人権問題
~福祉活動で教わった「真実」~

杉 良太郎 すぎりょうたろう

俳優・歌手

内 容

■ハンセン病療養所にて
1991年、熊本にある菊池恵楓園(きくちけいふうえん)というハンセン病療養所を訪問し、「この次来るときは『遠山の金さん』の芝居をここでやる」と約束をして帰りました。
5年越しにやっとそれが実現し、園内の講堂で芝居を上演したのですが、舞台も小さく、設備も整っていない等々。
予想以上の困難を伴いました。

でも、私はどうしても園内でやりたかった。なぜならこの園の中で差別や偏見に苦しみ、つらい思いをして亡くなった方たちの悲しみや苦しみを少しでも晴らしたいという思いがあったからです。
でも、実際に上演した結果、私はかけがえのないものを得たのです。
施設の人達が私に「真実」を教えてくれたのです。

■ある、ホームレスのおじさんとの出会い
私は健康のために近所の公園を歩くのですが、ある日、歩いていたら救急車が停まっていました。
私の恰好は上下のトレーナー、黒い帽子、眼鏡をかけて、マスク。コンビニに入っていったらすぐ逮捕、というような格好で歩いていました。
いつもはそのまま歩いていってしまうのですが、ふと救急車の方に目をやると、ホームレスの方が運ばれてきました。
救急車に乗せられたのですが、救急車は動き出しません。受け入れ先がないのです。ずっと停まったまま。
横にもう一人ホームレスのおじさんがいたので、「どうしたんだ」と聞くと・・・。

人間の想いというものはすごく大事なもの。
どんな地位になろうと、どれだけ金持ちになっても、人の想いというものは生き続けるのです。

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