動物の見る世界、人の見る世界:「環世界」の理解

上野吉一 うえのよしかず

中部大学 特任講師

想定する対象者

他人や人以外の動物が見たり、聞いたりする感覚の世界を知りたい方
人と動物の違いに興味・関心のある方
感覚について興味・関心のある方
人々の間の差別や争いごとをなくしたいと考えている方
違うこと、多様であることに興味・関心のある方

提供する価値・伝えたい事

わたし達人は、自らが見ている世界は真実だと思って生活している。しかし、実際には見えるもの(感じられるもの)すべてを、わたし達は捉えているわけではない。コウモリの超音波も、ゾウの低周波も、わたし達は聞くことはできない。つまり、わたし達の見ている世界は、わたし達人が見える世界を見ているに過ぎないことになる。この種によって制限された感覚世界を、20世紀初頭の生物学者のユクスキュル(1864-1944)は「環世界」と表した。この「生物学的制約」による作られる世界の存在を理解することは、他の動物の理解はもとより、人同士の理解においても重要である。人同士であっても、文化の違いなどによって、見ている世界は違う。そのことを受け入れる認め合うことが、差別や争いを減らすための方策の1つとなる。

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