現場のリスクは感情によって変わる~やさしい行動経済学~

菅田芳恵 すがたよしえ

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー
産業カウンセラー、キャリアカウンセラー

提供する価値・伝えたい事

私たちは、頭のコンピューターを使って合理的な計算をすることができます。しかし、その一方、何かを決める段階になるとさまざまな感情がでてきて、計算とは大違いの結論を出せと迫ります。その時に感情に押し流されて、冷静に判断ができる基準があれば間違いをおかさずに済みます。例えば、全く同じことが提示されても、それをどのように解釈するか、あるいは提示にどんな工夫がされているかによって正反対の選択をしてしまうのです。(例:脂肪分4%のヨーグルトより、無脂肪分95%のヨーグルトを選択)リスクを前にしても、それがもたらすであろう利益や損失に対して目に見えて異なった反応をしてしまうのです。
また、私たちのリスクのとらえ方は一様ではなく、データや統計などの読み方もいろいろなものに影響されています。数字は客観的なものではなく、感情によって色づけされるので、そこには非合理的な結果がでてきます。この非合理的な決定をいったいどういうわけでしてしまうかを行動経済学の観点からお話をします。
経済学という難しい話ではなく、さまざまな日常の例を出して、人が決定をする時にはどのような感情がでてくるのか認識します。そういうことだったのかと感情に振り回されず冷静に考える癖をつけていただきます。
クイズ形式で「こんな場合あなたならどうする?」と問いかけながら進めていきます。そこで合理的な判断ができない自分に気づき「目からうろこ」になるかと思います。
講師はお金のプロとして、この行動経済学をもとに消費者の視点から感情に左右されないで冷静な判断をして損をしないように多くの場面でお話をしています。

内 容

1.リスクの感じ方はこんなに違う
 ・つじつまが合わない
 ・数字を情緒で判断しない
 ・「1%」と「100人に1人」の違い
 新聞やテレビの報道を見るときに各種の統計数字について、母体数がどれだけかを確認し、%表示であれば実数に、実数表示であれば%に置き換えることが必要。

2.統計は見方によって異なる
 ・相対的リスクと絶対的リスク
 ・統計に表れた数字
 統計は見方によってさまざまに読めます。そこにでてきた数字は絶対というものではありません。例えば「5S」ができている現場は、できていない現場に比べて事故を起こす率が50%高いという記事を読んだら、「5S」ができていない現場は、不安や心配になります。この数字は、本当は何が言いたいのかと考える必要があります。そうしないと数字のみうのみにして「5S」だけを徹底的に行うことになりかねません。

3.知っているつもり
 ・プロになるほど過信する
 ・自信過剰がはめるわな
 ・成功すれば自分のため、失敗すると他人のせい
 ・自分の都合のいい面だけを見ている
 自己に対する評価は甘くなりがち。自分が知らないことは「知らないと」言え、自分の誤りを認めることが重要。

4.経験が邪魔をする
 ・「そうなるはず」という思い込み
 ・結果よりプロセスに目を向ける
 ある決定が正しいかどうかを知るには、その決定にともなう結果を考えるのではなく、決定のプロセスを考えなけれなならない。

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