今の親子関係を考える

宮本まき子 みやもとまきこ

家族問題評論家
カウンセラー
エッセイスト

想定する対象者

保護者の方々

提供する価値・伝えたい事

今の家族形態は百年前から激変しています。たとえば三十年前は親が同居していたり、核家族でも夫婦に子ども三人など、家族数が六人なんてワンサといたのですが、いまやその人数がいる世帯は全体の五%弱にすぎません。

内 容

バブル崩壊ごろから「家庭」がとても小さくなって、しかもかつてのような「生活の場」から「癒しの場」に変化じていったように思えます。

外の世界がストレスだらけだから、せめて家庭の中ではもめたくないとみんなでいいヒトを演じてしまう。そして家の外でもめるようになるんですね。
職場、学校、駅のホーム、社会のどこかしらでみんなピリピリしている。
誰かとちょっともめたら修復する前にキレちゃう。他人は大勢いる、こっちがダメならあっちとつきあうといった軽い人間間係しか持てない子どもが増えているのは、そもそも家族がもめることもできない希薄な関係になってきて、もめたときに修復する方法を親が見せて育てていないからなのです。

 家族ならたとえ傷つけあっても次の日も一緒にご飯を食べて、後まで歴史を共有します。関係を修復する場所と時間がたっぷりあるから、実は家庭こそ安心してもめることができる場と言えます。家族のかたちは変化しても、「少しずつ苦労して少しずついい思いをして誰も孤独にしない」のが家族の本質であるのは昔も今も変わらない事実でしょう。

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