新人研修を行う際、悩ましいのが、講師をどうするかという問題。
社内講師にするか、外部講師に依頼するかとお悩みになったことはありませんか?

今回は、社内講師・社外講師を研修によってどう選び分ければ良いか、社内講師・社外講師それぞれのメリットとデメリット、社外講師を選ぶ時のポイントなどについて解説していきます。ぜひご参考ください。

■目次

社内と社外講師の違い

社内講師とは、その名の通り、研修の講師を社内の人間が務めることです。
研修の内容によっても異なりますが、主に会社の上長が行う場合が多くなります。研修の目的によっては、新人社員の気持ちを理解できたり、悩みに共感できたりする若い世代の社員が講師となって行うこともあります。

対して社外講師は、会社外部に委託する講師のことで、社内で取り扱えない専門的な知識やスキルを習得することができます。次の章では、この2つの違いを、メリットとデメリットの観点からさらに詳しく解説していきます。

社内講師のメリットとデメリット

まずは、社内講師のメリットとデメリットから確認していきましょう。

【メリット】

1.会社の実情に合わせて研修を行える
社内から講師を選ぶ場合には、講師が会社の内情や社員の知識・経験値レベルなどをよく理解しているため、会社の実情に合わせた内容で研修を実施できます。

2.コストが削減できる
社内で完結する講演となるため、外部講師に支払う経費を削減できます。

3.場所の変更やスケジュールの変更などの融通が利きやすい
急なトラブルなどにより、会場やスケジュールを変更しなければならなくなった時でも、外部との連携が必要ない分、比較的対応しやすくなります。

他にも、社内に講師がいることで、研修後のフォローがしやすい研修ノウハウを集積できるといったメリットがあります。

【デメリット】

1.研修担当者への負担が大きい
研修の講師を社内から選ぶ場合、通常の業務に加えて、資料作成や会場手配などの準備を行わなければならないため、特に講師を務める社員に大きな負担がかかります。
また、講師の選定なども含め、研修担当部署全体への負担が大きくなってしまうのも懸念材料の一つです。

2.聴く姿勢に入るのが難しい
講師が普段から見慣れている上司であるため、受講者の緊張感が薄れ、聴く姿勢に入りにくくなる可能性もあります。

3.候補者を見つけにくく、質に差が出やすい
行いたい研修ができる人材が社内にいないことも考えられます。
また、仮に知識を持っていたとしても、教える技術が不十分であるために、講師の質にばらつきが出ることも考えられます。
新人研修を実りあるものにするためには、限られた研修時間で質の高い研修を行うことが大切。
研修技術を持ち合わせた人材が社内にいない場合には、社外講師を検討してみてもよいでしょう。

社外講師のメリットとデメリット

次は、社外講師のメリットとデメリットを挙げていきます。

【メリット】

1.社内にないスキルや考え方をスペシャリストから学べる
社内講師は、社内で蓄積されたノウハウを教授することはできても、それ以上の専門的な知識やスキルを教えることには限界があります。その点、社外講師の場合には、その道のスペシャリストに依頼できるので、社内にはないスキルやノウハウを得ることができます
また、人にものを教える技術、伝える技術を持ち合わせているので、より質の高い研修の実現が可能です。

2.社内のなれ合いの雰囲気がないため、参加者が聴く姿勢に入りやすい
社外講師を招く場合には、受講者が適度な緊張感を持って研修に臨めるため、聴く姿勢に入りやすく、より学びの多い時間となりやすいのです。

3.研修担当者の負担を軽減できる
投影資料やプリントなど研修で必要な資料は外部講師の方で準備するため、研修担当者や研修担当部署の負担が軽減されます。

【デメリット】

1.費用がかかる
外部講師を招く場合には、会場・機材の準備費用、当日の交通費、当日の講演料などの費用がかかります。一般的に外部講師を招く場合の講演料は10~30万円程度。著名講師になると50万以上かかる場合もあります。

2.講師とのスケジュール調整、内容のすり合わせが難しい
外部講師の都合に合わせる必要があるため、スケジュール調整が難しくなります。また講師が社内の様子分からない状況も考えられるため、事前に打ち合わせを行い、よく内容をすり合わせる必要があります。

社内か社外かは研修内容によって使い分ける

社内講師か、それとも社外講師を選ぶかは、研修の内容によって決めるとよいでしょう。
例えば、社内で蓄積されたノウハウを教える場合には、社内講師で十分です。逆に、社内にノウハウのない専門的な知識や技術は社外講師が適任です。

社内講師向きの研修内容と、社外講師向きの研修内容を分けてみましたので、参考にしてみてください。

【社内講師向けの内容】

  • 会社のビジョンや独自の具体的な業務の内容に関わること
  • 毎年恒例で行っているビジネスマナーなど基本的な研修
  • ビジネスルールや社内ルールに関するもの
  • 自社が得意とし、スキルやノウハウがあるもの

【社外講師向けの内容】

  • 社内にスキルやノウハウがない内容
  • 業界のトレンドに関するもの
  • 専門的な知識や経験が必要な内容

管理職向けのセミナーでは、外部講師を活用する場合が多くなります。
外部講師を招いて研修を行う中で、新たな交流や気付きを得る狙いもあるのです。

失敗しない社外講師の選び方

社外講師を選ぶ際に失敗しないよう、確認しておきたいポイントをまとめました。

研修実績が豊富である

外部講師を選ぶ際に、これまでの研修の実績も指標の一つとなります。
研修実績の件数だけでなく、利用した企業名や参加者の声の掲載もあると、より信頼度が高まります。また、トレーナー資格の有無も重要な判断条件となります。

受講生の自主性を引き出すワークを取り入れている

一方方向の講義だけでは受講生の集中力も途切れてしまいます。適度にワークショップやグループワーク、クイズ形式などを採り入れ、受講生が積極的に参加できるよう仕掛けを行っている講師も大勢います。

例えば、ワーク学習には以下のような例が挙げられます。
・ケーススタディ
具体的な事例を分析・検討して、問題解決に向けた意見を交わしながら結論を発表する手法。

・ロールプレイング
役割演技のこと。それぞれに役割を割り当て、現実に起きる場面を想定して、その役割を演じてみることで課題の発見やスキルの向上を目指す手法。

・ポスターセッション
まず各グループの意見などをポスターにまとめて会場に掲示します。
各ブースに説明担当者が残り、他の参加者は興味のあるブースの説明を聞いて、質門や意見交換などを行います。
受講生に対してこのような飽きさせない工夫を行っているか、行っていないかも講師選びのポイントとなります。

自社の業界に精通したり、研修内容のジャンルを専門にしている

社外講師は専門的なスキルや知識を習得できるのが一番のメリットですが、できればそれらが自社の業界や業務に直結した内容であると、受講者がよりイメージしやすく、スキルや知識を定着化できるといった効果があります。
その講師のプロフィールから、過去の経歴や役職を見て、自社と共通点の多い講師を選ぶとよいでしょう。

研修目的に応じて内容や方法をカスタマイズしてくれる

自社の課題や研修の目的によって、研修で扱ってほしい内容も変わってきます。
場合によっては、受講者にアンケートや意識調査を事前に行い、受講者の経験や知識のレベルをもとに研修の内容をカスタマイズしてもらうことは可能か講師に確認しておきましょう。
また研修方法は集合型とオンライン型があるため、その研修にはどの方法が向いているのか、またその方法に講師が対応できるかどうかを考慮して選択する必要があります。

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