「同一労働同一賃金の衝撃」
「働き方改革」のカギを握る新ルール

山田 久 やまだひさし

法政大学経営大学院教授
兼日本総合研究所客員研究員

想定する対象者

経営者・管理職
労働組合役員の方々(職場リーダー、職場委員、三役の皆様)

提供する価値・伝えたい事

「同一労働同一賃金」の意義と限界を理解し、
それぞれの職場で必要な本物の「働き方改革」を実現するための
視座やヒントを得ていただくこと。

内 容

1.政府「働き方改革」の背景と概要
・アベノミクスの成否を左右する賃上げの成果が十分に表れない中、
生産性向上と賃上げの循環を形成することが、政府主導の「働き方改革」 の当初の狙い。
・一方、企業業績の改善が続くもとで厳しい職場環境が存置され、労働条件の改善を図る必要性が高まり、過重労働問題に世の中の関心が集中。
⇒結果、「働き方改革」の重点が労働条件の改善にシフトすることに。
●働き方改革(残業上限・同一労働同一賃金)にあたって、政府は欧州型の働き方を参考にしているが、わが国と欧州では大きな違い。
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欧州の短い労働時間の前提には、
①学校教育など企業外部に実務能力が取得できる仕組みが組み込まれている②不採算事業の縮小・撤退に伴う人員整理を社会過度なストレスを与えずに実施できる仕組みが整備されている ことで、高い時間当たりの生産性が実現している点。

2.同一労働同一賃金は「日本型」
欧州では「同一価値労働同一賃金」。男女別賃金の是正という「ダイバーシティー」の文脈からこのコンセプトが発展。男女間で職務分離がなされても、職務価値の測定によって比較可能にしようという考え方。
これに対し、今回の「同一労働同一賃金」は、欧州のオリジナルな文脈ではない「日本型」。

3.同一労働同一賃金の意義と限界
・所得格差vs格差意識・・・客観的に格差はさほど拡大せず。正規・非正規での仕事のオーバーラップが大きな要因。
・欧州では実は所得格差が拡大
技能、生産性は賃金差の合理的な理由。
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納得度が高く職場の活性化につながる公平性については、「静態的公平vs動態的公平」および「結果公平vs過程公平」の2つの軸で考える必要。
「同一労働同一賃金」の考え方は主に「静態的公平&結果公平」に該当し、
わが国ではこの面での公正性が十分に担保されてこなかった。

4.働き方改革をどうとらえるか
働き方改革が必要とされる本質的な理由は人口動態の変化に。国内総人口の減少局面への移行により、従来のコア労働力である男性現役世代が減少し、多様な人材の活躍が企業発展に不可欠に。とりわけ、女性活躍には育児・家事の男女シェアが不可欠であり、定時退社が基本となる働き方が一般化することが求められる。さらに、今後は「多数派」になるシニアの活用が重要課題に。
→そうして、働く人々が多様になれば、多様な働き方を認めるとともに、それぞれの働き方の間の公平処遇が不可欠に。⇒新たな環境で生産性を高めるためには、ダイバーシティー・マネジメントへの取り組みが不可欠に。

スタッフからのコメント

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(お客様アンケートより)
・最新の知見からのお話がとても参考になりました。
・各国の成功事例とこれから日本ではどうするべきなのか、というところまで
参考になるお話でした。
・TVニュースでのインタビューと同じく聞き取りやすい講演でした。
(労組マーケット担当)

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