モンスターペアレンツへの対処方法と予防策

杉本哲也 すぎもとてつや

夢屋 代表
親学推進協会講師

想定する対象者

保護者対応に悩む幼稚園・保育園園長、学校長、主幹教諭など
近年、教育機関に対するクレーム・苦情が多くなっています。とくに不条理なクレームをつけるモンスターペアレントに悩まされる幼稚園・保育園・学校が増えています。この講座では、不条理なクレームに対してどのように対処すればいいのかや、そもそもクレームを発生させないためには普段から何を行っておくべきなのかについてお話します。

提供する価値・伝えたい事

一口にモンスターペアレントと言っても、いろんなタイプがあり、それぞれのタイプに対しての対応方法を知っていないと、余計にクレームが続く場合があります。ペアワークも交えながら、タイプ別のモンスターペアレンツへのそれぞれの対処方法を身につけていただくことを第一の目的とします。

 クレームを言ってくる親のタイプには、①権利主張型 ②ノーモラル型 ③自己中心型 ④依存型の4種類があります。権利主張型と自己中心型は高学歴の教育ママに多く、依存型とノーモラル型は低所得(生活保護層)で子育てに無関心な親が多いです。
権利主張型には、理詰めで説明する必要があるし、自己中心型には一定のルールを作って対応しないといけません。また依存型にはある程度突き放さないといけませんし、ノーモラル型には毅然とした態度で臨まないとつけあがるだけです。
 実際にモンスターペアレントが学校に来た場合、ルールを冷静に説明したり、記録をとったり、紙に書かせて頭を冷やさせるなどの具体的な対応が必要となってきます。

 また子どもの問題も含めてモンスターペアレントの原因は家庭にあります。家庭の状況を把握することが肝要です。そのためには保護者とのコミュニケーションの回数を増やすことが必要です。
 最も有効な方法は年度初めに家庭訪問を行うことです。それが無理なら個人懇談や、学級通信、連絡帳などのツールを使って、なるべく保護者とコミュニケーションをとることを心がけてもらうとよいです。
また保護者同士でのメーリングリストやメールネットワークのようなもので、学校の悪口や担任の噂などが流れると、クレームにつながりやすくなります。

内 容

まずはモンスターペアレントのタイプとその背景についてお話します。
 それぞれのタイプのモンスターペアレントへの具体的な対応方法を提示した上で、二人一組になってもらい、実際の対応方法の練習をしてもらいます。頷き、相槌、伝え返しといったコミュニケーションの基本的なスキルから、ミラーリング、ペーシング、アブソービングを使ってのトーンダウンのやり方、電話でのクレームに対する対応方法の訓練です。
 次にモンスターペアレントのタイプ別にケーススタディを行い、それぞれのモンスターペアレントに対する対応のポイントを話し合ってもらいます。
 最後にモンスターペアレントを生み出さないために、日頃から学校として保護者や児童に対して、とっておくコミュニケーション方法について学んでもらいます。「可愛くば五つ教えて三つほめ二つ叱ってよき人とせよ」という原則に基づいて、保護者や児童の人格を認めるということが大切です。

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