子どもの健康について

昇 幹夫 のぼりみきお

「日本笑い学会」副会長・医師

提供する価値・伝えたい事

子育てはひとつ、ふたつ、みっつ・・と数えて「つ」の字がとれるまでといいます。それまでに知的なものより人間としての感性、それに味覚をはじめとした五感を育てることがたくましく生きる力を身につけた人間になることだと思っています。
 子どもがテレビゲームをやり続けるとボケと同じ脳はがでてそのうち笑顔が消えそしてキレます。脳に変化をきたすことがわかっています。
 私はもう5回、日本人のルーツであるモンゴルを訪ね、そこに今の日本人が失ったもの、我々の育った昭和20年代と同じ顔の子どもたちがいるのを見て「子どもが子どもらしく、あの時しか出来ないことをいっぱい体験することの大切さ」を痛感して、それを今の日本の子ども、そしてその親御さんたちに伝えたいと思います。
 味覚も、つなしまでといって 「つ」の字が取れるまでにできあがります。それまでにダシの味、日本の食文化としてのうす味の味覚をしっかり身につけることがアトピーをはじめ生活習慣病予備軍を作らないための大事な食育でもあります。
 先日のOECD(経済協力開発機構)の国際学習到達度調査の結果、前回〔2000年〕1位だった日本は数学で6位、読解力で14位という結果で学力低下が明らかになりました。テレビやゲームの時間が世界で一番長く、その結果 睡眠時間が短くなっていて家庭での生活が食をはじめ乱れきっていることに気づき、早寝、早起き、朝ごはん、テレビは2時間まで、そしてそろばんなど読み、書き、計算の反復練習を続けた所はみごとに成績があがり、子どもたちが生き生きとなって元気になっています。
 まず生活習慣をみなおすことが低体温、手先が不器用、まっすぐ立てない、ジベタリアンなど学齢期シンドロームの治療でもあるのです。それが大きくなって生活習慣病の予防にもなります。
 「1歳から包丁を」をモットーに15歳では自分で自分の食べるものは作れるようにするという生活体験など10歳までに感性を育てることが心身の健康に大切と言う話を吉本風味で講演します。
 O-157を防ぐ食べ方だってあるんです。調理の問題ではなく食べ方、それも食の教育のひとつです。愛読書とは「おとうさんが繰り返し読んでくれた」本、愛唱歌とは「お母さんが繰り返し歌ってくれた」歌という形容詞がついてはじめて大好きな本であり、歌になるんです。
 あなたの子育ての結果はどこでわかりますか? あなたの子がいつか親になってどんな子育てをするか、そこではじめてわかります。人は育てたようにしか育てられないのです。どこのおうちでも最初の子は試作品、でも先人の知恵をちょっとでも早く知ってると子育てって楽しいって思えるようになるんですよ。

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