人はなぜ学ぶのか 字の読めない親への思い
~親と子 ともに考え ともに生きる~

バイマーヤンジン ばいまーやんじん

チベット出身の声楽家

想定する対象者

学生(小学校・中学校・高校)
親子
保護者

提供する価値・伝えたい事

チベットは遊牧で移動生活をしているために、小学校にさえも通えない子どもがたくさんいます。
遊牧民は草原を転々としながら、一家で何百頭もの家畜の世話をしなければいけません。
そのため、子どもも大切な労働力です。「読み書きが出来ても、放牧には何の役にも立たない」と、学校に通わせない両親もたくさんいます。
私の母も学校に通えず、今も字が読めません。読み書きが出来ない事で、様々な苦労をしました。
「こんな辛く口惜しい思いを自分の子どもたちにはさせたくない。」と、両親は大変な苦労をして私たち7人の子どもを学校に通わせてくれました。

チベットの子どもたちは、学校に入学できれば感謝の気持ちで一杯になり、一生懸命に勉強します。
かつて、日本の子どもたちもきっと・・・・。

内 容

■学校に通えなかった母
母は、今も読み書きが出来ない。手紙が書けない。病院に行って渡された薬の処方箋が読めない。
都会に出た時、公衆トイレの男・女の表示が読めず、男性トイレに入ってしまい酷く罵られた。
母自身が読み書きが出来ない事が原因で、さまざまな辛く口惜しい体験をしたことから、子どもたちに同じ辛い思いはさせたくないと、学校に通わせる決意をする。

■学校に通わせてくれた両親に感謝
両親は子どもたちを学校に通わせるために、放牧の暮らしをやめて町に定住。
雑貨店を開いて、8人の子どものうち長男を除いて7人の子どもを学校に通わせてくれた。
何代にもわたった放牧生活をやめるのは難しく、長男だけが放牧を継いでくれた。

■私の夢 チベットに学校を
私は国立四川音楽大学でオペラを学んだ。「いつかオペラで世界の舞台に立ちたい。」それが私の夢だった。
でも、今の私の夢は「チベットに学校を建てること」
チベットには、小学校にさえ通えない子どもたちがたくさんいる。
自分ひとりの夢よりも、故郷チベットのために役に立ちたい。使命感が強まった。
たとえ小学校だけでも通えるようになったら、そこで学んだ多くの知識がその子どもたちの将来、そしてチベットの将来にどれほど役に立つことか。

■愛すべき日本
日本は、国土も狭く、資源にも恵まれているわけではない。けれど、早くから教育に力を注ぎ、国民全体の素質を高めてきた。豊富な知識と高い技術によって、日本は世界の経済大国になった。
自国が豊かになっただけではなく、青年海外協力隊のような人的支援、ODAのような物的支援などによって、多くの困っている国や人々を支援している。
感謝の心を持って、隣人・友人・家族を大切に生きていきましょう。

スタッフからのコメント

教育の環境としては、恵まれないチベット遊牧の生活の中で、家族の協力の中から一生懸命に勉強をされた実体験のお話は心をうちます。
チベット出身をいう事で差別を受け、苦しい経験をされたご経験。日本との生活や教育環境の違い。また日本のすばらしさを、情感たっぷりにご講演いただきます。
また、最後には唄も披露いただけます。

(学校・PTA・教育委員会担当  岩本:記)

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