「放課後」ルネサンス
熱く遊べる場所・創出

明石要一 あかしよういち

千葉敬愛短期大学学長

提供する価値・伝えたい事

子どもの世界から放課後が消え、外で遊ぶ姿が見られなくなった。平成の時代に入ってから、特に忙しい子どもたちが出現したのである。子どもたちが、手帳を持ち始めた。遊びの日程を決めるのに、カバンから手帳を取り出す。「月曜は塾、水曜はスイミング、土曜は・・・」などと言ってスケジュールを調整する。これでは大人と同じである。
明日を気にしないで遊ぶのが子どもの特権であった。それが今や大人や高齢者のように明日を気にしながら遊ぶ子どもが増えている。これでは放課後は思い出づくりにならない。“子どもの時代”を持たなくなってしまったのである。子どもたちは、どこに居場所を求めているのだろうか・・・。
明日を気にせず思い切り遊べる放課後改革の必要性を訴えます。

内 容

子どもの居場所づくりでは、何が大切なのだろうか。
「家庭」「学校」「地域」、この3つの機関が、子育てで役割分担し合おうと提案する。
1日24時間に、それぞれの持ち味を生かそうというのである。
朝8時から午後3時までは、学校が子どもの面倒をトコトン見る。勉強は学校が受け持つ。「読み・書き・そろばん」は学校が、責任を持つのである。
午後3時から午後6時までの放課後は、地域が子どもの面倒をトコトン見る。子どもたちが集まる場所を確保する。子どもに豊かな遊び空間を保証するのである。
午後6時から翌朝までは、家庭が子どもの面倒をトコトン見る。基本的な生活習慣のしつけは家庭が責任を持つ。子どもの生活リズムは家庭の中で培ってもらう。
子どもたちから放課後が消えてしまった社会は、どう考えても異常である。
都市部の小学校では、留守家庭が半数を超え始めている。シングルマザーの家庭も増えている。そうした時代だからこそ、家庭、学校、それから地域がトライアングルで子育てをする制度設計をし、それぞれの持ち味を生かして子どもの放課後の世界を豊かにしなければならない。

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