社外研修とは、社内研修とは異なり社外に赴いたり講師を招いたりして行う研修を指します。しかし、社外研修が本当に必要かどうか疑問視する声も多いのが実際です。そこで、本記事では社外研修の必要性や社内研修との違いについて解説します。

■目次

社外研修とは?

社外研修とは、講師を社内から選ぶ社内研修に対し、社外から講師を招いたり、社外に出向いたりして行う研修のことです。外部に出向く場合、研修を主催する企業や合宿所など、さまざまな場所で行われます。

社外研修ではビジネスマナーや名刺交換、身だしなみなど基礎的な社会人スキルを身につけるものから、その道のプロがスキルを伝えるプログラミング言語やWebデザインなどのスキル研修、従業員のステップ別に行う階層別研修までさまざまです。

社内研修との違い

社外研修と社内研修の違いは、講師と研修場所が社内なのか社外なのかということです。社外研修は、社内研修と比べると、社内では得られにくいさまざまなスキルや思考方法を得られることが最大の魅力です。上記で述べたとおり、社外研修ではある分野の経験豊富なプロや専門家が講師となるため、その分野の最も先進的な考え方を学ぶことができます。

また、社外研修は、社内で研修を計画し、人的リソースを割いて研修を行わなくても構わないため、研修担当者の負担を減らせます。社内に研修ノウハウが無くてもプロの高品質な指導を受けられるのが、社外研修の大きなメリットです。

一方で、社外研修には研修スケジュールや内容の調整が難しいというデメリットもあります。参加者が参加しやすい日程か、学ばせたい内容と合っているかどうか、よく検討しましょう。

メリットから考える社外研修の必要性

社外研修は意味がないと言われることもありますが、そんなことはありません。ここでは、社外研修のメリットから、その必要性を見ていきます。

メリット① 専門知識やスキルを得られる

前述しました通り、社外研修の講師になるのはその分野のプロや専門家です。社内だけでは学びきれない専門知識やトレンドを学べることで、会社が抱えるさまざまな課題を解消するためのスキルや考え方を効率的に学べます。また、新人研修は社内で行う会社も多いですが、ビジネスマナーも日々変化しています。トレンドのマナーを学ぶなら、社外のビジネスマナー講師など専門家に教わる方が確実かつ最新の知識を得られます。

メリット➁  離職防止やモチベーションアップにつながる

社外研修を行うことで、従業員に人材育成にしっかり取り組んでいる会社だと思ってもらえ、従業員のエンゲージメントが高まります。エンゲージメントとは会社と従業員の間の信頼関係のことを示し、エンゲージメントが高いほど、従業員はその会社で安心して働けます。また、社外研修によって会社から期待されている、信頼されていると思えれば、従業員の帰属意識や貢献意識が高まり、モチベーションにもつながるでしょう。

メリット③ 異業種間の交流ができる

公開型の社外研修であれば、講師や他の受講生など普段ならあまり関わらない社外の人々と交流できる機会が増えます。取引先や顧客とはまた違った横のつながりを増やすきっかけとなり、個人的な人脈作りにも、新たなビジネスチャンスの可能性にもつながるでしょう。

さらに、普段交流する機会のない業種と関わることで、新たな考え方や価値観を身につけられ、新たなアプローチを行うことにつながります。

メリット④ 開催準備の手間が省ける

社内研修を行う場合、事前の計画立案からスケジューリング、資料の作成、会場の準備など研修担当者にはさまざまな手間がかかります。そのため、開催準備が整うまでに時間がかかったり、繁忙期で講師担当の従業員の手が空くまで開催できなかったりすることもあるのです。

しかし、社外研修ではこうした準備を全て外注先が行います。特に、外部の講師を招くだけでなく、会場集合型の社外研修であれば、会場の設営や片付けなどもすべて外部でやってもらえます。社内の担当者は研修者と受講内容を選び、発注の手配をするだけで構いません。

このように社外研修を行う最大のメリットは、人材の有効活用といえます。社内の人的リソースを割かなくてよい分、研修担当者のリソース不足、生産性の低下などのデメリットを生みにくくなります。また、プロや専門家に指導してもらえれば、従業員のスキルアップをはかることができます。ある専門スキルが必要なとき、新しい従業員を雇うより、スキルアップのための社外研修を行う方がずっとコストが抑えられ、人手不足の問題も解消しやすくなるでしょう。

