単。各々が自分の好きなものを用意します。それをカメラに近づけて、アップで表示させます。他の人にそれが何なのかを当ててもらうゲームです。

そのものの上の部分や下の部分だけなど一部をアップにしておき、徐々にカメラから遠ざけ全体を映すようにしてもよいですし、ヒントを口頭で伝えていってもいいでしょう。
好きなものの実物を用意するのが難しい場合は、絵や文字を使っても行うことができます。

【トーク系】⑥共通点ゲーム

まずは4~5人のグループに分かれます。グループ内で全員の共通点を探します。
例えば「全員iPhoneユーザーだ」「全員トマトが嫌いだ」といった事柄です。

より多くの共通点があったチームが勝ちとなります。
全く知らない相手でも、共通点があることで親しみを感じることができるため、より早く打ち解けることができます。

【ゲーム系】➆たけのこニョッキ

「たけのこ、たけのこ、にょっきっき」という掛け声とともに、合掌した手をタケノコのように上に突き上げるゲームです。

手を突き上げながら『いちニョッキ!』、『にニョッキ!』と「宣言順+ニョッキ」を他の人と被らないように宣言していきます。
最後にニョッキと言ったり、宣言が被ったりすると負けになり、負けるとゲームから抜けていきます。最後まで残った人が勝ちとなります。
全体でやるよりは、6~7名くらいのグループで分かれて行うと、より盛り上がれます。

また、チーム対抗にして、長く続けられたチームを勝ちとしてもよいでしょう。その場合は、あらかじめ、チームメンバーがだれかと被った場合には一からやり直すなどのルールを決めておきます。チーム対抗にすると、チームに団結力が生まれ、より長く続けるために何をすべきか考えるためチームビルディングのスキルも身に付けることができます。

【ゲーム系】⑧○×クイズ

web会議ツール「Zoom」の投票機能を活用して行うクイズです。Zoomの投票機能では、質問を入力し、それに対して、〇か×、あるいは選択式で回答してもらうことができます。

参加者の自己紹介を兼ねたクイズにすると、相手のことを楽しく理解することができるでしょう。

例えば、

Aさんはポーカーフェイスなのに実はお化けがこわい。〇か×か
Bさんの飼いネコの名前は たま すず みけ のうちどれか

など、より親しみが生まれるような内容にすると、受講者同士の距離をぐっと縮めることができます。

【ゲーム系】➈これ何だ?

お題から絵を描いてもらい、当ててもらうゲームです。
3名くらいにお題を見せ、それについて絵をかいてもらいます。他のメンバーでそれが何であるかを当てます。
絵が下手でも、伝え方の工夫をするなどで伝えることができます。

【ゲーム系】➉ジェスチャーゲーム

お題をジェスチャーで伝えるゲームです。チームを組み、制限時間内にいくつ伝えられたかを競うこともできます。相手の様子を見ながら伝え方を変えるなど、いかに臨機応変に対応できるかがカギになるゲームです。

アイスブレイクの注意点

アイスブレイクは場の空気を和ませ、組織内のコミュニケーションを活発化するための方法です。明確に目的を定め、成果を得るためにも、以下の点に注意して実施しましょう。

目的を明確にする

アイスブレイクの目的がはっきりしていないと、ただの雑談の場になりかねません。
軽い自己紹介の場にしたいのか、互いをより深く知るために行うのか、短時間で緊張を解くために行うのかなど、目的をしっかりと設定した上で実施しましょう

受講者層にあったアイスブレイクを選ぶ

研修は、新入社員研修もあれば、2年目・3年目研修、リーダー研修、管理職研修などさまざまな層を対象としています。受講者が初対面同士の場合もあれば、ある程度知っている場合も考えられます。そのため、受講者層を考えながら、アイスブレイクを選ぶ必要があります

例えば、受講生同士が初対面の新入社員向け研修なら「記憶力系自己紹介」や「他己紹介」、ある程度互いを知る入社1~5年目の若手研修では「実は私…」など違う一面を見ることができる手法がおすすめです。

時間を決めておく

アイスブレイクが楽しくてつい長引いてしまうことがあります。しかし、アイスブレイクの本来の目的は、場の緊張をほぐし親睦を深め、研修をスムーズに進行することにあります。あくまで研修のウォームアップにすぎないため、時間をかけ過ぎないように気を付けましょう

たくさんの種類があるアイスブレイク。研修の受講者層や目的を加味して、よりよい手法を選んでください。


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