人と動物を分つもの:人理解の最新情報をもとに

上野吉一 うえのよしかず

中部大学 特任講師

想定する対象者

人や動物とはどのような存在かを知りたい方
人と動物という区別に疑問を感じている方
人は特別な存在であるという考えに疑問を感じている方
人について興味・関心のある方
動物について興味・関心のある方

提供する価値・伝えたい事

人は、人以外の動物とは異なる存在だと捉えている。それは本当にただしいのだろうか。人は他の動物よりも知能が高く、そこが他の動物とは違うと言われたりする。それは正しく、またその事により人と他の動物の間には明確な線を引くことはできるのか。

昨今ますます進む人や他の動物の知性に関する知見は、そうした人と他の動物の間には、全体的な差異があるのではなく、相対的な差異があるに過ぎないことをますます強調してきている。つまり、人と他の動物の決定的な違いがあるのではなく、種それぞれが異なる特性を持っていて、それは人もまた他の種とは異なる特性を有している。しかし、それは人以外の動物と分かつようなものではないということである。こうした人の理解は、これまで長い間わたし達人が必ずしも意識することなく「人間中心主義」にもとづき振る舞ってきたことによるものであることを理解する。

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