生活習慣病予防の食生活

幕内秀夫 まくうちひでお

フーズ&ヘルス研究所 代表

提供する価値・伝えたい事

私は医療機関(病院・診療所)で20数年、患者さんの食事相談を担当してきました。
20年前、がんの患者さんに食生活を話をしようとすると、「がんと食生活って関係あるんですか」という質問がほとんどでした。現在、そのような質問をする方はほとんどいなくなりました。
がんだけではなく、多くの生活習慣病が食生活と密接に関わっていることが常識になりつつあります。しかし、年間にたくさんの患者さんにお会いしますが、地元の病院を退院する際、食生活の指導を受けた患者さんはほとんどいません。
また、書店に行くと『生活習慣病と食生活』に関する書籍は山のようにあります。新聞、雑誌などを見ても食生活に関する記事を見ない日はありません。多くの患者さんは「情報が多すぎて何がなんだかわからなくなった」と言います。
まさに、そこに食生活の最大の特徴があります。実際に食生活の指導をしたことがない人たちが情報を発信している場合がほとんどだと言うことです。したがって、机上の空論や問題点を指摘するだけで、明日からの食生活に繋がらない情報が多いように思います。

「提案なき指摘は絶望感しか生まれない」、「手の届かない提案は何もするなと同じ」だと思っています。食生活は、実践に生かせてこそ意味があると考えています。
あくまでも、明日からの実食生活に繋がるお話をさせていただきたいと考えています。

内 容

1冊の本も読んだことがない人は、何でも食べることがバランスのとれた食生活だと考えています。テレビの健康番組ばかり見ている人は、5年前は緑茶の粉末をご飯にかけ、3年前には赤ワインを飲み、2年前にはブルガリア人になり、今年になって寒天ばかりを食べています。10冊の本を読んだ人は、極端な主張に目が止まります。30冊の本を読んだ人はノイローゼになります。あちらの本ですすめていた食品が、こちらの本ではよくないと書かれている例は山ほどあります。100冊の本を読んだ人は、何も食べられなくなります。これが食生活の現状です。

しかし、食生活ってそんなに難しいものなのでしょうか。現在、90歳、100歳になっても元気に過ごしている方々は、栄養素のバランスなんて考えてきたでしょうか。一生懸命に本を読んで食事を作ってきたのでしょうか。そんなことはありません。食生活は、電卓で計算しなければならないような無味乾燥なものではないし、難しいものではありません。もっと豊かで楽しいもののはずです。

難し過ぎる情報を整理してみましょう。そうすれば食生活は、決して難しいものではないことを理解していただけると思っています。

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