社外研修のデメリット

メリットの多い社外研修ですが、デメリットもあります。ここでは、費用や期間・場所、効果測定という3つのポイントからデメリットをご紹介します。

デメリット① 講師代、委託代などの費用がかかる

社外研修、セミナーなどの場合、社内研修と比べるとコストがかかるのが最大のデメリットです。特に、専門家や経験の豊富なプロの講師に依頼した場合、どうしても講師にかかる人件費などのコストが高くなりやすい傾向にあります。

また、数日間開催される研修、地方などで合宿を行う研修などの場合、受講者の交通費や宿泊費などの費用も会社で負担しなくてはなりません。参加者と受講内容をよく検討し、必要な従業員に適切な研修を受けさせるようにしましょう。

デメリット➁ 期間や場所が限られる

社外研修では、期間や場所が限られます。研修スケジュールや内容をすり合わせられる会社もありますが、特に公開型研修の場合、スケジュールが予め決められているため、調整しづらいというデメリットがあります。
また、人気の講師である場合、すぐにスケジュールが埋まるため、早くからスケジュールを抑えなければなりません。

デメリット③ レポートなど、研修結果の効果測定が難しい

社外研修の場合、研修結果の効果測定がしづらいという側面もあります。指導を外部の講師に任せきりにしてしまうため、研修中の参加者の反応などで手応えを得られにくく、どのくらい指導効果があったのかをその場で確認できません。そのため、研修後にはレポート提出を必須にするなど、何らかの効果測定の方法を検討する必要があります。

社外研修を主催する企業の中には、フォロー体制がしっかりしているところもありますので、そうした研修を選ぶのも一つの方法です。また、研修で配布された資料は保管し、社内で効果測定を行い、どのくらいの効果が得られたかきちんと把握するにようにするとよいでしょう。

社外研修の選びの3つのポイント

社外研修の選び方には、3つのポイントがあります。詳しく見ていきましょう。

実践的かどうかで決める

すぐに業務で活かせるスキルやマナーを求めているなら、実践的な研修かどうかで選びましょう。座学だけの研修ではなく、ロールプレイングなどで実務のイメージが湧きやすい研修を選ぶと、より実践的で業務に活かしやすくなります。

自社の課題に合っているかどうかで決める

社外研修に限った話ではありませんが、研修を行う場合は自社の課題に合った内容でなければ意味がありません。
新人教育がしたいのか、特定のスキルアップが求められているのか、コンプライアンスなどを浸透させたいのか、管理職などリーダーシップを育てたいのかなど、自社や従業員の課題に合った研修を選ぶのがポイントです。

受講者の範囲で決める

受講者の範囲も、研修を選ぶ上で重要なポイントです。受講者の選び方はさまざまですが、例えば以下のような方法が考えられます。

  • 会社側で指定する
  • 希望者を募る
  • 職種ごとに実施する

いずれの場合も、本当に研修を受ける必要がある従業員だけを抽出することが重要です。受講する意味や必要のない従業員に無駄な時間やコストをかけることがないよう、必要な従業員だけを選びましょう。

社外研修の効果を高めるために

社外研修の効果を高めるために、一番重要なのは「社員のやる気」です。「やらされている」「受けなければならない」というような義務の意識で参加していると、やる気も失い、研修効果が期待できません。
受講生に研修に対するやる気を出してもらうために、受講者が研修の目的をしっかりと理解し、研修を受けることで自分にどんなメリットがあり、業務に生かすことができるのかを考えてもらうことが大切です。
受講生が研修の目的をしっかり理解しておくことで、研修に対するモチベーションアップだけでなく、研修後に学んだ内容をどう業務に活かしていくか、学びを社内に持ち帰った後、どう行動すればいいかがイメージしやすくなります。

また、外部講師は当然ながら、指導の質も内容もさまざまです。指導する講師の質や講義の内容によって、得られる研修の効果は大きく変わります。そのため、外部講師を招く際にも、社外に出かける際にも、講師を以下のようなポイントで吟味しましょう。

  • 必要な分野に精通している、とわかる経歴がある
  • 講師としての実績が豊富である

中には事前に講師と研修内容を打ち合わせできることもあります。自社のニーズを伝え、それを汲み取って対応してくれるかどうかも検討ポイントの1つです。

弊社では、主催者様のニーズやご予算に合わせて、質の高い講師をご紹介するとともに、主催者様のご要望に合わせて講演プランの内容も調整しております。
「自社分野の最新情報や最先端の技術について知りたい」「自社が現在必要とする特定のスキルを磨きたい」など、具体的なご要望を聞いた上で講師と話し合い、研修プランを作成しています。
集合型研修だけでなく、オンライン研修や連続研修など多彩な研修のサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。


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