「職場のコミュニケーション研修って何の意味があるのだろう」という感想を抱いたことはありませんか? 個人のコミュニケーションスキルを向上させることは、チーム全体の成果にも影響を与えます。
今回は効果的なコミュニケーション研修を実施するためのポイントを解説します。
社内コミュニケーション問題、こんな職場は要注意
まずは職場で顕在しているコミュニケーションの問題点を把握しましょう。以下のような傾向の職場は要注意です。
多様な意見や新しいアイディアが出しづらい
意見やアイディアを出す場でも参加者の反応が鈍い場合、実はコミュニケーションに問題があるのかもしれません。
自分の考えを気軽に口にしづらい雰囲気の職場では、おのずと新しいアイディアは生まれなくなります。創造性のない環境でメンバーは無気力・無関心になり、他人の意見を無視したり否定したりといった悪循環も生まれます。変化のスピードが速い現代のビジネスにおいては、これは致命的です。
ミスによる業務上の損失が起こる
コミュニケーションはミスを未然に防ぐために大切なものです。コミュニケーション不全の職場は、確認不足などによる人為的ミスが起きやすい傾向があります。
多くの場合、一つの業務を完結するまでには複数のメンバーが関わっています。メンバー間で報告・相談・連絡が正しく行われていないと、業務をスムーズに進めることは難しいでしょう。もしミスや遅延が起きたときにも、対策や改善が不十分だと損失がさらに拡大するリスクもあります。
職場のコミュニケーションは業務の成果を左右する
職場のコミュニケーションは個人のパフォーマンスに大きな影響を与え、結果としてチーム全体の業績をも左右します。
コミュニケーションが円滑な職場では、ストレスを感じにくく、仕事のモチベーションがアップします。また互いの立場への理解や、努力を称え合う雰囲気も生まれるため、メンバーは仕事に対して積極的になれるでしょう。一人ひとりの行動量やクリエイティビティが向上すれば、おのずと売上などの成果にも表れてきます。
コミュニケーション研修は「意味がない」と言われてしまう理由
コミュニケーション研修は、実施しても参加者の満足度が低いケースもあります。その理由としては、やはり効果を実感できないという点が挙げられるでしょう。
コミュニケーションの課題や問題点は人によって異なります。例えば企業組織であれば、管理職・中堅社員・新入社員では求められるコミュニケーションスキルのレベルや内容も変わるはずです。それをひとくくりにして漠然とした内容にしてしまうことで、参加者の満足度が低くなり「コミュニケーション研修は新入社員だけに受けさせればよい」という風潮が生まれるのです。
コミュニケーション研修を成功させる3ステップ
次に、コミュニケーション研修を成功させるために必要な3つのステップを解説していきます。
Step1.対象者を分類し、それぞれ解決したい課題を洗い出す
コミュニケーション研修では、まず対象者の分類が必要です。次にそれぞれに合わせて、解決すべきコミュニケーションの課題を洗い出します。
分類には「管理職」や「中堅社員」などの階層別、「営業職」や「介護職」などの職種別があります。そして対象者の抱える課題を絞り込み、その解決につながる内容の研修を企画しましょう。さまざまなコミュニケーション研修がありますが、その中から対象者の課題に結びつくものを選ぶことが重要です。
Step2.対象者ごとに達成したいレベルを明確にする
明確な目標設定も大切です。課題に対して達成すべき目標を設定し、研修実施後にはきちんと効果を検証しましょう。
目標の設定は、例えば「報告もれによるミスの減少」「部下の離職率の低下」など、数値として比較し、効果を可視化しやすいものが理想です。またこれらの目標は研修の参加者にもしっかり周知しておくようにしましょう。目標が明確になっていることで、コミュニケーション研修により前向きに取り組むことが期待できます。
Step3.ワークやオンラインなど研修のやり方を決める
最後にコミュニケーション研修の具体的な内容を決めていきます。講義を中心としたプログラムにする、より参加者の理解が深まるようにゲーム型のワークやディスカッションを取り入れるなど、解決すべき課題を念頭において、必要な内容を盛り込んでいきましょう。
また現在では対面だけではなく、オンラインでの研修も人気です。同じ時間と場所に集うことが難しいメンバーには、オンラインでコミュニケーション研修に参加してもらうのもよいでしょう。
階層・職種別、コミュニケーション研修の種類と内容
次に、実際にはどのようなコミュニケーション研修があるのか、階層・職種別に一例を紹介します。
管理職向け
管理職は部下に大きな影響力を持つ立場にあるため、効果的なコミュニケーションによってチーム全体の成果を向上させる責任があります。
管理職は、まず部下を正しく導いてモチベーションを向上させるために、コーチングやカウンセリングのスキルの習得が求められます。またパワハラ対策の観点から、自身の感情を抑制した適切な伝え方を学ぶ必要もあるでしょう。
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中堅社員向け
中堅社員も顧客との窓口になったり、社内でも重要な役割を与えられたりする年代です。要点を整理した論理的な伝え方や、効果的な提案の仕方、ときには交渉を有利するためのコミュニケーションも必要です。
中堅社員は特に多くの人と連携して業務にあたるため、コミュニケーションスキルを磨けばパフォーマンスの大幅な向上が期待できます。
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若手・新入社員向け
若手や新入社員は、まず職場のコミュニケーションのマナーを理解することが大切です。正しい言葉遣いや目上の人への敬語表現などを身に付けます。またこの層は上司や先輩などから物を教えてもらうことが多いため、質問の仕方も知っておくとコミュニケーションが円滑になるでしょう。
若手・新入社員のコミュニケーションスキルが向上すると、堂々と自分の意見を発信できるようになり、社内に新しい価値観や視点によるアイディアがもたらされる可能性があります。
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販売・営業職向け
販売や営業職では、個人のコミュニケーションスキルの向上が売上に直結します。そのため顧客ニーズのヒアリングや適切なプレゼンテーションによって、顧客と信頼関係を構築する方法を学びます。
また顧客対応が中心の仕事なので、自分の感情のコントロールに加え、ときに他者の怒りに適切に対応するための知識も必要です。
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看護・介護職向け
看護・介護職は施設の利用者や患者、その家族など、さまざまな立場の人と関わる中でストレスを感じやすい職種です。さらにホスピタリティや緊急対応を求められる場面もあるために、状況と相手に合わせたやりとりが求められます。
そのため職場のコミュニケーションを円滑にするためには、まず個人がネガティブな感情をコントロールする方法を学び、適切に意思疎通するスキルを身に付ける必要があります。
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効果のあるコミュニケーション研修で組織を活性化しよう
コミュニケーション研修のポイントは対象者の正しい分類と課題の洗い出し、そして明確な目標設定です。これらを反映した研修ができれば、必ずより良い職場環境の構築につながります。
コミュニケーションが円滑な組織は、連携不足におけるミスが少なく、個々のメンバーのクリエイティビティや積極性も発揮されるため、大きな成果を上げることが可能です。適切なコミュニケーション研修を企画して、チームの活性化を図りましょう。
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